アデノウイルスタンパク質による選択的オートファジーの抑制機構の解明
Project/Area Number |
22K06082
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 43010:Molecular biology-related
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Research Institution | Osaka Metropolitan University |
Principal Investigator |
土屋 惠 大阪公立大学, 大学院工学研究科, 客員准教授 (00390691)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
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Keywords | 選択的オートファジー / アデノウイルスタンパク / 選択的オートファジーレセプター |
Outline of Research at the Start |
個々の細胞は外来の異物に対し、選択的オートファジーを利用した異物排除機構を備えており、この制御こそが免疫に頼らない新たな感染症対策になると期待される。申請者は異物排除において重要な役割を持つ選択的オートファジーレセプターp62が、アデノウイルスタンパクE1B-55Kによって機能が阻害されていることに着目し、ウイルス感染時に機能すべき選択的オートファジーの阻害機構を解明する。
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Outline of Annual Research Achievements |
我々は非常に遺伝子導入効率が高いHEK293細胞において、内在に発現しているアデノウイルス因子E1Bによりp62が機能阻害を受け、その結果としてオートファジーが阻害され遺伝子導入効率が促進されていることを見つけた。これらの検証としてMEF細胞にE1Bを過剰発現させ遺伝子導入効率を検討したところ、p62依存的にE1Bは遺伝子導入効率を促進した。さらに、アデノウイルス感染細胞ではE1BとE4領域のタンパク質が相互作用しアポトーシスやアデノウイルスmRNAの輸送を制御していることから、p62がE1Bだけでなく他のアデノウイルスタンパクや宿主タンパク質と複合体を形成し、協調的な制御を行なっているのではないかと考えた。これらを確認するため、まずE1Bとp62の結合について、双方の結合ドメインを生化学的手法にて同定した。このp62のドメインを用い、MEF細胞、HeLa細胞などの細胞抽出液にて免疫沈降を行い、これまでに得られているHEK293細胞におけるp62結合タンパク群との比較をおこなった。E1BのみならずE4タンパク質の過剰発現では相乗的に遺伝子導入効率を促進すること、一方でp62のドメインに結合するペプチドを添加すると、HEK293細胞での遺伝子導入効率が大きく抑制されることから、p62とE1Bとの結合が主たる機能制御領域であると考えられた。すなわちこの結合を阻害することにより、p62によるウイルス感染抑制機能を制御できると予想される。上記の阻害ペプチドが二つのタンパク結合を阻害する指標になることから、p62-E1B間の相互作用を利用した、阻害程度を定量化する化合物スクリーニングシステムの開発を開始した。初年度として、それぞれのタンパクに大きさの異なるNano Luc断片を結合させたベクターの作製を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
年度の後半に研究費の移管手続きを行っており、研究環境の整備にやや時間を要したものの研究の進捗に大きな影響はなく進んでいると思われる。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度として、これまでに同定された、p62の結合ドメインに特異的に結合する因子の機能解析を行う。E1Bおよび前年度に同定された新たなp62結合因子について、p62の細胞内局在、リン酸化制御、ユビキチン結合領域の機能制御を指標に、p62結合ドメインを用い相互作用の生化学的解析と蛍光顕微鏡を用いた生細胞イメージング解析を行う。また前年度より引き続きスクリーニングに用いる細胞の樹立を行い、化合物ライブラリーを用いたハイスループットスクリーニングシステムを構築する。化合物による阻害程度の指標として、このシステムを用いてp62結合ペプチドによる蛋白間の結合阻害程度の定量化を行う。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)