Project/Area Number |
22K05845
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 41010:Agricultural and food economics-related
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
藤科 智海 山形大学, 農学部, 教授 (80576645)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥3,900,000 (Direct Cost: ¥3,000,000、Indirect Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
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Keywords | バリューチェーン / サプライチェーン / 主体間関係 / 価値共創 / リサイクル |
Outline of Research at the Start |
フードシステムには、農業生産から食品製造、食品流通、食料消費に至る動脈流通と、生産・製造・流通・消費の各段階で発生する食品廃棄物を肥料・飼料等にリサイクルして農業生産に利用していく静脈流通の両方が存在している。しかし、フードシステムに関するこれまでの研究では、動脈流通のみや静脈流通のみで完結させる研究が多かった。そこで、動脈流通と静脈流通の両者を接続した、真の循環型フードシステムの構築を研究課題とする。モノが循環していることを評価するサプライチェーンの構築と、価値が循環していることを評価するバリューチェーンの構築という両方の視点から、循環型フードシステムの構築を検討する。
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Outline of Annual Research Achievements |
循環型フードシステムの動脈流通におけるバリューチェーン構築に関する研究として、地域内循環の視点から、山形県庄内地域の住民を対象に、地域産飼料産地表示のある豚肉及び豚肉加工品の今後の商品化を見据え、その購買意欲と価格評価を分析した。分析の結果、「地域産飼料の表示」のある豚肉及び豚肉加工品に対して地域住民の購買意欲は高いことが確認できた。地域産飼料表示のある豚肉の購買意欲の向上に関連があったのは、「安全・環境志向」の高さと「節約志向」の低さであった。地域産飼料表示のある豚肉加工品の購買意欲の向上に関連があったのは、女性、「安全・環境志向」の高さ、「節約志向」の低さであった。価格評価をみると、「地域産飼料の表示」のある豚肉・豚肉加工品は、国産の商品との差別化は図れているが、地域産の商品との差別化は図れていないという結果であった。 動脈流通におけるバリューチェーン構築に関する事例として、地理的表示保護制度(GI)に登録されているGI東根さくらんぼの生産者を対象に、GI東根さくらんぼの登録に対する生産者の評価を明らかにした。生産者のGI東根さくらんぼに対する評価について、全体的に「所得が増えた」という効果がある。属性別では、50代の生産者は「所得が増えた」という効果に対する評価が高く、今後の出荷量を増やしたい生産者も多く、GI東根さくらんぼの登録に対する評価が高い。出荷量の10%~30%を出荷した生産者は「所得が増えた」という効果に対する評価が高く、出荷量を増やしたい生産者が多い。GI東根さくらんぼの出荷先をみると、ふるさと納税で出荷する生産者にとっては登録後の効果を感じられ、今後の出荷量の増減に対する意向についても「増やしたい」という意識が強いことを示しており、GI東根さくらんぼの登録に対する評価が高いという結果であった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
循環型フードシステムの動脈流通におけるバリューチェーン構築に関する研究が進展した。地域内循環の視点から地産地消が畜産物の飼料にまで訴求するのかに関する研究、動脈流通におけるバリューチェーン仕組みとしてのブランド化(地理的表示保護制度)に対する生産者の評価に関する研究を進め、両研究とも、学会発表を実施した。また、昨年度に学会発表した研究は、研究論文として掲載された。
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Strategy for Future Research Activity |
これまで、動脈流通におけるバリューチェーンとサプライチェーンに関する調査を様々な主体を対象に実施してきたので、今年度は、静脈流通におけるバリューチェーンとサプライチェーンに関する事例として、食品残渣のリサイクルに関する調査研究を実施していき、循環型フードシステムの構築として、研究の取りまとめを図る。
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