Project/Area Number |
22K06222
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 44010:Cell biology-related
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
藤田 宏明 京都大学, 医学研究科, 助教 (90738006)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
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Keywords | 鉄 / フェロトーシス / セレン / 細胞死 |
Outline of Research at the Start |
本研究は既存のフェロトーシス誘導系とは異なり、鉄添加のみでフェロトーシスを誘導できるユニークな系を確立し、その系を用いて全遺伝子を対象とした網羅的スクリーニングを行った。その結果、鉄による脂質過酸化惹起に関与すると考えられる因子に加え、多数の新規フェロトーシス促進・抑制因子を同定している。それら因子の解析により鉄によるフェロトーシス惹起機構のみならず、新規の抑制機構・フェロトーシス実行メカニズムの解明を目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
フェロトーシスは鉄による脂質過酸化によって惹起される鉄依存性の細胞死である。しかし、「フェロ=鉄」という名称に相反して、鉄の側面からフェロトーシスの解析は行われてこなかった。そこで、鉄の側面からフェロトーシスを再解析するために、鉄添加のみでフェロトーシスを誘導できる新たな系を構築し、その系を用いて全遺伝子を対象としたCRISPRスクリーニングを行なった。その結果、鉄や脂質、セレンなどの多種多様な制御因子の同定に成功した。中でも細胞死促進因子の解析から、鉄取り込みに関与するタンパク質を同定すると共に、新たな鉄代謝制御因子を同定し、解析中である。上記に加え、フェロトーシスの抑制因子にセレンタンパク質合成系が全て含まれていることに着目し解析を行なった。セレンタンパク質は活性中心に21番目のアミノ酸であるセレノシステインを含有するタンパク質群である。本スクリーニング結果より、新たなセレンタンパク質合成因子としてPRDX6を同定した。PRDX6欠損細胞ではGPX4を含むセレンタンパク質の発現が著減し、鉄添加のみで細胞死が誘導された。PRDX6は以前から抗酸化酵素として知られ、GPX活性により酸化物の除去に関与すると考えられていたが、精製タンパク質を用いてPRDX6にGPX活性はないことを見出した。またPRDX6によるセレンタンパク質合成促進メカニズムを解析し、PRDX6はセレンと結合し、セレンの輸送体として働くことで、セレンタンパク質の原材料となるセレンの利用効率を増加させていることを見出した。またPRDX6とがんとの関連を調べ、がん細胞ではPRDX6の発現が増加し、PRDX6発現の高いがん患者では予後が悪いことを見出した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
新たなセレンタンパク質合成因子の同定と解析を行い、論文化を行なった。また新たな鉄代謝制御因子と考えられる因子を既に見出しており、現在解析中であるため。
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Strategy for Future Research Activity |
欠損することでセレンタンパク質GPX4の発現が著減する因子を他にも見出しているので、それらの解析を行う。また鉄代謝に関与する新規因子については、同定した因子が鉄取り込みに関与するかなど詳細なメカニズム解析を行う。
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