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乾湿繰り返し履歴によって劣化した農業用水路斜面の修復に適した土質改良法の提案

Research Project

Project/Area Number 22K05888
Research Category

Grant-in-Aid for Scientific Research (C)

Allocation TypeMulti-year Fund
Section一般
Review Section Basic Section 41030:Rural environmental engineering and planning-related
Research InstitutionSaga University

Principal Investigator

近藤 文義  佐賀大学, 農学部, 教授 (60253811)

Project Period (FY) 2022-04-01 – 2025-03-31
Project Status Granted (Fiscal Year 2023)
Budget Amount *help
¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2022: ¥2,210,000 (Direct Cost: ¥1,700,000、Indirect Cost: ¥510,000)
Keywords地盤改良 / クリーク底泥 / 一軸圧縮強さ / 変形係数 / 石灰 / セメント / 養生条件 / 配合条件 / 土水路斜面 / 土質改良 / スレーキング
Outline of Research at the Start

筑後川下流域に広がる水田農業地帯において、クリークと呼ばれる農業用の水路は貯水機能や用排水兼用機能を有している。しかし、近年の局所的豪雨などの気象特性や当地区の軟弱な地盤特性が相まって、土水路部分では法面(斜面)の劣化が進行し、場所によっては陥没が生じているケースもある。本研究は、法面を構成するセメントまたは石灰改良土が乾湿繰り返し(スレーキング)履歴を受けた場合の強度特性について明らかにするものである。次に、原地盤の物理・化学的性質に基づき、スレーキング防止のための土質改良材の適正な配合量、ならびに環境保全型コンクリートであるジオポリマーを用いた新たな土質改良法を提案するものである。

Outline of Annual Research Achievements

北部九州の筑後川下流地域でのクリーク改修工事の際、原地盤での改良材の最適配合量はセメント系改良材50kg/m3が基本とされている。しかし、適正な配合量や複数の改良材を併用する改良方法、さらに養生条件の違いによる地盤の改良効果についてはほとんど検討されていない状況にある。当該年度においては、地盤改良材の最適配合量を検討するための室内実験における供試体の適した養生条件に関して実験的に検討を行った。
本実験では、先ず改良土の一軸圧縮強さと含水比の変化について検討した。乾燥養生では改良材の種類に関わらず、材齢28日以降では第三種建設発生土基準または第四種同基準を満たすことが可能であったが、湿潤養生では、材齢56日を経過しても第四種建設発生土の基準を上回る結果は得られなかった。また、含水比については乾燥養生では材齢の経過と共に低下が続き、湿潤養生ではほとんど変化が見られなかった。次に、クリークの護岸工事に採用する鋼矢板の設計を行う際の重要な設計条件である変形係数について検討した。湿潤養生と乾燥養生とを比較すると、湿潤養生においては何れの実験条件においても材齢の経過と共に変形係数の増加は緩やかであった。これに対して、乾燥養生では何れの実験条件においても材齢の経過とともに、変形係数の顕著な増加が確認された。既報の変形係数の試験結果を参考にすると、一軸圧縮試験から求めた変形係数を用いて鋼矢板の設計を行う際に必要とされる変形係数は1000~2000kN/m2程度以上であり、本研究においては液性限界条件下での乾燥養生では材齢14日以降の改良土で1000kN/m2を超える値を示したのに対し、同条件の湿潤養生では材齢56日でのみ1000kN/m2を超える値を示した。湿潤養生と乾燥養生では乾燥養生の方が早い段階で高い数値を示しており、全体的に原位置での不撹乱堆積土の変形係数にも近い結果を示した。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

概要に記した通り、乾燥養生と湿潤養生では含水比低下の仕方の違いにより強度の発現に大きな差が見られることが分かった。一般に、クリーク改修工事における現場条件としては、工事は冬場の農閑期に行われることが多く、湿潤養生の状態にはなりにくい。これらのことや建設発生土基準の観点から、最適配合量を検討するための室内実験の養生は乾燥養生で行うのが良いと考えられる。次に、鋼矢板施工による法面護岸工事においては、変形係数の平均値では信憑性が低いことが考えられるため設計上危険であり、標準偏差を用いて算定した最小値を用いることが安全側であり、設計に使うべきであると考えられた。また、一軸圧縮試験結果を用いた鋼矢板施工目安の1000kN/m2を超える変形係数を得るために、工事の際には先ず改良材添加前の現地土の含水比を下げるべきであることを明らかにした。ここに記した研究成果については、令和5年度農業農村工学会九州沖縄支部大会にて2件のポスターセッションとして発表済みである。

Strategy for Future Research Activity

石灰またはセメント改良土により現地でのクリーク法面修復を行う場合、底泥の改良効果だけでなく改良土の粉砕(再撹乱)に伴う力学的性質を把握することも必要である。令和6年度は、これまでに行ってきた改良土の一軸圧縮試験に加えて、改良土の再撹乱に伴う一軸圧縮試験を行う。撹乱土の一軸圧縮強さは撹乱前に比べて約10分の1程度以下に低下することが予想されるため、一軸圧縮試験が不可能な場合にはベーンせん断試験によって代用する。なお、法面修復を行う際、鋼矢板を使用した工法も最近多用されるようになっているため、これに対処すべく改良土再撹乱土の変形係数についても検討を行う。また、従来から申請者らが開発してきた環境保全型コンクリートであるシオポリマーを使用した配合試験を同様に行い、セメントや石灰を使用した場合の改良結果との比較検討も行う予定である。この実験では、強度の面だけでなく流動性についても検討を行い、最適配合量を決定する。特に、フライアッシュ(微細石炭灰)のみをフィラー材料としたジオポリマーを地盤改良材として用いる場合、一定の強度を得るための添加量はセメントと比較して多くなる可能性があるため、最適配合量の決定に際してはこの点を重要視する。研究成果については、農業農村工学会など関連の学会にて発表した上で、学術雑誌に論文として投稿する予定である。

Report

(2 results)
  • 2023 Research-status Report
  • 2022 Research-status Report
  • Research Products

    (3 results)

All 2023 2022

All Presentation (3 results)

  • [Presentation] 高含水比クリーク底泥改良土の養生条件の違いが一軸圧縮強さに及ぼす影響2023

    • Author(s)
      石崎美里、井田菜々香、渕野龍太、平井 誠、近藤文義
    • Organizer
      令和5年度農業農村工学会九州沖縄支部大会講演要旨集
    • Related Report
      2023 Research-status Report
  • [Presentation] 高含水比クリーク底泥改良土の養生条件の違いが変形係数に及ぼす影響2023

    • Author(s)
      井田菜々香、石崎美里、渕野龍太、平井 誠、近藤文義
    • Organizer
      令和5年度農業農村工学会九州沖縄支部大会講演要旨集
    • Related Report
      2023 Research-status Report
  • [Presentation] 石灰とセメントを併用した高含水比クリーク底泥の段階的な地盤改良法について2022

    • Author(s)
      近藤文義、八尋理子、高木雄史
    • Organizer
      2022年度農業農村工学会大会講演会講演要旨集
    • Related Report
      2022 Research-status Report

URL: 

Published: 2022-04-19   Modified: 2024-12-25  

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