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ショウジョウバエ上皮細胞間隙バリア機能低下による幹細胞増殖の促進機構の解明

Research Project

Project/Area Number 22K06229
Research Category

Grant-in-Aid for Scientific Research (C)

Allocation TypeMulti-year Fund
Section一般
Review Section Basic Section 44010:Cell biology-related
Research InstitutionNational Institute for Physiological Sciences

Principal Investigator

泉 裕士  生理学研究所, 生体機能調節研究領域, 准教授 (10373268)

Project Period (FY) 2022-04-01 – 2025-03-31
Project Status Granted (Fiscal Year 2023)
Budget Amount *help
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
Keywords上皮バリア / 細胞増殖 / ショウジョウバエ / 幹細胞 / 組織恒常性 / 腸管 / セプテートジャンクション / 細胞間結合 / 腎管/マルピーギ管
Outline of Research at the Start

私は、ショウジョウバエの腸管において細胞間隙バリアとして機能する「スムースセプテートジャンクション(sSJ)」の解析を進めてきた。その過程で、1)腸管には、sSJの機能低下を検知して幹細胞の増殖と分化を促進する仕組みが存在すること、2)sSJの機能低下と腸管上皮損傷のいずれの幹細胞の増殖促進においてもaPKCが関わること、3)腎管でもsSJの機能低下によって幹細胞増殖の促進が起こること、を見出した。本研究では、ショウジョウバエの腸管、腎管をモデルに、「損傷検知機構」と想定しているaPKCを介したシグナル経路に着目し、sSJの機能低下と上皮損傷による幹細胞の増殖促進メカニズムを解明する。

Outline of Annual Research Achievements

ショウジョウバエ腸管の細胞間隙バリアとして機能する細胞間結合「スムースセプテートジャンクション(sSJ)」の解析により、1) 腸管には、sSJの破綻を検知して幹細胞の増殖を促進し、上皮細胞のリニューアルを促す仕組みが存在すること、2) sSJ破綻による幹細胞の増殖促進において、細胞極性の制御分子として知られるaPKCが関わること、を見出した。これらの知見をもとに、本研究はショウジョウバエ腸管のsSJ破綻による幹細胞の増殖促進メカニズムを解明することを目的としている。
2023年度は、上皮前駆細胞enteroblast (EB)のsSJ破綻に伴う幹細胞の増殖促進機構の解析を進め、進展があった。EBに特異的なGal4ドライバーであるSu(H)GBE-Gal4でsSJ構成分子MeshのRNAiを誘導し、Meshの発現抑制によるsSJの破綻を起こすと、腸管幹細胞の増殖が促進される。EBでのMesh発現抑制による幹細胞増殖促進のメカニズムを追求するため、Su(H)GBE-Gal4, UAS-mesh-RNAi系統を作成し、幹細胞増殖促進に関与している可能性のある候補分子のRNAi系統と掛け合わせ、幹細胞増殖への影響を調べた。その結果、aPKCのRNAi系統により幹細胞増殖抑制効果が認められた。また、Mesh発現抑制の腸管ではaPKCがアピカル膜に局在する細胞が増加していることを見出した。そこで、aPKCのEBでの挙動に注目した。aPKCは、正常の腸管では幹細胞と分化過程初期のEBでアピカル局在が見られ後期ではそれが見られなくなるが、Mesh発現抑制の腸管では分化過程後期のEBでもaPKCのアピカル局在が観察された。従って、Mesh発現抑制の腸管ではaPKCがEBのアピカル膜に残ってしまい、それが幹細胞増殖の引き金になっていることが示唆された。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

上皮前駆細胞enteroblast (EB)のsSJ破綻に伴う幹細胞の増殖促進機構の解析は、当初計画していた2023年度の研究と並行して進めていたが、興味深い成果が出たので先行させることにした。これは、EBでのMesh発現抑制による幹細胞増殖促進のメカニズムを追求するために作成したSu(H)GBE-Gal4, UAS-mesh-RNAi系統が顕著な幹細胞増殖促進効果を示し、候補分子のRNAi系統を掛け合わせることによって、RNAi系統のいずれかに増殖抑制効果があった場合、それを容易にモニターすることができたからである。その結果、EBにおいてaPKCが、Mesh発現抑制による幹細胞増殖亢進に深く関わっていることが明らかになった。さらに、sSJ構成分子によるaPKCのEBでの細胞内局在の制御が幹細胞の増殖を制御する上で重要であることが分かった。今後の解析により、sSJとaPKCの関与する細胞極性との関連についての興味深い結果が得られると期待される。

