Project/Area Number |
22K06196
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 44010:Cell biology-related
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
西村 有香子 北海道大学, 遺伝子病制御研究所, 講師 (90360619)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2024: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2023: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2022: ¥2,990,000 (Direct Cost: ¥2,300,000、Indirect Cost: ¥690,000)
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Keywords | メカノセンシング / 接着斑 / 微小管 / 細胞外基質 |
Outline of Research at the Start |
生体内で細胞は、周囲の機械刺激を感知し、細胞内シグナル伝達を変動させることで、細胞運動や組織の形態形成などを制御する。この機械的刺激の知覚・応答はメカノセンシング機構と定義され、膜貫通型受容体インテグリン複合体の「接着斑」が関与すると提唱されているが、その作用機構には不明な点が多い。本研究では、細胞骨格微小管が接着斑を制御するという仮説を検証する。細胞基質工学・光遺伝学技術・高解像度ライブイメージングを組み合わせ、微小管と接着斑の相互作用を司る因子群のダイナミックな挙動が、接着斑のメカノセンシング活性を調節する分子機構を明らかにする。
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Outline of Annual Research Achievements |
生体内の細胞は、周囲の機械的刺激を感知して、細胞内シグナル伝達を変動させることで、細胞運動や組織の形態形成などを制御する。この機械的刺激の知覚はメカノセンシング機構と定義され、外環境と内部構造を繋ぐ膜貫通型受容体インテグリン複合体(接着斑)の機能を必要とする。しかしこの高次構造体が、機械的刺激を感知するメカノセンサーとして作用する仕組みには不明な点が多い。本研究は、この接着斑メカノセンサーの作用機構と生理的意義の解明を目指し、申請者がこれまでに明らかにした「微小管による接着斑ターンオーバーの促進メカニズム」が、接着斑のメカノセンサー機能を制御する機構を体系的に解明する。 本年度は昨年に引き続き、RhoA活性化因子が微小管を介して細胞内張力を制御するメカニズムの解明を目指し解析を行っている。これまでの結果から、細胞膜の伸展・退縮サイクルとRhoA活性化、微小管の動態が強固に連携している可能性があることが示唆されている。また、細胞外環境の人為的な操作を目指し、マイクロプリント法やポリマーを利用した細胞外基質の硬軟度グラディエントを作成する方法の確立を目指している。これらの手法の開発に関しては、シンガポール大学メカノバイオロジー研究所との共同研究を活用し、意見交換を行なっている。本研究成果については、第35回バイオエンジニアリング講演会、第75回細胞生物学会大会、第32回日本バイオイメージング学会学術集会、第61回日本生物物理学会年会において招待講演を行なった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は昨年に引き続き、RhoA活性化因子が微小管を介して細胞内張力を制御するメカニズムの解明を目指し解析を行っている。顕微鏡下での高解像度イメージングとその解析により、活性化型RhoAとその関連因子群、微小管の動態が細胞膜の形態変化と同調していることが確認された。このことから、細胞膜の伸展・退縮サイクルとRhoA活性化、微小管の動態は強固に連携していることが示唆される。また、ガラス基板のマイクロプリント法により細胞外環境を操作することで、細胞骨格や接着斑の形態変化を人為的に制御する方法を確立した。この手法によって、細胞の形態変化が細胞内分子の局在パターンの変化を誘導していることを確認しており、現在そのメカニズムについて解析を行っている。さらに現在、細胞外基質の硬軟度グラディエントを作成する新しい手法及びそのイメージング法の確立を目指し解析を行っている。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの解析で、細胞膜の伸展・退縮サイクル、RhoAとその関連分子群、微小管の動態は強固に連携していることが示唆された。今後は、これらの分子群の動態についてより詳細な画像解析とその解析に基づいた数理的モデリングを行い、接着斑メカノセンシングの時空間的制御機構について分子モデル構築を目指す。また、ガラス基板でのマイクロプリント法を利用することにより、細胞の形態変化が生み出す細胞内部の骨格変化の制御について、分子制御機構の解明を目指す。加えて、新規の細胞工学的手法を取り入れ、細胞外環境の人為的操作と高速高解像度イメージングを組み合わせた技術手法の開発を目指す。これらの研究を通し、接着斑のメカノセンサー機能が細胞外環境の機械的刺激の感知にどのような役割を果たしているのかについて解明する。
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