Project/Area Number |
22K05607
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 39020:Crop production science-related
|
Research Institution | Japan International Research Center for Agricultural Sciences |
Principal Investigator |
小林 伸哉 国立研究開発法人国際農林水産業研究センター, 熱帯・島嶼研究拠点, 主任研究員 (70252799)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
齊藤 大樹 国立研究開発法人国際農林水産業研究センター, 熱帯・島嶼研究拠点, 主任研究員 (10536238)
國吉 大地 国立研究開発法人国際農林水産業研究センター, 熱帯・島嶼研究拠点, 任期付研究員 (70912559)
|
Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
|
Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2025: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
|
Keywords | イネ / 再生株 / 育種素材 |
Outline of Research at the Start |
イネの生産効率向上の手段のひとつとして再生株「ひこばえ」を利用した栽培法がある。近年アメリカや中国などでは2回収穫が普及しているほか、熱帯のインドネシアでは複数年継続栽培し複数回収穫する農法が知られている。株の再生能については品種間差の大きいことが知られているものの、品種改良は行われていない。そこで年中温暖な亜熱帯気候を活用し、再生能の生理的遺伝的要因を明らかにし育種素材を開発する。
|
Outline of Annual Research Achievements |
イネの生産効率の向上とその安定化は重要な課題であり、生産効率向上の手段のひとつとして再生株「ひこばえ」を利用した籾の複数回収穫栽培がある。古くから、日本を含む各地でひこばえの利用は見られたが、その収量レベルは低いものであった。近年は栽培技術の改良などにより、収量レベルがあがりアメリカや中国などで普及が進んでいる。しかしながら、株の再生能に関する生理的遺伝的機作はほとんど研究されておらず、品種改良は進んでいない。そこで本課題では、再生能の生理遺伝的特性の評価方法について検討し、遺伝的要因を解明し複数回収穫に適した育種素材の開発を目的として次の4項目に取組んでいる。 1.イネの株再生能評価方法確立:多収品種の北陸193号やその派生系統A、熱帯の普及品種について、収穫1回目の刈り取りのタイミングや高さの影響を検討した。 2.イネ遺伝資源の株再生能多様性評価、3.再生株の出穂特性解明:上記の3品種系統に加え、主食用多収品種の「とよめき」などの品種について、1回目の出穂日および遅れ穂発生について調査した。 4.再生株安定多収系統を用いた遺伝要因解明:近年栽培技術の改良により収量レベルが上がり、日本では多収品種「北陸193号」の派生系統Aを用いた2回収穫の試験で1500kg/10aという超多収を達成していた。本課題では、北陸193号と派生系統Aおよび、それらを両親とした交雑後代系統(組換え自殖系統)約150系統を養成し、圃場で栽培試験を行った。1回目の出穂日や収量関連形質などの農業特性に関する調査を行った。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
1.イネの株再生能評価方法確立:収穫1回目のタイミングや刈り取り高さを変えて調査した。各種処理試験において再生穂の発生が十分でなく、特に刈り取り高さの影響についての評価は困難であった。 2.イネ遺伝資源の株再生能多様性評価、3.再生株の出穂特性解明:上記1の試験で評価に適切な条件の検討が遅れたため、行った試験の条件では再生穂の発生が十分でなく、再生能の遺伝的多様性に関する評価は困難であった。 4.再生株安定多収系統を用いた遺伝要因解明:北陸193号と派生系統Aおよび、それらを両親とした組換え自殖系統約150系統について圃場で栽培試験を行い、1回目の出穂日や収量関連形質などの基本的な農業特性に関する情報を取得した。以前茨城県つくばみらい市で行っていた試験では、北陸193号とその派生系統Aとの間に再生株発生に明瞭な差が見られていた。つまり、1回目の収穫後に北陸193号では遅れ穂の発生がほとんど見られないものの、派生系統Aでは小さいもの遅れ穂の発生が多数見られていた。沖縄県石垣市で栽培したところ、令和4年の1期作目の栽培で派生系統Aでも遅れ穂の発生があまり見られず、両者間でその差異があまり明瞭でなかった。そのため、組換え自殖系統群の再生能の評価もやや困難であった。2期作目においては、両親間で差異が見られた。 このように、特に再生能の評価の点で当初の計画よりもやや遅れていると考える。
|
Strategy for Future Research Activity |
1.イネの株再生能評価方法確立:多収品種の北陸193号やその派生系統A、その他のイネ品種について、収穫1回目の刈り取りのタイミングや高さの影響を検討や肥培管理について検討を進める。特に、1回目収穫期ごろに追肥することにより、再生株の発生を促すことを検討する。 2.イネ遺伝資源の株再生能多様性評価、3.再生株の出穂特性解明: 上記1.での検討に基づき再生穂を十分に確保したうえで、特性調査を進める。 4.再生株安定多収系統を用いた遺伝要因解明北陸193号と派生系統Aおよびそれらの組換え自殖系統の栽培試験を継続し、農業特性の評価の年次反復を行う。得られたデータをもとに、出穂や収量関連形質など農業特性についての遺伝解析に取り組む。
|