Effect of substrate viscosity on invertebrate larval settlement
Project/Area Number |
22K05791
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 40030:Aquatic bioproduction science-related
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Research Institution | Japan International Research Center for Agricultural Sciences |
Principal Investigator |
松本 有記雄 国立研究開発法人国際農林水産業研究センター, 水産領域, 主任研究員 (60700408)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2024: ¥390,000 (Direct Cost: ¥300,000、Indirect Cost: ¥90,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2022: ¥2,210,000 (Direct Cost: ¥1,700,000、Indirect Cost: ¥510,000)
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Keywords | ほふく粘液 / 着底・変態機構 / アワビ類 / 着底・変態 / 匍匐粘液 / アワビ / ナマコ |
Outline of Research at the Start |
アワビ類やナマコ類などは世界中で養殖されている。しかし、浮遊幼生を飼育板に着底させ、変態させる工程においては、数パーセントの着底・変態率しか得られない種が多い。他方、ほふく粘液(他個体が這った後に残る粘液)上に幼生が好んで着底することが知られている。過去の研究では、ほふく粘液内の神経伝達物質に着目してきたが、これら物質を水槽に添加しても、ほふく粘液のような高い着底・変態率は再現できていない。
本研究では、ミミガイとハネジナマコをモデル生物として、アワビ類とナマコ類の幼生はまだほふく粘液を分泌できないため、付着と歩行に適した粘性を持つ基質上に好んで着底して変態するという仮説を検証する。
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Outline of Annual Research Achievements |
アワビ類の浮遊幼生を飼育板に着底させ、底生生活に移行(変態)させる工程は種苗生産のボトルネックとなっている。本研究では、同種他個体が這った跡に残るほふく粘液やバイオフィルムの上に幼生が好んで着底することに着目した。すなわち、ほふく粘液の粘度を元に人工粘液を作成し、それを用いた種苗生産技術を開発することを目的とした。
本年度は、ほふく粘液の粘度を元に人工粘液を作成し、それを用いてエゾアワビおよびミミガイの幼生の着底を誘引できるかを検証した。本研究では、λカラジーナンを海水に溶かしたものを人工粘液として使用した。人工粘液とエゾアワビ、およびミミガイのほふく粘液の動的粘弾性を比較した結果、これらの粘液は近い粘度を示していた。すなわち、ほふく粘液はせん断応力が大きくなるにしたがって粘度が低下する傾向があり、人工粘液も同様の性質を示した。一方で、同じサンプルを測定した場合でも、測定値がばらつくなど測定方法を検討する余地が残った。 この人工粘液をガラスシャーレ上に塗布し、エゾアワビおよびミミガイの浮遊幼生の着底と変態を観察した。エゾアワビにおいては、人工粘液を塗布したシャーレに幼生を投入した30分後には、幼生の着底が確認され、その着底率は人工粘液を塗布していない対象区よりも有意に高かった。ミミガイにおいても、同様に人工粘液を塗布したシャーレ上で対象区よりも高い着底率が見られた。しかし、着底後に変態し、底生生活に移行する個体はほとんど観察されなかったことから、変態には別の物質が関与していると考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
試作した人工粘液を用いて幼生の着底を促せることなど想定どおりの結果が得られつつある。他方で、人工粘液が種苗生産施設で使用される飼育板(PVC製)に付着しないという新たな問題が浮上した。また、人工粘液のみでは、浮遊幼生が着底したのちの変態までは促せないことが分かり、この点も対応する必要がある。
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Strategy for Future Research Activity |
人工粘液による着底誘引の再現性を確認するとともに、着底後の変態を誘引する物質を探索する。例えば、エゾアワビの着底と変態を誘引するとされている緑藻アワビモが分泌するジブロモメタンが変態に与える影響を確認する。 人工粘液が飼育板に付着しない問題に関しては、飼育板に緑藻アワビモを繁茂させ、その上に人工粘液を付着させることを試みる。すなわち、アワビモを人工粘液を付着させる基質として利用すると同時に、アワビモから分泌されるジブロモメタンにより変態を誘起させる手法を開発する。
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Report
(1 results)
Research Products
(1 results)