人工染色体技術を活用した脆弱X症候群関連染色体脆弱部位の機能解析とモデル系の構築
Project/Area Number |
22K06085
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 43010:Molecular biology-related
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
中山 祐二 鳥取大学, 研究推進機構, 助教 (40432603)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,030,000 (Direct Cost: ¥3,100,000、Indirect Cost: ¥930,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
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Keywords | 脆弱X症候群 / 染色体工学 / トリプレットリピート病 / 人工染色体 |
Outline of Research at the Start |
トリプレットリピート病に分類される遺伝性知的障害である脆弱X症候群は、責任遺伝子FMR1の5’非翻訳領域に存在するCGGリピートが、ある長さを閾値に母性伝播時に一気に伸長する結果、FMR1プロモーターおよびCGGリピート周辺領域が高度メチル化されFMR1遺伝子の発現が抑制されることで発症する。本研究では染色体工学を活用して、この一連のクロマチン動態と病態を正確に再現できる新しい病態モデルマウスを作製する。
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Outline of Annual Research Achievements |
脆弱X症候群(FXS: Fragile X syndrome)は最も頻度の高い家族性のX連鎖性知的障害であり、自閉症スペクトラム症の遺伝的モデルとしても注目されているトリプレットリピート病である。脆弱X症候群では、責任遺伝子FMR1の5’非翻訳領域に存在するCGGリピートが、ある長さを閾値に母性伝播時に一気に伸長する結果、FMR1遺伝子の発現が抑制されることで発症する。この一連のクロマチン動態がFXSの発症の根本的病因(CGGリピート動態と呼ぶ)である。しかし、CGGリピート動態を正確に再現できる解析系が現存しないため、CGGリピート動態のメカニズムや関わる分子などには不明な点が多い。CGGリピート動態の再現系構築のためには、染色体脆弱部位と呼ばれる、CGGリピートのような単純リピート配列をコアとして含み、実際にトリプレットリピート病の発症に関わる領域をそのまま実験室レベルで扱えるようにする必要がある。そして、もともと不安定な要素を持つ染色体脆弱部位を安定に取り扱える資材として整備し、かつトリプレットリピート病のような世代間解析を実現するためには、染色体導入動物作製までも可能である染色体医工学技術が最適であると考えた。そこで本研究では染色体工学を活用して、CGGリピートをコアとするFXSに関わる染色体脆弱部位を機能的ヒト染色体領域としてマウス人工染色体に搭載し(Fra-MACの構築)、Fra-MACをin vitroおよびin vivoの系に導入することでCGGリピート動態のメカニズムを包括的に明らかにするためのモデル系の作製を目指している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
現在、脆弱X症候群の保因者由来のX染色体から、CGGリピート領域ならびにFMR1遺伝子座を包括する領域を本疾患に関わる「FXS脆弱部位」と定義し、この領域をマウス人工染色体に搭載する工程を進めている。マウス人工染色体へのFXS脆弱部位の搭載には、もともとの保因者由来のX染色体の改変とCre/loxP部位特異的組換えを利用する。染色体改変はCre/loxP部位特異的組換えのための事前準備を指し、loxP配列の挿入やFXS脆弱部位下流の不要な領域の削除など3工程がある。これらは全てCRISPR/Cas9系を用いて行っている。一連の作業はすべてチャイニーズハムスターの細胞(CHO)内で実施している。昨年度は保因者X染色体の改変を完了して、Cre/loxP部位特異的組換えによるFXS脆弱部位の搭載へと工程を進めたが、部位特異的組み換えが起きず目的のクローンを得ることができなかったた。そこで、由来の異なる保因者X染色体を新たにCHO細胞にクローニングし、染色体の改変を進めており、現在は本研究計画のロードマップ内では最終年度にかけて行う予定であった、より長い染色体領域の搭載(TAD包括Fra-MACの構築)も短い領域のものと並行して進めている。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は、改変に使用するX染色体の由来を変更して進めており、改変そのもののプロトコールやワークフローはほぼ確立され、ある程度の標準化は達成した。しかし、最後のCre/loxP組換えが進まない問題の解決策が必須である。現在までに多くの染色体領域についてモデル作製に貢献してきている染色体工学での常套手段がうまく適用できないという現状であり、CGGリピートという本来非常に不安定な領域を扱っているため、またCRISPRゲノム編集では染色体構造異常が起きるという報告も含めると、想定外イベントが起きている可能性が否めない。それを検証することは困難であるが、本研究は脆弱部位を搭載した人工染色体が構築されなければ研究計画を進めることが難しいため、可能な限りの改良を検討し、来年度もまずはFra-MACの構築に注力していく予定である。
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Report
(2 results)
Research Products
(12 results)
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[Journal Article] A transchromosomic rat model with human chromosome 21 shows robust Down syndrome features2022
Author(s)
Kazuki Y, Gao FJ, Yamakawa M, Hirabayashi M, Kazuki K, Kajitani N, Miyagawa-Tomita S, Abe S, Sanbo M, Hara H, Kuniishi H, Ichisaka S, Hata Y, Koshima M, Takayama H, Takehara S, Nakayama Y, Hiratsuka M, Iida Y, Matsukura S, Noda N, Li Y, Moyer AJ, Cheng B, Singh N, Richtsmeier JT, Oshimura M, Reeves RH.
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Journal Title
The American Journal of Human Genetics
Volume: 109
Issue: 2
Pages: 328-344
DOI
Related Report
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research
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[Journal Article] Panel of human cell lines with human/mouse artificial chromosomes2022
Author(s)
Narumi Uno, Shuta Takata, Shinya Komoto, Hitomaru Miyamoto, Yuji Nakayama, Mitsuhiko Osaki, Ryota Mayuzumi, Natsumi Miyazaki, Chiaki Hando, Satoshi Abe, Tetsushi Sakuma, Takashi Yamamoto, Teruhiko Suzuki, Yoshihiro Nakajima, Mitsuo Oshimura, Kazuma Tomizuka, Yasuhiro Kazuki
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Journal Title
Scientific Reports
Volume: 12
Issue: 1
Pages: 3009-3009
DOI
Related Report
Peer Reviewed / Open Access
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