Strategy for Future Research Activity

上皮前駆細胞enteroblast (EB)のsSJ破綻に伴う幹細胞の増殖促進におけるaPKCの役割について追求する。正常の腸管では、aPKCは幹細胞と分化初期過程のEBのアピカル膜に局在する。分化後期のEBでは、アピカル膜からaPKCが排除され、そこに入れ替わるようにsSJ構成分子が局在するようになる。EBでsSJの破綻をmeshRNAiによって引き起こすと、分化後期のEBでaPKCのアピカル局在が残ってしまうことから、sSJ構成分子はaPKCのアピカル膜からの排除に関わっていると考えられる。
sSJ構成分子(MeshなどsSJ膜タンパク質およびDlg/Lgl)がaPKCのアピカル膜からの排除に関与しているかを調べるため、Mesh及びDlg/Lgl欠失EBでaPKCの局在がアピカル膜に維持され続けるか解析する。また、EBでのDlg/Lgl強制発現により、分化過程初期のEBからアピカル膜のaPKCが排除されるか検討する。さらに、aPKC欠失EBでのsSJ構成分子の動態も解析し、aPKCによるsSJ構成分子の局在制御機構も存在するのか検討する。
sSJ破綻腸管では、分化後期のEBでaPKCのアピカル局在が維持されることが、腸管幹細胞増殖亢進の原因である可能性がある。それを検証するために、aPKCのアピカル膜局在を増強することが期待されるBaz/Par6の強制発現で、幹細胞増殖が亢進するか検討する。sSJ構成分子(MeshなどsSJ膜分子、LGL/Dlg)が協調してaPKCの排除に関わる可能性があるので、EBでmeshとLGL又はDlgのRNAiを同時に誘導し、幹細胞増殖が単独のRNAiよりさらに亢進するか、aPKCのアピカル膜局在が単独のRNAiより増強されるか検討する。

Report

(2 results)
  • 2023 Research-status Report
  • 2022 Research-status Report
  • Research Products

    (8 results)

All 2023 2022 Other

All Int'l Joint Research (1 results) Journal Article (2 results) (of which Int'l Joint Research: 1 results,  Peer Reviewed: 2 results) Presentation (4 results) Remarks (1 results)

  • [Int'l Joint Research] University of Guelph(カナダ)

    • Related Report
      2022 Research-status Report
  • [Journal Article] Identification of the genes encoding candidate septate junction components expressed during early development of the sea urchin, Strongylocentrotus purpuratus, and evidence of a role for Mesh in the formation of the gut barrier2023

    • Author(s)
      Jonusaite Sima、Oulhen Nathalie、Izumi Yasushi、Furuse Mikio、Yamamoto Takashi、Sakamoto Naoaki、Wessel Gary、Heyland Andreas
    • Journal Title

      Developmental Biology

      Volume: 495 Pages: 21-34

    • DOI

      10.1016/j.ydbio.2022.12.007

    • Related Report
      2022 Research-status Report
    • Peer Reviewed / Int'l Joint Research
  • [Journal Article] Shortened lifespan induced by a high-glucose diet is associated with intestinal immune dysfunction in Drosophila sechellia2022

    • Author(s)
      Abe Maiko、Kamiyama Takumi、Izumi Yasushi、Qian Qingyin、Yoshihashi Yuma、Degawa Yousuke、Watanabe Kaori、Hattori Yukako、Uemura Tadashi、Niwa Ryusuke
    • Journal Title

      Journal of Experimental Biology

      Volume: 225 Issue: 21

    • DOI

      10.1242/jeb.244423

    • Related Report
      2022 Research-status Report
    • Peer Reviewed
  • [Presentation] The role of paracellular diffusion barrier in the Drosophila intestinal and renal stem cell proliferation.2023

    • Author(s)
      泉 裕士、古瀬幹夫
    • Organizer
      第75回日本細胞生物学会大会
    • Related Report
      2023 Research-status Report
  • [Presentation] ショウジョウバエ腸管の幹細胞増殖制御における細胞間隙バリアの役割.2023

    • Author(s)
      泉 裕士
    • Organizer
      2023年度生理研研究会「上皮膜輸送と細胞極性形成機構の統合的理解を目指して」
    • Related Report
      2023 Research-status Report
  • [Presentation] aPKCはショウジョウバエの腸管バリア機能の破綻に伴う腸管上皮幹細胞の増殖に関与する.2022

    • Author(s)
      泉 裕士、古瀬幹夫
    • Organizer
      第74回日本細胞生物学会大会
    • Related Report
      2022 Research-status Report
  • [Presentation] Septate junctions regulate renal stem cell proliferation in the Drosophila Malpighian tubules.2022

    • Author(s)
      Izumi Yasushi, Furuse Mikio.
    • Organizer
      第15回日本ショウジョウバエ研究会
    • Related Report
      2022 Research-status Report
  • [Remarks] 生理学研究所 細胞構造研究部門ホームページ

    • URL

      https://www.nips.ac.jp/dcs/

    • Related Report
      2023 Research-status Report

URL: 

Published: 2022-04-19   Modified: 2024-12-25  

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