Project/Area Number |
22K05740
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 40010:Forest science-related
|
Research Institution | Japan Aerospace EXploration Agency |
Principal Investigator |
吉岡 真由美 国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構, 第一宇宙技術部門, 主任研究開発員 (00514788)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上村 佳奈 信州大学, 学術研究院農学系, 助教 (40570982)
|
Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
|
Budget Amount *help |
¥3,510,000 (Direct Cost: ¥2,700,000、Indirect Cost: ¥810,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
|
Keywords | 台風 / 森林災害 / 倒木被害 / 強風評価 / 将来気候 / 気象予測 / 災害予測 |
Outline of Research at the Start |
本課題では台風に伴う森林被害の定量評価を行う。 1)気象観測データと気象モデルによる台風シミュレーションを実施し、台風の詳細な風分布を推定する。 2)森林域の推定風分布を算出し、森林被害を誘発する強風を持つ台風の強度・経路の関係を解明する。 3)今後予想される疑似台風を数値シミュレーションにより作成し、台風に伴う強風により発生する森林域の災害予測を行う。 本研究における台風に伴う強風による森林被害の研究は、森林災害の予測につながることから森林域の保全や防災に役立つ。また、都市の建造物の強風災害の評価にも応用できる。
|
Outline of Annual Research Achievements |
本課題は台風に伴う強風による森林の森林被害の定量的評価を、森林被害データおよび気象モデルを用いた数値シミュレーションを行いて解析し、森林学と気象学の両側面から進めている。観測された台風と数値シミュレーションによるその再現結果と、森林被害の報告から、台風の経路、強度、大きさと、森林被害との関係を明らかにする。導出した関係から、将来的に襲来する台風に伴い発生する森林災害の予測を目指す。令和4年度は以下のように実施した。 1) 林野庁と環境庁が提供する森林被害及び資源データを収集し、台風による被害森林の位置や規模に関する空間情報データベースを作成しつつ、被害場所の特定を行なっている。地理情報システムを利用した空間情報データベースを用いて森林被害を解析する準備を進めた。 2) 気象モデルを用いた数値シミュレーションから、森林被害を引き起こす強風を算出するために、気象モデルで計算される風(格子平均風)から倒木に関わる樹高近くの低高度の風を推定する、格子内の局所風分布を見積もる評価方法(サブグリッドモデル)を新たに構築した。気象モデルを用いた台風の数値シミュレーションによる再現の準備を行った。 3) 解析に用いる森林被害および気象の観測データの収集と、データ解析に用いる環境としての計算機を導入、整備した。この計算機環境で上記データ収集、整理と、サブグリッドモデルを構築する作業を実施した。COVID-19の感染状況を鑑み、感染対策のため、対面での研究打ち合わせを縮小し、リモート会議に置き換えて実施した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
令和4年度は、JAXAおよび信州大学でそれぞれ気象側と森林側からの解析を進め、COVID-19の感染対策のため、対面およびリモートでの打ち合わせの下で情報共有を行い、以下のように研究を実施した。 1) 林野庁と環境庁が提供する森林被害及び資源データを収集し、台風による被害森林の位置や規模に関する空間情報データベースを作成しつつ、被害場所の特定を行なっている。地理情報システムを利用した空間情報データベースを用いて森林被害を解析する準備を進めた。 2) 気象モデルを用いた数値シミュレーションから、森林被害を引き起こす強風を算出するために、気象モデルで計算される風(格子平均風)から倒木に関わる樹高近くの低高度の風を推定する、格子内の局所風分布を見積もる評価方法(サブグリッドモデル)を新たに構築した。 解析環境としての計算機を導入、整備し、上記データ収集、整理と、サブグリッドモデルを構築する作業を実施した。気象モデルを用いた数値シミュレーションを行い、台風を再現する計算するにあたり、このサブグリッドモデルを組み込み、森林被害を発生させる台風に伴う強風を評価する準備を行った。このサブグリッドモデルの構築を優先して行い、気象モデルによる数値シミュレーションの実行を遅らせた。 これらの解析に用いる森林被害および気象の観測データの収集と、データ解析に用いる環境としての計算機を導入、整備した。この計算機環境で上記データ収集、整理と、サブグリッドモデルを構築する作業を実施した。
|
Strategy for Future Research Activity |
令和5年度は、JAXAおよび信州大学でそれぞれ気象側と森林側からの解析を進め、対面およびリモートでの打ち合わせの元で情報共有を行い遂行する。 1) 空間解析に地理情報システムを利用した空間情報データベースを構築する。このデータベースを用いて森林データを整理し、台風による森林被害を確定する。台風襲来時に特化した森林の実被害を算出する。 2) 気象データの解析と気象モデルを用いた実験により台風の強風の再現を行う。気象モデルを用いて数値シミュレーションにより台風の強風分布と時間変化を再現する。森林被害を引き起こす強風を算出するために開発した、格子内の局所風分布を見積もる評価方法(サブグリッドモデル)を用い、台風に伴う強風を評価する。 3) 台風の強風による森林被害の評価式を、複数の台風シミュレーションの結果を用いてクラスタ解析を行い、分類する。森林被害データと比較を行い、森林被害をもたらす台風の強度(最大風速分布)と大きさ(強風半径)の関係を解明する。 4) 研究成果を日本気象学会秋季大会、および森林学会で報告する。
|