Project/Area Number |
22K05619
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 39030:Horticultural science-related
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
東 未来 日本大学, 生物資源科学部, 助教 (80783414)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,030,000 (Direct Cost: ¥3,100,000、Indirect Cost: ¥930,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
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Keywords | ダリア / 切り花 / 小花 / 品質保持 / 化合物 / 日持ち / 老化 / 開花 / ケミカルスクリーニング / 開花調節 |
Outline of Research at the Start |
消費者が切り花を購入するにあたり,“花の日持ちが長いこと”は重視される形質の一つである.花の日持ち(観賞期間)を延長するためには,①開花の速度を緩やかにし,②できるだけ多くの花弁(小花)を開花させ,さらに,③老化を抑制することが重要である.これまでに着目されてこなかった化合物の中には,このような現象に影響を及ぼす化合物が存在すると期待される.本研究では,ケミカルスクリーニングによって,切り花の日持ちを延長するための化合物を探索する.ケミカルスクリーニングは『ダリアの小花を用いた日持ち検定法』を活用した小スケールの実験系で行い,スクリーニングで候補となった化合物は,切り花での効果を調査する.
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Outline of Annual Research Achievements |
ダリアは小花が集合して一つの花のように見える頭状花序の花きであり,開花現象と老化現象は外側の小花から順に引き起こされる.そのため,外側の列の小花が萎凋し始めていても,内側の列の小花は未だ開花していない場合もある.外側の列の小花の老化現象(萎凋,落弁,退色,褐変化等)を抑制し,内側の列の小花の開花現象(花弁の展開,着色)を促進することで,観賞期間を延長することができると期待される. そこで本研究では,ダリアの分離小花を用いた日持ちの検定法によって老化現象や開花現象に影響を及ぼす化合物の探索を試みた.老化を抑制する化合物の探索では,外側の列の開花後の小花を用い,花弁の萎凋,退色,褐変化が起こるまでの日数を計測することにより,その化合物の効果を評価した.開花を促進する化合物の探索では,内側の列の未開花の小花を用い,開花するまでの日数と着色度合を観察することにより,その化合物の効果を評価した. 本年度は日持ち性と花色が異なる3品種のダリア‘かまくら’,‘ポートライトペアビューティー’,‘ミッチャン’の小花を用い,約50種類の化合物等でその効果を検証した.しかしながら,顕著に花弁の萎凋や褐変化を抑制する効果のある化合物は見つからなかった.一方で,糖質については,グルコース,スクロース,フルクトース,マルトース等いずれの場合においても開花促進の効果が認められた.この効果は,濃度や品種によっても異なる可能性が示唆された.また,小花を用いた日持ち検定に用いる液量について,さらなるスケールダウンを試みたところ,前年度は4 mLの液量だったのに対し,1.5 mLで日持ち検定を行うことができた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
初年度でケミカルライブラリーの確保が遅れたため,全体的に当初の予定よりやや遅れている.しかしながら,本研究に用いるケミカルライブラリーの検討をするにあたり,十分な時間を確保できたことと,小花を用いた日持ち検定について,予備実験を再度行うことができたため,研究に用いる化合物の液量の大幅なスケールダウン,研究に用いる品種の検証を行うことができた.天然物の化合物を主としたケミカルライブラリーを用いる予定でいたが,生理活性が認められている化合物のケミカルライブラリーを購入することができた. そのため,次年度はさらにスケールダウンした小花日持ち検定法と生理活性が認められている化合物のケミカルライブラリーを用い,切り花の観賞期間の延長に有用な化合物の探索がスムーズに行うことができると考えている.
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は,生理活性のあることが明らかとされている化合物を主としたケミカルライブラリーを用い,ダリア小花日持ち検定法によるケミカルスクリーニングを行い,老化の抑制あるいは開花の促進に効果がある新規な化合物の探索を試みる.供試材料として,日持ち性と花色が異なる3品種のダリア‘かまくら’,‘ポートライトペアビューティー’,‘ミッチャン’を主に用いる.老化の抑制効果が有る化合物の探索では,一番外側あるいは4列目の小花を用いて,花弁の萎凋,褐変化,退色に要する日数を調査する.開花の促進効果を検証する際には,内側の未開花の小花を用いて、開花あるいは着色に要する日数を調査する.ケミカルスクリーニングによって,萎凋の抑制あるいは開花の促進に効果的な候補化合物が得られた後は,化合物の処理濃度を高くし,切り花のダリアにおいても同様の効果が得られるかどうかを検証する.また,その化合物がなぜ花の日持ち性に影響を及ぼすのか,そのメカニズムの一旦をあきらかにするため,老化や開花に関わる遺伝子の解析を行う予定である.
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