Project/Area Number |
22K05760
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 40020:Wood science-related
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
小幡谷 英一 筑波大学, 生命環境系, 准教授 (10312810)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
沖山 奈緒子 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 教授 (10581308)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥3,900,000 (Direct Cost: ¥3,000,000、Indirect Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
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Keywords | 木管楽器 / リード / 葦 / アレルギー / アセチル化 |
Outline of Research at the Start |
オーボエやクラリネットなどの木管楽器は、リードと呼ばれる葦の小片を振動させて音を出しますが、まれに、葦との接触で皮膚炎が起こることがあります。この「葦アレルギー」は奏者の間でもあまり知られておらず、根本的な予防法もありません。本研究では、葦アレルギーの実態を明らかにし、その原因物質を特定するとともに、アセチル化による「アレルギーフリーリード」の実現を目指します。
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Outline of Annual Research Achievements |
1)アセチル化リードの試奏試験:前年度に引き続き、葦アレルギーの奏者の協力を得て、アセチル化リードの試奏試験を行った。アセチル化リードによってアレルギー症状がほとんど出なくなった。アセチル化による葦アレルギー抑止効果が改めて確かめられた。 2)奏者自身によるアセチル化の試行:前年度に確立した低温気相法を応用し、家庭用の保温庫を用いた簡易なアセチル化法を開発した。さらに、数名のリード楽器奏者に「アセチル化講習(薬品の適切な取り扱い方法を含む)」を行い、奏者自身によるリードのアセチル化を試行した。いずれの奏者も安全かつ確実にリードをアセチル化することができた。 3)葦のアセチル化特性の解明:葦の外皮に近い部分と内側でアセチル化に対する反応性が異なることを明らかにした。すなわち、主に維管束鞘からなる外皮の方が、柔細胞の多い内側よりも反応性が低かった。結果として、外皮に近い部分を使うダブルリード(オーボエなど)のアセチル化レベルが、内側に近い部分を使うシングルリード(クラリネット、サックスなど)より低くなることが明らかとなった。 4)葦粉を用いたパッチテストの実施:7名の葦アレルギー奏者の協力を得て、葦粉(アセチル化試料、特定の成分を除去した試料を含む)を用いたパッチテストを開始した。試験は継続中であり、最終年度に結果の解析を行う。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
アセチル化リードの試奏、奏者によるアセチル化の試行、いずれも計画通りに進行している。ただ、アレルゲンの特定に向けたパッチテストについては、1週間通院しなければならないことから、協力数が7名と少なかった。被験者数を増やす工夫が必要である。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の目標であった1)アセチル化によるアレルギーの抑止、2)家電や日用品を使ったアセチル化手法の確立、についてはほぼ達成した。次年度以降は、より低い温度(室温)でのアセチル化を試みるとともに、パッチテストの結果を解析し、アレルゲンの特定を目指す。また、本研究で得られた成果を奏者、特に葦アレルギーに悩む奏者に周知する活動を行う。
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