Project/Area Number |
22K05799
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 40030:Aquatic bioproduction science-related
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
萩原 聖士 北海道大学, 北方生物圏フィールド科学センター, 准教授 (80704501)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
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Keywords | ウナギ / 銀化 / 回遊 / 春機発動 / 性成熟 |
Outline of Research at the Start |
回遊を開始するウナギの全長と年齢は極めて個体差が大きく、どんな生態学的条件を満たした個体が、どのような生理学的プロセスを経て、春機発動・銀化・回遊開始に至るかは未だ明らかでない。本申請課題では、(1) 春機発動の生理生態学的特徴、(2) 春機発動個体のみが銀化・回遊開始する生理生態学的機構、(3) 春機発動と銀化を誘導する環境刺激とその生理学的機序を明らかにする。得られた知見を応用し、(4) 世界初の人為的な春機発動・銀化誘導を試み、熱帯性の同属種との比較検証も行う。これらを総合し、ウナギ属魚類の春機発動・銀化・回遊開始機構の解明を目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
ウナギ属魚類は黄ウナギとして数年から数十年かけて成長した後、銀化して銀ウナギとなり、産卵回遊を開始する。温帯に分布するニホンウナギなどの温帯ウナギでは、銀化は水温が低下する秋季に生じ、銀化に伴い眼径の増大、胸鰭の伸長、鰾および心臓の発達、消化管の縮小、生殖腺の発達などの変化がみられる。これまでの研究から、秋から初冬にかけて銀化する個体は、銀化しない個体に比べて夏季の時点で既に卵径が大きく、春機発動していることが示唆された。これは、「銀化・春機発動・回遊行動開始の3つは秋から初冬にかけてほぼ同期的に生じる」という従来の考えを覆すものであった。 2023年度は、ニホンウナギの食欲関連遺伝子群、生殖関連遺伝子群、成長関連遺伝子群のプライマーを設計し、mRNA転写量を測定するためのリアルタイムPCR法を確立した。また、過去に夏季に採集した天然ニホンウナギ(40個体、全長500mm以上、黄ウナギ、卵濾胞径から回遊予定個体と残留予定個体を判別済み)の、脳、下垂体、生殖腺、肝臓、胃、筋肉からtotal RNAを抽出し、逆転写反応によりcDNAを合成した。測定は次年度に残された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
北海道大学北方生物圏フィールド科学センターに着任して1年目であったため、実験環境の立ち上げに多くのエフォートと資金を割く必要があり、研究の進捗に遅れが生じた。
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Strategy for Future Research Activity |
2023年度中にリアルタイムPCRやステロイド測定系のための実験環境を構築することができたため、2024年度はこれまでに収集した資料と確立した測定系を用いてニホンウナギの食欲関連遺伝子群、生殖関連遺伝子群、成長関連遺伝子群のmRNA転写量や血中ステロイドホルモン量を測定する。異動により遅れが生じたが、本課題の遂行に問題はない。 2024年度途中の進捗状況によっては研究期間延長を申請する可能性がある。
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