Project/Area Number |
22K05854
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 41010:Agricultural and food economics-related
|
Research Institution | Tokyo University of Agriculture |
Principal Investigator |
竹内 重吉 東京農業大学, 国際食料情報学部, 准教授 (60595685)
|
Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
|
Budget Amount *help |
¥2,080,000 (Direct Cost: ¥1,600,000、Indirect Cost: ¥480,000)
Fiscal Year 2024: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2023: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2022: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
|
Keywords | 地域農業 / 都市農業 / 生産緑地 / 相続 / インセンティブ / 農業委員会 / 報酬 / ゲーム理論 / 人的資源管理 / 都市 / 農村 |
Outline of Research at the Start |
本研究では,人口減少下の地域農業における,人的資源管理に関する制度設計について,既存政策の効果と課題を検証しつつ,都市部と農村部の比較分析によって,効果的な制度設計を提案する。第1に,地域の主体として農家,自治会,農業委員会を対象に,各主体の取組みと役割を整理し,取組みによる影響を経済的に評価する。第2に,各主体における取組みのインセンティブ構造を分析し,既存政策における取組みのインセンティブ効果を分析する。第3に,各主体の行動原理を踏まえて,よりインセンティブが機能する制度設計を提案する。
|
Outline of Annual Research Achievements |
2023年度は主に次の研究を行った。地域農業における農地資源の管理、保全を目的に、大都市近郊地域を対象とし、都市農家、地主における都市農地の相続、継承について、そのインセンティブ構造を分析し、相続税に関する政策のインセンティブ効果を分析した。 分析対象地域における農地の相続登記について、その動向を整理したところ、指定から30年を迎える2022年を前に、直近の10年間で相続登記された農地が全体の3割を占め、近年の相続登記が多いことがわかった。 生産緑地所有者に相続が発生した場合、その相続には多額の相続税が課せられるため、納税猶予の制度を活用する所有者が少なくない。そして、その相続税額は経済的な影響が大きいため、所有者の農地活用行動にも影響する。所有者の相続税の支払い状況をみると、生産緑地法改正後の1992年以降、相続税納税猶予を受けていない件数が一旦減少した後、増加傾向にあった。加えて、1992年以降の相続において、相続税納税猶予を受けていないのは52%、相続税納税猶予を受けているのは48%と、それぞれほぼ半数である。これらのことから、生産緑地法の改正が相続税の対応に影響していることがわかった。 都市農地が比較的大きいエリアでは、1992年から相続税納税猶予を受けて相続している件数が一定数あるが、相続税納税猶予を受けていない件数も増加している。これは、納税猶予制度は終身営農継が条件とされているため、後継者不足が深刻な地域では、営農を継続していくことが長期的に難しいと考える所有者がいたためと考えられる。 このように、相続には多額の相続税が課せられるため、一定のインセンティブ効果から、相続税納税猶予を受ける所有者がいる一方、納税猶予制度は終身営農継が条件とされているため、その制約から受けない所有者も存在することが明らかになった。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2023年度は,調査分析によって得られた研究成果を取りまとめ,書籍論文1件,学会発表2件の成果公表を行った。以上から,研究は計画通り,おおむね順調に推進できたといえる。
|
Strategy for Future Research Activity |
2024年度は,研究課題として,地域の各主体における取組みのインセンティブ構造を分析し,既存政策における取組みのインセンティブ効果を分析する。そして,各主体の行動原理を踏まえて,よりインセンティブが機能する制度設計を考察する。研究成果の公表については,調査分析結果を取りまとめ,学会発表を行う予定である。
|