Involvement of feeding factors in developing hypothalamus-pituitary system.
Project/Area Number |
22K05967
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 42010:Animal production science-related
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
大久保 武 茨城大学, 農学部, 教授 (70233070)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,030,000 (Direct Cost: ¥3,100,000、Indirect Cost: ¥930,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
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Keywords | 摂食 / 視床下部 / レプチン / NPW / ニワトリ / 下垂体 |
Outline of Research at the Start |
ニワトリでは系統によって摂食特性が異なっているが、その制御機構は不明な点が多い。また哺乳類では母親の栄養状況や摂食制御因子が摂食回路形成に影響するが、卵生のニワトリの摂食回路の形成と卵内栄養素や摂食因子との関連は明らかではない。本研究では、ニワトリの摂食制御を支配する視床下部‐下垂体系の発達と摂食因子・系統の関係、及び卵内栄養素等の改変が孵化後のニワトリの生育・生殖に与える影響を明らかにする。これにより商用鶏の摂食・成長・生殖の中枢制御に係る遺伝特性を解明して家禽生産への応用の可能性を探る。
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Outline of Annual Research Achievements |
肉用鶏と卵用鶏では異なる摂食・エネルギー特性を持ち、摂食関連因子の脳内発現には差が認められる。そこで本年度は、発生後期の視床下部におけるレプチン、ニューロペプチドW(NPW)を始めとする摂食制御因子の発現の推移と系統間差異について検討した。 発生後期の視床下部では孵卵15日から孵化にかけて、レプチン、NPW及びその受容体のmRNA発現は経時的に増加することを見出した。またメラノコルチン系の摂食制御遺伝子について、メラノコルチン4型受容体(MC4R)mRNA発現はレプチンやNPWと同様に発生後期から孵化にかけて経時的に増加した。一方、アグーチ関連ペプチド(AgRP)のmRNA発現は孵卵15日ではその発現量は極めて低く、孵化直前に急激に増加した。また、α-メラノサイト刺激ホルモン(α-MSH)のmRNA発現は発生後期から孵化までの期間に有意な変動は示さなかった。 またこれらの遺伝子の一部では、mRNA発現に系統差が認められた。NPW mRNAの発現は一貫して卵用鶏で高く、NPW受容体は3日齢を除いて、肉用鶏で発現量が高かった。またレプチンmRNA発現は孵卵15日では肉用鶏の方が卵用鶏に比べ優位に高く、レプチン受容体mRNA発現は期間を通じて肉用鶏で有意に高いことが明らかとなった。 さらに、卵内へのレプチン投与が発生後期の視床下部における摂食関連因子発現に及ぼす影響について解析した。その結果、レプチン投与は肉用鶏の視床下部におけるレプチン受容体発現を増加させたが、卵用鶏ではレプチン投与の影響は認められなかった。また卵用鶏では、レプチン投与によりNPW発現が減少することが示された。一方、メラノコルチン系の摂食制御因子のmRNA発現については系統間で差は認められなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
神経回路の発達が生じるとされる孵卵14日目以降のニワトリ視床下部において、摂食制御に係る種々の因子のmRNA発現の推移及び系統差について明らかした。特に家禽を含む鳥類では、レプチン及びNPWの中枢における役割については不明な点が多いが、今回これらの因子のmRNA発現に系統差が認められたことは、ニワトリ系統間での摂食・エネルギー代謝制御の機構を明らかにするうえで有益である。また当初計画では、卵白除去が発生及び視床下部の摂食関連因子の遺伝子発現に及ぼす影響について検討する予定であった。しかし、発生率が著しく低かったため、発生後期のニワトリ視床下部における摂食関連因子発現に対する卵内レプチン投与の影響を先行して解析し、レプチン受容体及びNPWのmRNA発現動態がレプチン投与によって系統間で異なることを見出した。哺乳類ではレプチンとNPWの作用が拮抗すると示唆されており、今回得られた結果は、肉用鶏と卵用鶏の摂食・代謝特性を理解する上で重要であると判断される。
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Strategy for Future Research Activity |
当初予定であった発生後期のニワトリ視床下部の摂食制御因子の発現に対する卵白除去の効果については、卵白除去後の発生率が改善できたため、当初の計画に沿って実施する。また初年度の研究により得られた、摂食制御因子の発現の推移及び系統間差異、卵内レプチン投与に応答する因子の情報に基づき、発生後期胚から脳を採材し、in situハイブリダイゼーション及び免疫染色により、各摂食制御因子の視床下部における局在について明らかにする。 さらに、卵内レプチン投与がNPW発現を変化させたことから、レプチンとNPWの相互作用について詳細に解析するために卵内NPW投与を実施し、レプチンを始めとする摂食制御因子のmRNA発現に及ぼす影響について検討する。
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Report
(1 results)
Research Products
(1 results)