大規模災害からの確実な復旧に資するダム・ため池堤体の内部損傷診断手法の開発
Project/Area Number |
22K05887
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 41030:Rural environmental engineering and planning-related
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Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
上野 和広 島根大学, 学術研究院環境システム科学系, 助教 (60560167)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,030,000 (Direct Cost: ¥3,100,000、Indirect Cost: ¥930,000)
Fiscal Year 2024: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,950,000 (Direct Cost: ¥1,500,000、Indirect Cost: ¥450,000)
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Keywords | ダム / ため池 / 内部損傷 / 弾性波速度 / ベンダーエレメント / 貯水盛土構造物 / 復旧 / 内部損傷診断 / 大規模災害 |
Outline of Research at the Start |
現在,大規模災害に対する安全性評価として,堤体の沈下量を算出した上で許容沈下量と比較する手法が用いられている.大規模災害時に堤体の変形をある程度容認することから,その後の復旧時には損傷がダムやため池の機能・性能へ及ぼす影響や,損傷の位置と程度を正確に把握し,的確な対策を行うことが不可欠である.本研究課題では,ダムやため池の堤体を対象に,堤体土として要求される諸性能と土質材料の損傷の関係を解明する.また,実構造物への適用を見据え,取得したデータと現地で観測可能な指標の関連性を分析する.これにより,大規模災害からの確実な復旧に資する,ダム・ため池堤体の内部損傷診断手法を確立する.
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Outline of Annual Research Achievements |
2022年度の研究計画と目的は,土質材料に発生する亀裂やせん断変形が,強度・変形特性と遮水性へ及ぼす影響を解明することであった.このため,本年度はベンダーエレメントを備えた三軸試験機を用い,予備載荷によって土質材料へ所定の損傷を与えた後,強度・変形特性を評価する試験を実施した.土質材料へ与える損傷として,予備載荷での軸ひずみを5%あるいは10%とし,その予備載荷を複数回繰返す試験を実施したところ,軸ひずみの増加に伴って土質材料の強度・変形特性が低下することが明らかとなった.また,同一の軸ひずみの条件下では,予備載荷の作用回数を増加させたとしても,土質材料の強度・変形特性に大きな変化は確認されなかった.これより,土質材料の強度・変形特性には,土質材料が経験したひずみの大きさが主に影響し,その経験回数はさほど影響を及ぼさないことが示唆された.また,三軸試験機に装備するベンダーエレメントによって,土質材料に与えられた損傷と弾性波速度の関係についての基礎データを収集した. 土質材料に与えられた損傷と遮水性の関係については,供試体の作製方法や実験手順について,その具体的な試験方法の考案と準備を行った.予め亀裂などを導入した供試体を用い,三軸透水試験機で透水性を評価することで,土質材料に与えられた損傷と遮水性の関係についての検討を進めることとし,実験に着手したところである.また,最終年度に実施予定の模型実験で使用する土層を整備し,その稼働に向けての準備を実施した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
土質材料に与えられた損傷と遮水性の関係について実験を行うにあたり,供試体の作製方法の再検討を行った.この検討にやや時間を要することとなったため,若干の遅れが生じている.しかしながら,具体的な供試体の作製方法を設定し,実験に着手していることから, 2023年度は問題なく研究課題を遂行することができる.
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Strategy for Future Research Activity |
2023年度は,土質材料の損傷と弾性波速度の関係に関する影響因子の解明を目的として検討を行う.基本的な検討方法は2022年度と同様であるが,ダムやため池で想定される多様な損傷の状態を想定した実験を実施する.また,この検討で取得するデータと,2022年度に取得したデータを詳細に分析することで,土質材料の損傷,強度・変形特性と遮水性,弾性波速度の相関関係を明確にし,ダムやため池などの土構造物で生じる損傷を識別するための指標について検討を行う.また,最終年度に実施する模型実験を着実に実施するため,予備実験を通して実験方法に習熟するとともに,具体的な実験条件の設定を行う.
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Report
(1 results)
Research Products
(1 results)