Project/Area Number |
22K05950
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 42010:Animal production science-related
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
山崎 安子 京都大学, 東南アジア地域研究研究所, 研究員 (70867077)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山崎 渉 京都大学, 東南アジア地域研究研究所, 教授 (70393262)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
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Keywords | アフリカ豚熱 / オンサイト診断 / ASF / POCT |
Outline of Research at the Start |
アフリカ豚熱(ASF)は世界中で感染拡大しており、被害拡大を防ぐためには、初期感染豚やキャリア(無症状のウイルス感染個体)を発生現場の農場や検疫所で迅速・確実に摘発・淘汰する必要がある。しかし設備や予算等の制約から、多くの発生国では十分な診断・摘発体制が構築できていない。そこで本研究では、研究代表者らが独自に開発してきた家畜伝染病のオンサイト診断システムの応用により、現場で実施できる簡易・安価・高感度なASFオンサイト診断システムを開発する。ASFの流行国であるベトナムと、常在国であるタンザニアで実証実験を行い、ASF制御システムの地域社会への普及、清浄国における水際防疫の強化をめざす。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、研究代表者らが独自に開発した牛伝染性リンパ腫ウイルス(BLV)診断システムを初めてアフリカ豚熱ウイルス(ASFV)に応用し、感染個体のオンサイト診断や野生イボイノシシ・水を含む環境サンプル中からの高感度・迅速ウイルス検出を実現することにより、ASF発生国での早期封じ込めを可能とし、世界の食肉の安定供給へ貢献することを目的としている。 2022年度はベトナムにおいて、ベトナム国立農業大学の協力のもと、ASFの迅速かつ高感度なポイントオブケア検査(POCT)を開発し、性能評価を実施した。このPOCTは、豚の全血を用いて、DNA抽出開始から最終判定まで最大50分で完了する。高価な設備や機器は不要であり、電池式の卓上遠心機およびヒートブロックを使用するため極めて低コストで実施できる。豚全血89検体について、評価した結果、従来のリアルタイムPCR法と比較して、検出感度は10倍低下したものの、診断的感度は100%(56/56)、診断的特異度も100%(33/33)と同等であった。 2023年度は、開発したPOCTをさらに応用し、ウイルス濃縮という観点を加え、より検出感度を高めた診断法の開発を試みた。ベトナムおよび日本の飼養豚のサンプルを採取し、その性能を評価したところ、ASFに自然感染した豚からASFVを従来のDNA抽出キットを使用した方法と比較して、リアルタイムPCR法およびLAMP法でより高感度に検出することが可能であった。 2024年度については、引き続きベトナムにおいて高感度なASFV検出法を環境サンプルについても検証するとともに、アジアで流行しているASFだけでなくASF常在国であるアフリカのタンザニアのASFについても、同様に開発したPOCTを活用できるかの実証実験を行う計画である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ベトナムでのフィールド調査において、臨床サンプルからASFVを高感度に検出できる方法の開発を試み、良好な結果を得ることができた。環境サンプルの調査については2024年度も継続予定である。タンザニアでのフィールド調査についても、ベトナムでの評価が終了次第、実施する。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、アジアで流行中のASFVだけでなく、ASF常在国であるアフリカのタンザニアの臨床サンプルや環境サンプルからもASFVが検出できるか開発した診断法の評価を行う。
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