宇宙農業を目指した基礎的研究:重力に応答した植物の姿勢制御機構の解明
Project/Area Number |
22K05933
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 41050:Environmental agriculture-related
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
岡 真理子 鳥取大学, 農学部, 准教授 (20324999)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮本 健助 大阪公立大学, 国際基幹教育機構, 教授 (10209942)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
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Keywords | オーキシン / カルシウム / 黄化エンドウ芽生え / 重力 |
Outline of Research at the Start |
宇宙で植物を栽培するための基礎的知見を得るために、植物が重力に応答して成長する仕組み、特に植物の成長方向を規定するオーキシン極性移動調節機構の解明を目指す。本研究課題では、エンドウ芽生えを材料として、(1)重力刺激後に増加することが報告されているCa2+とオーキシン動態の関係を解明し、(2)PsPIN1に蛍光タンパク質を接続した組換えエンドウを作出して、異なる重力環境下で生育させ、重力を感知した後のCa2+などの物質によるPsPIN1の局在の調節機構を明らかにし、植物が重力を感知した後のオーキシン極性移動の調節を介した植物の姿勢形成の仕組みの解明を目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
擬似微小重力環境下で発芽、生育させた黄化エンドウ芽生えはオーキシンの極性移動の低下により傾斜成長する。オーキシンの蓄積部位を調べるために、オーキシン誘導性遺伝子であるDR5のプロモーターにレポーター遺伝子であるGUS遺伝子を接続した組換えエンドウを3-D クリノスタットを用いた擬似微小重力環境下において暗所で発芽、生育させたところ、1 G重力環境下と同様にオーキシン極性移動が行われているとされている導管周辺や表皮で GUS活性が認められたが、1 G重力環境下のものと比較して、GUS活性が低く、微小重力環境下では、オーキシン極性移動の低下のみならず、蓄積量も低下していることが示された。 また、Ca2+チャネル阻害剤やCa2+キレート剤存在下で発芽、生育させた黄化エンドウ芽生えもオーキシン極性移動能が低下し、傾斜成長するため、Ca2+の動態とオーキシン極性移動やオーキシンの蓄積の関連について明らかにすることとした。Ca2+チャネル阻害剤GdCl3、Ca2+キレート剤EGTA存在下において、DR5-GUS組換えエンドウを暗所で発芽、生育させたところ、無処理区と同様に導管周辺や表皮で高いGUS活性が認められたが、オーキシン極性移動が低下した GdCl3、EGTA存在下では、芽生えの頂端部では高い GUS活性を示したものの、基部でのGUS活性は低かった。一方、Ca2+局在をCa2+インジケーターであるFluo-8 AMを用いて調べたところ、GdCl3、EGTA処理区では、GUS活性と同様に頂端部では導管およびその周辺で Ca2+の蓄積が認められたが、基部ではわずかな蓄積のみが認められた。 これらの結果から、オーキシンと Ca2+の局在は一致していることが明らかとなり、Ca2+がオーキシンの極性移動や蓄積に関与している可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
PsPINの局在の経時変化を調べるために、PsPINに蛍光タンパク質を接続させた形質転換エンドウを作出する予定であるが、形質転換植物の作成に手間取っている。
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Strategy for Future Research Activity |
PsPINに蛍光タンパク質を接続させた形質転換エンドウを作出は引き続き行う予定ではあるが、それと並行して、Ca2+チャネル阻害剤やCa2+キレート剤を処理したときのPsPINの局在を免疫染色でも観察する予定である。また、異なる重力環境下におけるCa2+の濃度や局在についても調べる予定である。さらに、異なる重力環境下で、細胞骨格であるアクチンや微小管を抗体を用いて検出し、重力による細胞骨格の変化を調べるとともに、アクチンや微小管の重合阻害剤を処理して生育させた黄化エンドウ芽生えにおけるCa2+動態やオーキシン極性移動を調べ、それらの関係性について解析する予定である。
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Report
(1 results)
Research Products
(1 results)
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[Journal Article] Comprehensive analyses of plant hormones in etiolated pea and maize seedlings grown under microgravity conditions in space: Relevance to the International Space Station experiment “Auxin Transport”2023
Author(s)
Chiaki Yamazaki, Tomokazu Yamazaki, Mikiko Kojima, Yumiko Takebayashi, Hitoshi Sakakibara, Eiji Uheda, Mariko Oka, Motoshi Kamada, Toru Shimazu, Haruo Kasahara, Hiromi Sano, Tomomi Suzuki, Akira Higashibata, Kensuke Miyamoto, Junichi Ueda
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Journal Title
Life Sciences in Space Research
Volume: 36
Pages: 138-146
DOI
Related Report
Peer Reviewed / Open Access