Project/Area Number |
22K06230
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 44010:Cell biology-related
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Research Institution | Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
小松 直貴 国立研究開発法人理化学研究所, 脳神経科学研究センター, 研究員 (30737440)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2024: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2023: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
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Keywords | mTOR / 細胞周期 / 生細胞イメージング / FRETプローブ / mTORC1 / シグナル伝達 / 蛍光プローブ |
Outline of Research at the Start |
mTOR複合体1(mTORC1)は細胞外からの様々な入力を感知し、代謝の制御を介して、複数の生理機能に関わるという最重要のシグナル伝達分子である。しかしながらmTORC1が生きた細胞内でどのような時間パターンで活性化するのか、実はほとんど分かっていない。本研究では、mTORC1は細胞が増殖する際にどのような時間パターンで活性化するのか、またmTORC1活性化の時間パターンによって細胞増殖はどのように制御されるのか、その原理を生細胞イメージングや分子活性の時間操作を用いて明らかにする。本研究の達成により、mTORC1の活性動態とその生物学的意義に関する新たな知見がもたらされると期待される。
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Outline of Annual Research Achievements |
mTOR複合体1(mTORC1: mechanistic target of Rapamycin complex 1)は、細胞内外のさまざまな情報を感知・統合し、複数の下流を協調的に制御するという最重要のシグナル伝達分子であるが、細胞内でどのような時間ダイナミクスで活性化しているのか、ほとんど分かっていない。このため、mTORC1活性化の時間ダイナミクスと下流の表現型との関係についても分かっていない。 本研究では、生細胞蛍光イメージングによりmTORC1の活性とその下流の一つである細胞周期を可視化すること、加えて分子操作によりmTORC1活性のダイナミクスと細胞周期との因果関係を明らかにすることを目的としている。今年度は、前年度に同定したmTORC1活性を誘導する因子を利用して、合成リガンド依存的にmTORC1活性化を誘導できる系を開発した。開発した系の利用により、mTORC1下流のS6Kの活性化を誘導できることを確認した。また、人工的なmTORC1活性化によりタンパク質翻訳を誘導できることを確認した。 細胞周期とmTORC1活性のイメージング解析については、前年度までに細胞質におけるmTORC1の活性が細胞周期依存的に変化すること、および、G1期におけるmTORC1の持続的な活性化がG1の進行に必要であることを見出していた。今年度は他の細胞種数種類や細胞核におけるmTORC1活性の可視化を行い、細胞周期依存的なmTORC1活性化に関する知見をより深めるデータを獲得した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
mTORC1活性の操作法の開発について。合成リガンドによるmTORC1活性化に必要な条件検討を行い、ある程度十分な変化幅で活性化を誘導できるようになった。人工的なmTORC1活性化の下流イベントの解析についても、タンパク質翻訳の促進がおきることを、抗ピューロマイシン抗体を用いた蛍光免疫染色により確認でき、mTORC1活性化による細胞周期の制御に向けた技術開発が進められたと考える。 mTORC1活性と細胞周期のイメージングについて。前年度に引き続き解析を進めることで以下のような知見が得られた:細胞質と異なり、細胞核ではmTORC1活性が低く抑えられているため細胞周期依存的なmTORC1活性化が起きない。細胞の由来となる動物種によってはmTORC1活性が高い状態で推移するため細胞周期依存的な活性変化が起きない。概して細胞周期依存的なmTORC1活性化に関する知見をより深めるデータを獲得できたと考える。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度開発したmTORC1活性化を誘導できる系を用いることで、mTORC1活性化がG1期の進行を促進する上で十分か検討を行う。並行して、細胞周期以外の表現型として翻訳とオートファジーに着目し、mTORC1活性化と表現型のダイナミクスについて解析を試みる。
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