Project/Area Number |
22K06178
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 43050:Genome biology-related
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Research Institution | Akita University (2023) Tohoku University (2022) |
Principal Investigator |
松村 欣宏 秋田大学, 医学系研究科, 教授 (20375257)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
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Keywords | エピゲノム / ヒストンアセチル化 / ヒストン脱アセチル化 / エンハンサー / 脂肪細胞分化 / 脂肪細胞 / ユビキチン化 |
Outline of Research at the Start |
肥満、2 型糖尿病などの生活習慣病の病因の解明と予防は、超高齢化多死社会をむかえる我が国において大きな課題となっている。脂肪組織は全身の代謝制御を司り、環境変化に応じて細胞の質・数を変化させる。過剰栄養下ではエネルギーを脂肪として蓄える白色脂肪細胞が、寒冷環境下では脂肪を燃焼し熱を産生するベージュ脂肪細胞が誘導される。生活習慣病の予防・治療には、健康的な脂肪組織を再生する必要があり、脂肪細胞の運命決定機構の理解が求められている。本研究では、環境に応じて変化するエピゲノムに着目し、白色脂肪細胞分化を制御するエピゲノムのダイナミクスを解明することを目的とする。
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Outline of Annual Research Achievements |
脂肪細胞は全身のエネルギー代謝恒常性に関わり、その機能異常は肥満、2型糖尿病などの生活習慣病の発症と関係する。脂肪細胞は外的環境変化を感知し、細胞の質と数を変化させる。外的環境変化に対し、細胞はシグナル伝達を介して速やかに応答する一方、環境変化が持続するとエピゲノムを介して遺伝子発現を変化させる。本研究では脂肪細胞分化での鍵となるエピゲノムの動的変化を解明することを目的とする。本研究で得られる成果は、生活習慣病の効果的な予防・治療法への足がかりとなる。 脂肪細胞分化に関わるSETD5は核内受容体コリプレッサーNCoR, ヒストン脱アセチル化酵素HDAC3と転写抑制複合体を形成することで脂肪細胞分化を抑制する。SETD5を含む転写抑制複合体は、時間依存的に脂肪細胞分化のマスターレギュレーター遺伝子のエンハンサーに局在し、ヒストンアセチル化と遺伝子発現を抑制する。タンパク質の動的制御の解析から、分化誘導刺激を受けるとSETD5が後期促進複合体APC/Cによるユビキチン化を受けプロテアソーム経路で分解され、エンハンサー上のヒストンアセチル化が促進することが明らかとなった。また、ヒストンH3の9番目のリジンのメチル化に関わるSETDB1-MBD1-MCAF1複合体との関わりを調べたところ、SETD5複合体とSETDB1複合体は協調的にマスターレギュレーター遺伝子の発現を抑制することを見出した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
前年度見出した脂肪細胞分化を抑制する転写抑制複合体について、その動的制御を解析することにより、SETD5のユビキチン化-プロテアソーム分解によるエンハンサーの活性化という新たなエピゲノム制御機構を明らかにした。また、ヒストンH3K9のメチル化を介して転写抑制に関わるSETDB1複合体とSETD5複合体が協調的に働く機構も見出している。よって本研究課題はおおむね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
培養脂肪細胞で見出したSETD5複合体によるエンハンサーのエピゲノム制御機構について、マウスへの細胞移植実験を行い、生体内におけるその役割を解析する。
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