Project/Area Number |
22K06068
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 42040:Laboratory animal science-related
|
Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
濱道 修生 鳥取大学, 染色体工学研究センター, 特命助教 (60721686)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
香月 康宏 鳥取大学, 医学部, 教授 (90403401)
|
Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
|
Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
|
Keywords | Fcガンマ受容体 / 抗体 / 薬物動態 / 薬効予測 / 安全性予測 / 人工染色体ベクター / 免疫不全 / がん研究 |
Outline of Research at the Start |
がん細胞を標的としたヒトIgG抗体薬の薬効評価には免疫不全マウスを用いた異種移植モデルが利用されるが、ヒトにおける抗体の薬物動態は加味されてない。本研究の最終目的は、がん細胞を標的としたヒトIgG抗体薬の薬効予測を向上する「免疫不全/ヒトFcガンマ受容体(FcgR)マウス」の開発である。この目的を達成するため、マウスT細胞数の低減を含む免疫不全化とFcgRのヒトと同様な組織特異的発現が極めて重要であり、「ヒトIgG抗体薬の薬物動態をヒト化」することで、薬効をより正確に評価できると考えた。この研究成果から、ヒトIgG抗体創薬のスピードアップとヒトへの外挿性の成功確率の向上が期待される。
|
Outline of Annual Research Achievements |
本申請課題の最終目的は「免疫不全[Foxn1 knock-out (KO)]/ヒトFcガンマ受容体(FCGR)マウス」の作製であり、「ヒトIgG抗体医薬品の薬物動態をヒト化」することである。この目的を達成するため、我々は免疫不全の表現型や性質の解析を進め、既に系統化された複数のFoxn1 KOマウス(+内在抗体遺伝子破壊系統)の免疫学的解析とヒト固形がん形成を検討した。まず系統化された複数のFoxn1 KOマウス(+内在抗体遺伝子破壊系統)から胸腺と脾臓を摘出し、重量や細胞数の減少を確認した。免疫細胞をフローサイトメトリー(FCM)により解析した結果、胸腺、脾臓並びに末梢血のCD3+ T細胞、CD3+ CD4+ ヘルパーT細胞、CD3+ CD8+ キラーT細胞の低減が認められた。本研究課題の目的の一つであるヒト固形がん形成のためには、T細胞の減少が極めて重要と考え、異なる系統による差異が確認されたものの、明瞭なT細胞減少を示した系統を選択した。次にヒト固形がん形成の検討として、複数のヒトがん細胞株をFoxn1 KOマウスに皮下移植した結果、移植から2-3週間後においてヒト固形がんの形成が確認された。上記の実験結果は既存のヌードマウスと同様の結果と考える。そこで、この系統の更なる免疫学的解析を進め、胸腺細胞、脾臓細胞並びに血液細胞のFCMを実施し、T細胞以外のミエロイド系やリンフォイド系免疫細胞の陽性率を確認した。さらにゲノム編集技術を用いたマウスFcgR遺伝子欠損や申請者の所属研究室が独自に開発を進めたマウス人工染色体ベクター(MAC)に搭載するヒトFCGR遺伝子群の設計を進めた。迅速に構築できるようPCR等を用いて検討を進めている。本研究課題は、更なる開発が進むヒトIgG抗体医薬品の薬物動態に着目し、薬効予測や安全性予測の外挿性の向上を目指した挑戦的な試みである。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
令和5年度の研究計画課題は①ヒトFCGR遺伝子を導入したマウス人工染色体ベクターの構築と②Foxn1 + マウスFcgR double KO (dKO) バックグランドにおける「免疫不全/ヒトFCGRマウス」の作製である。その目標を達成するため、ゲノム編集技術を用いたマウスFcgRの遺伝子欠損やヒトFCGR遺伝子群が導入されたMAC(MAC-hFCGR)の構築を進め、PCR等を用いて検討している。上記計画にもとづき、ヒトFCGR遺伝子群とその制御領域をMACに搭載し、MAC-hFCGRを作製する。次にMAC-hFCGRをFoxn1 + マウスFcgR dKO マウスのES細胞に導入し、「免疫不全/ヒトFCGRマウス」を作製する予定である。
|
Strategy for Future Research Activity |
令和6年度の研究計画課題は①ヒトFCGR発現動態と腫瘍形成の確認と②「免疫不全/ヒトFCGRマウス」を用いた抗体治療予測の評価である。本研究課題の最終目的である「ヒトIgG抗体医薬品の薬物動態をヒト化」した「免疫不全/ヒトFCGRマウス」の開発を進めつつ、迅速なモデルマウスの評価が求められる。課題①では、昨年度確立したFCMやヒト固形がん形成の条件を参考に実行する。さらに課題②においては、イブリツモマブだけでなく、その他のヒトIgG抗体等の準備を進める。
|