Project/Area Number |
22K06060
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 42040:Laboratory animal science-related
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Research Institution | Central Institute for Experimental Animals |
Principal Investigator |
大野 裕介 公益財団法人実験動物中央研究所, 実験動物応用研究部, 研究員 (90868861)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
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Keywords | Th2細胞 / ヒト化マウス / 接触性皮膚炎 / IL-4 / アレルギー |
Outline of Research at the Start |
本研究ではヒトPBMC移植NOG-hIL-4 Tgマウスを用いて、ヒトTh2細胞を介した接触性皮膚炎モデルの開発を行う。 NOG-hIL-4 Tgマウスはアレルギー反応に関与するヒトTh2細胞をin vivoで誘導できるマウスであり、ハプテンの皮下塗布によって、Th2細胞の浸潤に伴う皮膚炎症の惹起が期待できる。 本研究により高精度な前臨床評価モデル動物が実現されれば、発症メカニズムの解明や、根治療法の開発において極めて重要なツールとなる。さらに抗IL-4Rα抗体、抗IL-17A抗体といった皮膚炎治療に用いられている薬剤の薬効を評価し、創薬研究に応用可能なモデル動物の確立を目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
NOG-CAG-hIL-4 Tgマウスは、移植したヒトPBMC由来のCD4+ T細胞が高効率にTh2細胞へと分化し、Th2細胞免疫動態が長期で観察可能なマウス系統である。我々はTh2細胞に起因する疾患としてアレルギー性接触性皮膚炎に着目し、このマウスを用いて皮膚炎病態を再現した新規ヒト化マウスモデルの開発を試みている。昨年度はオキサゾロン塗布による皮膚へのT細胞集積像が観察され、抗IL-4Ra抗体(デュピルマブ)投与によるT細胞集積の抑制が観察されたため、本実験系においてTh2細胞依存的な病態が再現された事を示した。令和5年度はNOG-CAG-hIL-4 Tgマウスのリンパ組織や皮膚に局在するT細胞の性状解析に注力し、病態に寄与するT細胞の同定を試みた。 脾臓または皮膚よりRNA抽出を行い、T細胞受容体(TCR)レパートリー解析を行ないT細胞クローンの追跡を行なった。脾臓細胞のヒトT細胞を解析したところ、移植前PBMCよりもTCRレパートリーが減少していたものの、多様性は一定数保たれていることが確認された。また、皮膚T細胞のTCRレパートリーは脾臓よりも少なく、皮膚炎症特異的な特定のT細胞クローンが皮膚に集積し病態に寄与している可能性が示唆された。また、NOG-CAG-hIL-4 TgのMHC分子をノックアウトしたマウスを作製し、同様に皮膚炎を誘導したところ、皮膚へのT細胞集積が観察なかった。すなわち、NOG-CAG-hIL-4 Tgで観察された皮膚炎症が抗原特異的な反応である可能性が示唆され、ヒトT細胞への抗原提示がマウス内で行われていた可能性が浮上した
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度は、T細胞受容体(TCR)レパートリー解析を行ない、リンパ組織及び病変局所においてどの様なT細胞サブセットが局在しているかを明らかにした。すると皮膚局所では病態に寄与する単一なT細胞クローンが増加し、集積している事が示唆された。また、MHC分子をノックアウトしたマウスでは、皮膚炎症に伴うT細胞集積が観察されず、ヒトT細胞がマウス内で抗原提示を受け、抗原特異性を獲得し病態に寄与している可能性が示唆された。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度はヒトT細胞に抗原提示を行なっている細胞種の特定を行う。マウス内で検出されるヒト細胞の大多数はT細胞であるため、マウス抗原提示細胞がヒトT細胞に抗原提示している可能性が高い。そこで、蛍光ハプテンを投与し、抗原提示細胞として機能し得るマウスMHC陽性細胞(樹状細胞、マクロファージ)にをフローサイトメトリーで検出する事を目指す。
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