タンパク質の構造をとらない領域 の運動性・機能の解析
Project/Area Number |
22K06174
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 43040:Biophysics-related
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Research Institution | Nakamura Gakuen College |
Principal Investigator |
末武 勲 中村学園大学, 栄養科学部, 教授 (80304054)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北條 裕信 大阪大学, 蛋白質研究所, 教授 (00209214)
武居 俊樹 大阪大学, 蛋白質研究所, 助教 (00844771)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2023: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
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Keywords | HP1 / エピジェネティクス / 化学修飾 / ESR / EPR / IDR / histone / modification |
Outline of Research at the Start |
エピジェネティクスは、遺伝子発現等に関与し、細胞分化、環境への応答、病気にも関わる。エピジェネティクス制御機構の1つに、細胞核タンパク質のヒストン分子に複数の化学修飾があり、その認識分子(領域)の解析が進んでいる。そのため、固い構造を持つ分子(または領域)の研究は進んできているが、分子内部で構造をとらない領域(ダイナミックな運動する部位や、フレキシブルな化学修飾)の機能については明らかになっていない。
本研究では、安定しない構造を基盤とした「エピジェネティクス制御機構」の理解をさらに深める。
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Outline of Annual Research Achievements |
遺伝子配列に依存せずに、核タンパク質のヒストン分子上の化学修飾によって遺伝子発現が制御されるエピジェネティクス制御がよく知られている。このヒストン修飾のゲノム上の分布やそれを導入・消去する酵素、さらにはそれらを認識するタンパク質についての研究は進んでいる。認識タンパク質の一つであるheterochromatin protein 1 (HP1)はヒストン修飾と同時にDNAも認識する。生化学的には、HP1は安定にDNA(およびRNA)に結合することが古くから報告されているが、HP1がヌクレオソーム上でどのように化学修飾を認識するかをシミュレートすると、DNAをダイナミックに認識することを報告し、これまでの生化学的実験による静的な結合解析の結果とは、異なる計算結果となった。そこで、HP1内部で、DNAと結合する intrisic disorder region (IDR)であるヒンジ領域(HR)の運動性を、電子スピン共鳴法(ESR)を用いて解析した。HRを電子スピンラベルするため、部位特異的変異を導入した後、発現精製を行った。この電子ラベルしたHP1を、DNA存在下、非存在下でESR測定したが、DNAに依存した運動性の低下はみられなかった(Suetake et al, AMR, 2023)。このことは、HP1とヌクレオソームとの結合時のシミュレーション結果とよく一致し、HP1のHRは安定にDNAに結合するのではなく、結合解離の早いFuzzyな結合をしているということが分かった。
また、脂肪酸化修飾を施したヌクレオソームの構造・機能解析を進めるため、脂肪酸化ヒストンの化学修飾を終え、ヌクレオソーム再構成、並びに再構成後の精製の準備にかかっており、現在、非修飾ヌクレオソームについては用意ができるようになっている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
HP1は、リン酸化により機能制御されることが知られている。本研究にて、すでにリン酸化MIMIC変異を導入し、運動性変化の測定を始めており、予備的であるが有意な結果を得ている。
なお、特定のアミノ酸にリン酸化を導入したHP1を半合成できたので、将来的にはリン酸化による運動性変化を、リン酸化MIMIC変異でなく研究できるようになる。この方法は、キナーゼを用いる方法と異なり、特定位置のアミノ酸のみリン酸化を導入できるので、分子内に複数のリン酸化部位を持っているHP1等において、特定部位のリン酸化の効果を調べる良い手法となりうると期待できる。
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Strategy for Future Research Activity |
すでにHP1にリン酸化MIMIC変異を導入し、運動性変化の測定を始めており、予備的であるが有意な結果を得ている。その詳細な解析を行うと共に、HP1結合因子存在下で、どのように運動性の変化がみられるかを解析する。また、特定のアミノ酸にリン酸化を導入したHP1を用いて、特定部位のリン酸化の効果を調べる。脂肪酸化修飾を導入したヌクレオソーム再構成を進めるだけでなく、細胞内でどのようにヒストンが脂肪酸化修飾されるかを調べ、脂肪酸化修飾の生理的機能研究も進めたいと考えている。
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Report
(2 results)
Research Products
(26 results)
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[Presentation] Electron Paramagnetic Resonance (EPR) Analysis on Nobel Protein Assemblies, Dimer of Hexameric F1-like ATPases and Fibril Helical Filament, Involved in Mycoplasma Gliding and Spiroplasma Swimming2023
Author(s)
Arata T, Sato K, Toyonaga T, Sasajima Y, Kanda T, Suetake I, Inoue A, Takui T, Fujiwara T, Matsuki Y, Miyata M
Organizer
IOM2023 in OSAKA
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[Presentation] Dynamics of the HP1 Hinge Region with DNA Measured by Site-directed Spin Labeling-EPR Spectroscopy2023
Author(s)
Suetake I, Sato K, Sugishita T, Mishima Y, Takei T, Fujiwara T, Mutoh R, Shinohara A, Takui T, Miyata M, Hojo H, Arata T
Organizer
第23回日本蛋白質科学会年会
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