Project/Area Number |
22K06264
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 44030:Plant molecular biology and physiology-related
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Research Institution | Nara Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
加藤 壮英 奈良先端科学技術大学院大学, 先端科学技術研究科, 助教 (70379535)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
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Keywords | 細胞形状 / シロイヌナズナ / 植物細胞 / ファルネシル化 / 微小管 / チューブリン / 細胞骨格 / pavement cell |
Outline of Research at the Start |
一般に目にする高等植物は、茎のような軸性器官が体制の大枠をきめ、効率よく配置されるそれぞれの葉の平面性はより効率よい光合成に寄与すると考えられる。器官の構成単位である細胞レベルの増殖性、成長性は、植物体の発生ステージや環境変化に最適な器官成長を調節する主要因だが、その仕組みは不明なところが多い。本研究は、細胞の成長性に着目する。特に、申請者らが同定したBPP遺伝子を中心に、細胞の成長方向を制御する細胞骨格系に関与する新たな遺伝子群を発見し、高い環境適応能を備えた植物生理を遂行する分子基盤を明らかにする事を目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
通常、葉の表皮細胞にはパズル様の凹凸のある細胞に敷き詰められており、微小管が凹形の形成に関わることが知られている。BPP5の欠損株(特にファミリーの三重変異体)や、過剰発現体の葉表皮細胞には、それぞれ丸い細胞と細長い細胞が形成される。また、微小管やアクチン繊維の制御に関わるROPの活性化因子であるSPK1の変異体は、細長い細胞が形成される。そこで、それら変異体を組み合わせて細胞の凹凸の成り立ちのメカニズムを解析する事にした。共焦点顕微鏡により、細胞形状の発展を各サンプルは異なるが経時的に観測することにした。解析方法はまだ推考している。細胞容積を大きくする過程で、SPK1が凹凸の創発に、BPPがその成長に働くと仮定しており、定量的な画像解析が待ち望まれる。今回、細胞の形状を観察する際に葉そのものの形状を観察すると葉の部位により細胞の形状が異なり、それが葉の成長と関与している予備的知見を得たため、今後は細胞と器官の形状の詳細な測定をおこなう計画である。 シロイヌナズナ微小管結合タンパク質BPP5はファミリーを形成し、N末端側に共通した微小管結合ドメインを、C末端側にファルネシル化を受ける事が予想されるCaaX motif様の配列を持ち、両ドメインはコケ類以降の陸上植物を通じて保存されている。よって、BPP5はC末端側を介して細胞壁と緩く結合し、局所的に微小管を集積・配向させる機能を有すると想定している。BPP5のファルネシル化の有無を調べるために、CaaX motif様の配列に変異を入れた変異型BPP5のGFP融合ゲノムコンストラクトを作成した。今後、bpp1;2;5に導入し、その効果と局在性、微小管や凹凸形との関係などを調査したい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
表皮細胞が丸型、細長型をそれぞれ示すbpp1;2;5とspk1を交配すると、小さい凹凸も無い理想に近い丸型細胞が生じる。bpp1;2;5には小さい凹凸は存在し、spk1には無い。そこで、細胞容積を大きくする過程で、SPK1が凹凸の創発に、BPPがその成長に働くと仮定した。本年度は、この仮説を示す事を目標に、凹凸形状を評価するために、これら植物に細胞膜マーカーを導入した植物体を作出し、形状観察を開始した。形状の発展を定量的に測定するための時間の検討を行い、発芽後7日目程度まで形状を計測する事を予備的実験によって決めた。データは時系列で扱うために、どのような評価方法が適切か検討している段階である。最近、AIによる画像セグメンテーション法が報告されており、従来の方法と比較してどの方法が適切かを検討している。また、葉の表皮細胞は葉の位置によって、形状とその発展が異なり、葉の輪郭部では変異体細胞でも細長い形状である事を見出し、葉の形状発展と構成部分である表皮細胞の形状発展に相関性がある可能性は見いだせた。 また、BPP5のC末端のファルネシル化は、BPP5が細胞膜に微小管を集積する事を想定しており、それを評価するためにファルネシル化ドメインを欠損する変異を導入した変異型BPP5コンストラクションを複数パターン作出した。
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Strategy for Future Research Activity |
bpp1;2;5とspk1を用いた細胞の形状発展の研究については、葉の形状との関係に進捗が見られた。精密な測定が必要とされるため、慎重に画像所得に挑みつつも、新たに細胞のセグメンテーションの際にAIを用いる手法などが論文として報告されており、これら最新の手法を従来の方法と比較検討を行いたい。早急にデータ取得を終わらせ、仮説に対する検証を行いたい。 BPP5のC末端側のファルネシル化に必要なドメインについては、BPP5タンパク質の機能を知る上では最も大切な部分と考えており、今年度作成したファルネシル化の機能欠損型の変異型BPP5遺伝子をbpp1;2;5植物体に導入し、変異の効果を評価していきたい。また、ファルネシルトランスフェラーゼPFTまたはゲラニルゲラニルトランスフェラーゼ I 型 PGGT-Iとbpp1;2;5三重変異体、および、BPP5過剰発現体との多重変異体について、細胞形状の変化、および微小管への影響を定量的に観察する。 今年度は、人員不足のために進展させることが難しかった、LNG 微小管結合タンパク質とBPP1ファミリーとの解析については、多重変異体を用いた微小管観察などを推進し、BPP5の細胞形状を決める分子レベルの機能の一端を明らかにしていく。
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