Structural study of photo energy conversion system of light harvesting complex from photobacterium
Project/Area Number |
22K06111
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 43020:Structural biochemistry-related
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Research Institution | University of Tsukuba (2023) Mie University (2022) |
Principal Investigator |
谷 一寿 筑波大学, 計算科学研究センター, 教授 (20541204)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,030,000 (Direct Cost: ¥3,100,000、Indirect Cost: ¥930,000)
Fiscal Year 2024: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2023: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2022: ¥2,470,000 (Direct Cost: ¥1,900,000、Indirect Cost: ¥570,000)
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Keywords | クライオ電子顕微鏡 / 光合成細菌由来 / コア光捕集複合体 / LH1-RC |
Outline of Research at the Start |
可視光が届かないような湖底、温泉、海水から身近な田んぼにまで、広い棲息域で適応し高効率の光合成を行っている光合成細菌は、太陽光利用における恰好のモデル生物である。近縁種でも培養温度差や棲息環境が幅広いクロマチア科に焦点をあて、光合成の中心的役割を果たすコア光捕集-反応中心複合体(LH1-RC)の立体構造と機能相関に着目する。これらLH1-RCを比較することで、吸収帯の近赤外領域シフト、至適棲息温度、Caイオン存在/非存在下の安定性、反応中心RCより放出された電荷を伝達するキノン類の移動経路、といった最適化の特徴・仕組みを明らかにすることを目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
可視光が届かないような湖底、温泉、海水から身近な田んぼにまで、広い棲息域で適応し高効率の光合成を行っている光合成細菌は、太陽光利用における恰好のモデル生物である。近縁種でも培養温度差や棲息環境が幅広いクロマチア科に焦点をあて、光合成の中心的役割を果たすコア光捕集-反応中心複合体(LH1-RC)の立体構造と機能相関に着目する。これらLH1-RCを比較することで、吸収帯の近赤外領域シフト、至適棲息温度、Caイオン存在/非存在下の安定性、反応中心RCより放出された電荷を伝達するキノン類の移動経路、といった最適化の特徴・仕組みを明らかにすることを目的としている。 当該年度では、クライオ電子顕微鏡を用いて、クロマチア科のモデル生物種であるアロクロマチウム・ヴィノスム由来のLH1-RCの立体構造を決定し、Communications biology誌上に論文発表した("High-resolution structure and biochemical properties of the LH1?RC photocomplex from the model purple sulfur bacterium, Allochromatium vinosum", Tani et al., 7:176, https://doi.org/10.1038/s42003-024-05863-w)。アロクロマチウム・ヴィノスムのLH1サブニットは、これまでCaイオンが結合しないと考えられてきたが、クライオ電子顕微鏡を用いて構造決定により、実際にはCaイオン結合サイトが存在し、Caイオン結合に必須なアミノ酸配列の特徴であるモチーフを改定することになった。そのためCaイオンの結合性が実験的に確認されていない可能性の高い光合成細菌のLH1-RCがさらに増えて、より一般的に採用されている可能性があることがわかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当該年度においては、クロマチア科の1つであるアロクロマチウム・ヴィノスム由来のLH1-RCの立体構造をクライオ電子顕微鏡を用いて決定し、Communications biology誌へ発表することができた(doi:10.1038/s42003-024-05863-w)。本種由来のLH1-RCにおけるLH1サブユニットのうち特定の6か所にのみ、カルシウムが結合していたものの、近縁種の好熱菌サーモクロマチウム・テピダムでは、全てのLH1サブユニット16か所にカルシウムが結合しており、アミノ酸配列のパターンに応じてカルシウムが結合できるかどうかが決まっていることを明らかにできた。カルシウム含量の少ない軟水や欠乏状態の水中でも増殖できる常温菌のモデル種アロクロマチウム・ビノサムについては、光合成にカルシウムは関与していないと考えられていたが、本種は進化の過程で軟水中の微量カルシウムを結合して光合成を行うようなメカニズムを採用し、熱安定性を向上させていることを示唆することができた。昨年度私たちが決定したアロクロマチウム・テピダム由来や、サーモクロマチウム・テピダム由来のLH1-RCと立体構造での比較を行うことで、カルシウムが少なくても光合成ができるメカニズムを明らかにした。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究では、光合成紅色細菌クロマチア科ファミリー内の熱安定性の異なる3種に着目して、光捕集系に関与する複合体の立体構造をクライオ電子顕微鏡法にて近原子レベルにて明らかにし、光捕集最適化の謎を解き明かす。 これまでに、Chromatiaceaeファミリー内の立体構造を新たに2種類由来のコア光捕集複合体LH1-反応中心RC立体構造をクライオEMにより決定することができた。LH1にはα鎖3種類、β鎖3種類のそれぞれの組み合わせが存在するため、Trv.由来LH1-RCを決定した際に開発した解析技術(Nat.communs. 2020)を発展させて、LH1-RCを高分解能で構造決定でき、アロクロマチウム・ヴィノスム由来のLH1-RCでは2.2Å分解能と高分解能に到達することができた。さらに、分解能向上を目指して、カルシウムイオンと配位する水分子との比較を含めて、決定したLH1-RCの立体構造の比較を行い、耐熱性獲得とQy遷移の関連性を調べる。これまでの経験上、進化的に耐熱性獲得時に得られる変異は、イオン結合サイトや嵩高い側鎖がアラニンに変化することにより、耐熱性向上している可能性が高い。また、効率的なキノンによる電荷移動も光合成に重要であり、移動経路まで含めた各種間の比較により、原子レベルで光合成の最適化の仕組みを審らかにする。
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Report
(2 results)
Research Products
(8 results)
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[Presentation] Cryo-EM structure of an LH1-RC Photocomplex from an Extremophilic Phototroph2022
Author(s)
Kazutoshi Tani, Ryo Kanno, Keigo Kurosawa, Shinichi Takaichi, Kenji V. P. Nagashima, Malgorzata Hall, Long-Jiang Yu, Yukihiro Kimura, Michael T. Madigan, Akira Mizoguchi, Bruno Humbel, Zheng-Yu Wang-Otomo
Organizer
第45回日本分子生物学会年会
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