Project/Area Number |
22K05870
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 41020:Rural sociology and agricultural structure-related
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
山本 直之 宮崎大学, 農学部, 教授 (10363574)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 太一 宮崎大学, 研究・産学地域連携推進機構, 准教授 (40541355)
槐島 芳徳 宮崎大学, 農学部, 准教授 (10253808)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2022: ¥2,080,000 (Direct Cost: ¥1,600,000、Indirect Cost: ¥480,000)
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Keywords | 搾乳ロボット / 牛個体識別 / ストレス検出 / 経営的評価 / 情報工学的視点 / 実証的・学際的 |
Outline of Research at the Start |
本研究においては、まず、搾乳ロボットの技術と経営の現状に関する情報を収集した上で、搾乳ロボット及び関連施設の評価を行う。現在、既に調査を進めている経営(鹿児島市、及び宮崎県川南町)を含めて、技術的要因と経済的要因の関連性の整理、技術水準ごとの搾乳ロボット導入効果について明らかにするが、これは同時に、搾乳ロボットを基軸としてその前後の一貫した家畜管理が成り立つ課題を抽出する。 そして、情報工学的視点から、牛個体識別及びストレス検出では、飼養頭数60頭程度を対象に顔認証アルゴリズム及びディープラーニングを用いた画像認識AI技術で検討・検証を行う。
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Outline of Annual Research Achievements |
我が国の酪農経営において搾乳ロボット導入は、一定の経営的効果があることが明らかになっているが、ただし今後は、同技術を基軸として、その前後技術を含めた家畜個体管理はどうあるべきか、また、関連する技術として何が求められているか、具体的に解明していく必要がある。 本研究では、搾乳ロボット導入の経営的評価を、搾乳ロボットの前後を含めた技術的・経済的諸要因との関連を踏まえ類型別に行う。さらに、個体管理及び家畜福祉充実に資する技術として画像認識AI等の技術を用いた牛の個体識別及びストレス検出方法の提案・検証を行い、優良牛群形成システムを構築、その経営的評価を行う。 以上を踏まえ、本研究においては、個々の牛の持つ能力を最大限に発揮し、搾乳ロボットの持つパフォーマンスをトータルとして最大限に発揮するためにはどのような方策が望ましいか、経営経済学、並びに情報工学の両面から学際的に明らかにすることを目的とする。 なお、経営的評価においては、単に搾乳ロボットだけではなく、疾病や乳質などの分析が可能な関連機器、施設、作業体系等を含めたトータルの評価を行うが、それに飼養衛生管理基準への対応や耐用年数等を含めた経営戦略との関連を考察することにより、搾乳ロボットの普及に向けての課題と方向性を具体的に明らかにすることを目的とする。 一方、情報工学的視点においては、牛個体識別及びストレス検出を瞬時に判断できる画像認識 AI 技術(顔認証アルゴリズムやディープラーニング)を新たに提案する。これら技術を駆使した牛個体管理と家畜福祉の充実による優良牛群形成システムの構築と経営的評価を一体的に行うことで、革新的経営戦略の一助としたい。そのためにも科学的判断基準を持った裏付け、すなわち学術的に行う。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
搾乳ロボットの技術と経営的評価に関しては、宮崎県における搾乳ロボットを導入している酪農家を対象に、アンケート調査、並びに聴き取り調査を実施した。そして、アンケート回収した7戸のうちの4戸について,その効果と課題を示した。その結果、搾乳ロボット導入効果の現れ方には大きな差がみられ、技術的課題がみられる場合、必ずしも効果が発揮されないこと、逆に、飼料作部門の外部化を行うことや既存施設を有効利用しつつ適切な労働力確保を行うことがいかに重要か示唆された。 「搾乳ロボットのパフォーマンス向上のための類型別課題と改善方策の提案」に関する情報工学的視点の「簡易・迅速な牛個体識別及びストレス検出方法の提案・検証」は、昨年度の成果を受けて、①遠隔操作可能な撮影システムにおける搾乳現場(宮崎大学住吉牧場)への適用性、②「牛個体の識別」画像処理アルゴリズムの検証を行った。その結果、①撮影システムでは、過酷な環境下でも年間を通して動画像の保管が確認できた。また、動画像より抽出した牛検体の個体識別は、同色を示す牛への適用や撮影位置による影響を受け特徴量のばらつきが大きく、その精度は低く現在アルゴリズムの改良中である。さらに、搾乳現場で撮影した牛のストレスとして生産者目視判断値及び搾乳量のデータ構築ができた。なお、これらデータはAI解析またはデータマイニングによるストレス評価を計画しているため、延べ1,460頭の撮影を行った。
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Strategy for Future Research Activity |
搾乳ロボットの技術と経営的評価に関しては、県内の酪農経営に対する技術的・経済的側面からの調査を進め、種々の要因と乳量や収益性との関連について分析を行う。 情報工学的視点に関しては、「牛個体の識別」画像処理アルゴリズムの改良後、ストレスを抱える牛の特徴量を検出するアルゴリズム開発及びストレス評価を行う。その後、ストレスを抱える牛と搾乳量の関係を導き、同牧場牛群を対象とした経済性評価を行い、優良牛群形成システムの可能性について検討する。 そして、経営に関する基本情報と情報工学的視点の成果をもとに、今後、搾乳ロボットのパフォーマンス向上のための方法について検討していく必要がある。
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