基底膜タンパク質の局在決定機構と物理構造の必要性の解析
Project/Area Number |
22K06209
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 44010:Cell biology-related
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Research Institution | Prefectural University of Hiroshima |
Principal Investigator |
伊原 伸治 県立広島大学, 生物資源科学部, 教授 (70373272)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
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Keywords | 基底膜 / 線虫 / IV型コラーゲン / 細胞外マトリックス |
Outline of Research at the Start |
細胞外マトリックスがコードする細胞外情報は、細胞の増殖、分化、死滅を積極的に制御する情報デバイスとして作用するが、細胞外に分泌後、分泌タンパク質がどのようにして目的の組織に局在するのか、殆どわかっていない。申請課題では、細胞外マトリックスの一つである基底膜の時期・場所ごとに観察される不均一な基底膜構成タンパク質の局在を利用して、細胞外の分泌タンパク質が標的組織へ運搬される分子機構を明らかにすることを目指す。また人為的に基底膜の構造変化を作り出し、細胞・組織の機能における基底膜の物理的構造の必要性を明らかにする。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、基底膜タンパク質の局在決定機構を明らかにするために、ゲノム編集技術を用いて、これまでに見出した局在異常を示すP1591S変異をもつIV型コラーゲンとin-frameでG2ドメインを欠損したナイドジェン(変異型ナイドジェン)の可視化を試みた。また、ナイドジェンの偏在化した局在がナイドジェンの発現量に依存するかを明らかにするために、体全体の体壁筋細胞で強い発現誘導するmyo-3プロモーター(L3幼虫期でも発現誘導は維持される)でナイドジェンの異所的な発現誘導を行い、L3幼虫期のナイドジェンの咽頭基底膜の局在変動の観察を行った。変異型IV型コラーゲンの可視化を行うために、生殖細胞でCas9が高発現する線虫を用いて内在性のIV型コラーゲンの可視化を試みたが、これまでに変異型IV型コラーゲンの可視化には成功していない。一方、変異型ナイドジェンは可視化に成功しており、G2ドメインが欠損した変異型ナイドジェンは腸管基底膜に殆ど局在しないことが明らかになった。さらにmyo-3プロモーターでナイドジェンを異所的に発現させると、L3幼虫期のナイドジェンの咽頭基底膜の局在変動が観察されなかった。またG2ドメインが欠損したナイドジェンの変異体では、IV型コラーゲン、ラミニン、へミセンチンの局在異常は観察されなかった。以上の結果より、ナイドジェンのG2ドメインが腸管基底膜に存在するために必要なこと、咽頭基底膜の局在変動は発現量に依存していること、ナイドジェンのG2ドメインの欠損は他の基底膜の局在決定に関与しないことが明らかになった。さらに基底膜の物理構造を変化させるためにハブ粗毒を用い基底膜の分解を試みた。現在、ハブ粗毒がどの基底膜を優先的に分解するのか、解析中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定通り、ゲノム編集技術を用いて変異型ナイドジェンの可視化に成功した。この可視化変異体を用いて、様々な基底膜タンパク質との相関関係をあきらかにすることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
変異型コラーゲンの可視化は引き続き、行っている。更に野生型ナイドジェンと変異型ナイドジェンの組織ごとの局在変動や他の基底膜タンパク質の局在にどのような影響を与えるのか、解析を行う予定である。またハブ粗毒に加えて、ハブの毒性成分の複数のタンパク質の可視化にもすでに成功しており、それらのタンパク質群が基底膜の構造維持にどのように作用するのか、明らかにする。
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Report
(1 results)
Research Products
(1 results)