Project/Area Number |
22K05612
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 39030:Horticultural science-related
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Research Institution | Chubu University (2023) Nagoya University (2022) |
Principal Investigator |
松本 省吾 中部大学, 中部高等学術研究所, 客員教授 (90241489)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
太田垣 駿吾 名城大学, 農学部, 准教授 (50597789)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2024: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2022: ¥2,080,000 (Direct Cost: ¥1,600,000、Indirect Cost: ¥480,000)
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Keywords | 園芸学 / 果樹 / リンゴ / 自家不和合性 / SFB遺伝子 / S遺伝子型 |
Outline of Research at the Start |
本研究は、リンゴ自家不和合性分子機構を解明し、その成立過程の一端に迫ることを目的としている。具体的には、栽培種毎のゲノム解析を行うことによりゲノム上のS遺伝子群の構成の詳細を明らかにするとともに組織特異的発現解析により機能遺伝子を特定する。また、自家不和合性に関わるS遺伝子群の多様性に基づいて同定したS遺伝子型情報のデータベースを作成し、ホームページ上に和合・半和合・不和合の交配品種組み合わせ検索システムを公開してリンゴ栽培育種に貢献する応用研究の展開も行う。
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Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、自家不和合性に関わる9番染色体に存在する新奇機能性SFB遺伝子の同定に関して以下の成果を得た。まず、既知のMdSFBB3、10種類のMdFBX、MdSLFB3のアミノ酸配列を用いてリンゴゲノムGDDH13に対してblastP検索を行い、17番染色体上の相同配列に加えて9番染色体上に合計15種類の類似配列を見出した。次に、見出された15種類の類似配列について、全ゲノム解読したリンゴ系統JPP35に対してIGV上でマッピングした結果、MD09G1191300、MD09G1144400、MD09G1144500、MD09G1119500、MD09G1131200の5種類が機能遺伝子として存在している可能性が高いと考えられた。MD09G1281200、MD09G1129200、MD09G1138900についても遺伝子として存在している可能性が考えられたが、3’末に603bpの欠失や6kbの挿入が見られた。また、MD09G1281000についてはアミノ酸配列に翻訳されたものの66-67箇所に多型が見られず、残りの6種類についてはアミノ酸配列に翻訳されなかった。さらに、全ゲノム解読した‘祝’のデータから、17番染色体上の機能性SFB候補遺伝子に関する情報も得ることにも成功した。 前年度に引き続きDDBJなどのデータベースからS-RNaseアミノ酸配列データを取得し、系統解析の結果を基にS-allele表記についての統一番号の割り付けを進めリンゴS遺伝子型情報の電子ファイル化をほぼ終了した。このS遺伝子型情報のデータベースを基に構築した和合・半和合・不和合の交配品種組み合わせ検索システムについて、これまでの英語版、日本語版、中国語版、イタリア語版、ポルトガル語版、パシュトー語版に加えて、新たにロシア語版、ベラルーシ語の検索システムを構築した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度は、ナノポアシーケンサーMinIONを用いて‘JPP35’ならびに‘祝’のシーケンスデータを取得し、今後の染色体レベルでのゲノム解析に資する十分量の配列データを得ることに成功した。得られた配列データから、自家不和合性に関わる17番染色体上の機能性SFB候補遺伝子群ならびに9番染色体上に存在する新奇機能性SFB候補遺伝子群の同定を行なった。 S遺伝子型情報の電子ファイル化をほぼ終了し、得られたS遺伝子型情報のデータベースを基に和合・半和合・不和合の交配品種組み合わせ検索システムの構築を行なった。
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Strategy for Future Research Activity |
リンゴ花粉のRNA-seq解析を実施し、S3-RNase近傍のMD17G1255300の発現を確認して17番染色体上の花粉側因子を特定するとともに、9番染色体上に見出された15種類の花粉側候補遺伝子群について、発現の有無からMD09G1191300、MD09G1144400、MD09G1144500、MD09G1119500、MD09G1131200の5種類が花粉側因子であるのか、それとも他にも候補遺伝子が存在するのか明らかにする予定である。また、S1-RNase近傍のMD17G1253800とMD17G1256300が花粉側因子であることの確認も行う予定である。さらに、S遺伝子型情報のデータベースを基に、ホームページ上に和合・半和合・不和合の交配品種組み合わせ検索システムを公開する予定である。
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