Project/Area Number |
22K05976
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 42010:Animal production science-related
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Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
坂井 勇介 久留米大学, 医学部, 助教 (70711266)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
塩澤 誠司 久留米大学, 医学部, 准教授 (10447039)
佐藤 貴弘 久留米大学, 付置研究所, 准教授 (50368883)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
Fiscal Year 2022: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
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Keywords | 体サイズ / 成長因子 / 成長 |
Outline of Research at the Start |
哺乳類の出生後の成長要因については、栄養・運動・成長ホルモンなどが挙げられる。しかし出生前については、成長ホルモンが胎生後期から産生されることがわかっているのみで、胎生前期から中期の成長機構は不明である。私たちは、成長ホルモンが産生される以前に体サイズが矮小形質を示す自然発生矮小マウスを発見し、系統として樹立した。本研究では、この矮小マウスに着目し、胎生期における新規体サイズ成長機構を明らかにする。胎生期の発育は生後の成長と相関するため、胎生期の体サイズ成長機構を明らかにすることは、畜産動物の効率的な増産技術の開発や、原因不明な低成長の解明への応用など、幅広い領域の研究の発展に繋がるだろう。
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Outline of Annual Research Achievements |
1.胎児におけるCrebbpの発現部位および胎齢を明らかにする まず、E13.5から生後2日までのCrebbp mRNA発現量を調べた。その結果、E13.5~15.5までは高値を示したが、その後は徐々に低下し生後2日ではほとんど認められなかった。Crebbpは胎生前期で大きな役割を担う事が示唆された。次に、胎児での具体的な発現部位の解明のため、Crebbp抗体を用いた免疫染色を実施した。Crebbpは形態形成や神経領域に関与することが知られているため、骨と脳に着目した。結果、E15.5では肋骨、指骨、橈尺骨等の軟骨内骨化部位と思われる部位で染色された。E18.5でも同様の傾向が見られたが、染色された範囲は狭く染色も弱かった。E18.5では軟骨内骨化部位が減少しているためである可能性が考えられ、Crebbpは胎生期の軟骨において機能する可能性が示唆された。脳や神経領域では染色されなかった。次に、脳および頭蓋骨におけるCrebbpのmRNA量をE15.5と18.5で比較した。その結果、脳では両者同レベルに高発現を示し、免疫染色の結果と一致しなかった。一方、頭蓋骨においてはE18.5で有意に低下した。同サンプルでGHのmRNA量を調べたところ、E15.5では発現がない一方、E18.5では高値を示した。このことから体サイズ成長の役割がE15.5を境にCrebbp系からGH系に変化している事が予想された。
2.Crebbpの下流で働く分子を同定する WTとDwマウス(生後)の頭頂骨について骨成長関連パネルのマイクロアレイ解析を行ったが、全ての項目で差がなかった。これは、Dwの生後の成長曲線は正常であることと一貫性がある。次に、同腹のWTと Dwにおける成長因子のmRNA発現量を比較した。E15.5の頭蓋骨と四肢を解析したところ、BMP7およびIGFBP2がDwで有意に低下していた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
シーケンスによる胎児のジェノタイピング方法の確立に時間を要した。そのため、昨年度実施予定のμCTを用いた矮小マウスの矮小形質発現時期の検討については未実施である。一方、胎児においてCrebbpは胎生前期に多く発現し、E15.5以降は徐々に低下することをRT-PCRによって明らかにした。今後、μCTを用いて矮小形質発現時期を明らかにし、Crebbpの発現時期と比較する。 また当初の計画通り、Crebbpの詳細な発現部位や胎齢を明らかにするためにゲノム編集によるCREBBP-P2A-EGFPマウスの作成を進めている。移植マウスが妊娠しない、出産しても食殺するなどの問題はあったが改善しているところである。また、ゲノム編集マウスの作成と同時並行で、Crebbp抗体を用いた免疫染色をE15.5とE18.5のWTマウスに対して行った。その結果、E15.5の軟骨内骨化部位での発現が観察されたが、より明瞭な結果を得るため、引き続きCREBBP-P2A-EGFPマウスの作成を進めている。 続いて、Crebbpの下流で働く細胞内分子の同定を行った。まず、胎児期の骨の成長に関与する複数の分子についてRT-PCRを実施した。具体的には、IGF1, IGF2, IGFR1, IGFBP2, NFATc1, FOXO1, Runx2, Bmp7の8種類である。その結果、IGFBP2およびBMP7においてDwでのmRNAの発現量が有意に低かった。IGFBP2およびBMP7をCrebbpの下流で働く因子として位置付け、より詳細なシグナル伝達機構を明らかにしたい。同腹の胎児のジェノタイピングは胎児の尾からDNA抽出を行い、シーケンスにより明らかにした。すべての実験は同腹の胎児WTおよびDwを比較した。3腹分実施し、それぞれWTおよびDwが4匹と5匹、4匹と6匹、3匹と4匹であった。
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Strategy for Future Research Activity |
・μCTを用いてDwマウスの矮小形質発現時期を明らかにする。E13.5から出産まで毎日μCTを用いて3Dレントゲン画像を取得し、骨の長さを測定する。E18.5に子宮ごと胎児を取り出し、各胎児の尾を採取する。DNAを抽出しシーケンスを行い、WTとDwマウスを区別する。 ・昨年度実施したCrebbp抗体を用いた免疫染色法では染色がやや弱いと感じられたため、CREBBP-P2A-EGFPマウスをゲノム編集によって作成し、EGFPの発現様式を観察することでより正確なCrebbpの発現部位を明らかにしたい。現在、CREBBP-P2A-EGFPマウスの作成を進めている。 ・昨年度、E15.5の頭蓋骨や四肢では、IGFBP2およびBMP-7がCrebbpの下流で機能していることが示唆された。今年度は、それらの分子に関連した遺伝子パネルや骨成長関連パネルについて、マイクロアレイ法を用いて解析する。その結果をもとにパスウェイ解析を行い、Crebbpの下流の詳細なシグナル伝達機構を明らかにする。
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