Project/Area Number |
22K05978
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 42010:Animal production science-related
|
Research Institution | Institute of Physical and Chemical Research (2023) National Institute of Health Sciences (2022) |
Principal Investigator |
福永 航也 国立研究開発法人理化学研究所, 生命医科学研究センター, 研究員 (50506722)
|
Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
|
Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2024: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2022: ¥2,210,000 (Direct Cost: ¥1,700,000、Indirect Cost: ¥510,000)
|
Keywords | ウシ / 乳房炎 / ゲノム / MHC / 遺伝的多様性 / WGS / CNV / ロングリードシークエンシング |
Outline of Research at the Start |
牛の乳房炎は、防除する方法や根治させる治療薬は現在までに存在しない克服が急務の疾患である。乳房炎原因菌に感染抵抗性牛と感受性牛の遺伝的背景の違いを調べるために全ゲノム関連解析(GWAS)や主要組織適合遺伝子複合体(MHC)領域の次世代シークエンシングを行い、牛白血球抗原(BOLA)-DRB3*11:01アリルの関連の可能性を明らかにした。しかしながら、黄色ブドウ球菌以外の乳房炎原因菌の感染抵抗性牛の遺伝的背景は明らかではない。本研究では乳房炎原因菌に感染抵抗性である牛の遺伝的背景をMHC領域のシークエンシングを用いて明らかにし、感染のメカニズムを明らかにする。
|
Outline of Annual Research Achievements |
ウシのmajor histocompatibility complex(MHC)クラスⅡ遺伝子のBoLA-DRB3は牛白血病や乳房炎などと関連があることが報告されているが、その他のBoLAクラスII遺伝子では遺伝子間の相同性が極めて高度であるなどの問題から詳細なアリル情報が不足しており正確な関連を精査することができていなかった。そこで2022年度において127頭のホルスタインのゲノムDNAを用いてBoLA-DQA2 (DQA2)、BoLA-DQB (DQB2)、BoLA-DQA5 (DQA5)、BLA-DQB (DQB1)、LOC100848815 (DQA1)および BoLA-DRB3 (DRB3)におけるコピー数、アリル同定、さらに公的データベースに登録されている全ゲノムシークエンシング(WGS)データを参照ライブラリーとしたSNPアレイからのアリルインピュテーション法を確立した。2023年度において、このインピュテーション法の精度を検証したところ99.8%の一致率を示した。不一致検体を詳細に調べたところインピュテーション法のアリルが正解であった。そのため完全な参照ライブラリーを作成するために本研究で採取されたゲノムのロングリードシークエンシングを実施し、完全なバリアントデータベースの作成を目指した。またBoLA遺伝子の抗原提示部位に結合する乳房炎原因細菌である黄色ブドウ球菌のペプチドを同定するためドッキングシュミレーションによって行った。黄色ブドウ球菌のアミノ酸をそれぞれ9残基にランダムに切断しBoLAの6遺伝子との相互作用を解析した。その結果、BoLA-DRB3の抗原提示部位に結合する自由エネルギーが最も小さい9残基のアミノ酸が同定された。今後これらの手法ならびに参照ライブラリーを用いて、効率的に乳房炎抵抗性遺伝子の探索を行い新規防除法の開発を進めていく。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ロングレンジPCRを用いたロングリードシークエンシングを実装することができたため。
|
Strategy for Future Research Activity |
MHC領域のシークエンシングの困難性のため研究領域として進捗が非常に遅い。申請者はヒトのMHC領域で主に用いられ革新的な結果をもたらしたシークエンシング手法とインピュテーション法をウシのゲノムのジェノタイピングに移植することで本課題だけでなく、ウシのMHC領域を研究しているすべての研究者に汎用性の高い手法を提供することを前年度から引き続き本研究の目的の1つとしている。結果としてNGSシークエンシング法、リアルタイムPCR法を用いたコピー数多型測定法、SNPアレイデータを用いたBoLAアリルのインピュテーション法、さらに本年度にはロングリードシークエンシング法も開発した。MHCのクラス1領域のシークエンシングを実施したがその正確性の検証が終わっていない。最終年度はこれらの正確性を検証し、IPD-MHCデータベースへ登録し、世界中の研究者にこれらのデータを使用可能にする。引き続き、ホルスタイン種だけでなくウシのすべての種のMHCゲノム構造を明らかにすることでウシのすべてのMHC領域を明らかにする。
|