Project/Area Number |
22K06175
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 43040:Biophysics-related
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Research Institution | Fukui Prefectural University (2023) Institute for Molecular Science (2022) |
Principal Investigator |
向山 厚 福井県立大学, 生物資源学部, 准教授 (80647446)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
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Keywords | 概日時計 / 時計タンパク質 / KaiC / 分子進化 / 進化・多様性 |
Outline of Research at the Start |
シアノバクテリアSynechococcus elongatus PCC 7942株の概日時計において、時計の周期長を規定する主要な因子はKaiCただ1種のタンパク質の構造に内包されている。KaiCはシアノバクテリア以外の真正細菌および一部の古細菌にも保存され、誕生の起源は原始シアノバクテリアの誕生よりも古いとされるが、原始KaiCがいつ、いかにして時計としての機能を獲得したかは謎に包まれている。 本課題では、現生KaiCホモログのアミノ酸配列に基づいて祖先型KaiCを推定、機能・構造解析による実験的検証を通して、概日時計の進化的起源とその分子基盤を解明するとともに、地球進化との関連について考察する。
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Outline of Annual Research Achievements |
今日の地球上に存在する生物の多くは、概日時計を用いて地球の自転に伴う周期的な環境変化を予測し、自らの生理機能の時間的統合を図っている。光合成細菌 であるシアノバクテリアの概日時計はKaiA、KaiB、KaiCの3種類のタンパク質から構成され、これら3種類のKaiタンパク質とATPを混合すると、試験管内に24時間のリズムが再構成される。シアノバクテリアは約30億年ほど前に地球上に誕生し、その光合成能によって地球の大気環境を酸化的な環境へ変貌させたため、概日時計を持つ他生物の誕生をもたらしたとされる。本研究課題はシアノバクテリア時計タンパク質の祖先型を復元し、再構成系アプローチを駆使することで、生命が「いつ、どのようにして概日時計を獲得したのか?」という進化の謎に迫る実験研究である。昨年度に引き続き、祖先型KaiA、KaiB、KaiCの発現、精製を行った。融合タグの種類や、各種クロマトグラフィーの条件検討、最適化を進めることで、高純度精製に成功した祖先型Kaiタンパク質の数をさらに増やすことに成功し、進化系統樹上の主要な分岐点を概ね網羅することができた。取得した祖先型KaiCについて独自に整備した周波数特性解析手法をもとに評価したところ、振動能を獲得した分岐点について先例のない知見が得られた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
昨年度から高純度に精製可能な祖先型KAiタンパク質の数をさらに増やすことに成功し、進化系統樹上の主要な分岐点を概ね網羅することができた。また取得した祖先型KaiCについて酵素反応の周波数特性解析を行った結果、振動能を獲得した進化の分岐点に関して有力な知見を得たことから、順調に進んでいると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
昨年度に引き続き、祖先型Kaiタンパク質の取得、酵素特性解析、そして周波数特性解析を進める。
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