Project/Area Number |
22K06278
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 44030:Plant molecular biology and physiology-related
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
田草川 真理 京都大学, 理学研究科, 特定研究員 (90711599)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
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Keywords | クラミドモナス / DNA修飾 / 葉緑体 / 片親遺伝 / 核様体 / cpDNA |
Outline of Research at the Start |
有性生物におけるミトコンドリアや葉緑体の母性遺伝は広く知られた現象であるが、母性遺伝の過程でオス由来のDNAが分解され、メス由来のDNAが分解されない機構は未だに不明である。有性単細胞緑藻クラミドモナスにおいても、有性生殖に伴い、オスの葉緑体DNAが選択的に分解され、メスの葉緑体DNAの片親遺伝が生じる。本研究では、このクラミドモナスを材料に、葉緑体の片親遺伝のメカニズムとしてDNA修飾が関与する可能性に焦点を当て、DNA修飾酵素の分子実体の特定、葉緑体DNA修飾とDNA分解・複製速度との関連性の解析を通じて、「分解・保護するオルガネラDNAの選択」の分子機構を明らかにしたい。
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Outline of Annual Research Achievements |
有性生物におけるミトコンドリアや葉緑体の片親遺伝は広く知られた現象である。しかし片親遺伝の過程で、オスではなくメスのオルガネラが残されるメカニズムは、未だに多くの点が謎のまま残されている。有性単細胞緑藻・クラミドモナスにおいても、配偶子の接合に伴い、オスの葉緑体DNAが選択的に分解され、メスの葉緑体DNAの片親遺伝が生じる。この配偶子分化から接合の過程では、メスの葉緑体で特異的にDNA修飾が起きていることも知られている。本研究では、クラミドモナスにおける葉緑体の片親遺伝のメカニズムとして、このDNAの修飾が関与する可能性に焦点を当て、DNA修飾酵素の分子実体の特定、葉緑体DNA上の修飾領域の特定、DNA修飾と接合および減数分裂時のDNA動態との関連性の検証を通じて、「分解・保護するオルガネラDNAの選択」の分子機構に迫ることを目的としている。 これまでにゲノム編集によって葉緑体DNA修飾酵素の候補遺伝子の変異体の作出しており、この変異体が片親遺伝に異常を示すことを示すデータが出ていたが、R4年度にはこの再現性を確認することができた。また、候補遺伝子のうちの1つについて、クラミドモナス細胞での発現に成功し、その局在が葉緑体であることも明らかになった。葉緑体以外にも細胞質中に輝点が見えていることから、ミトコンドリアにも共局在している可能性が見えてきている。また変異体におけるこの候補遺伝子の発現により、少なくとも部分的にはDNA修飾を回復させることが可能であった。年度内に次世代シーケンス解析を行い、野生型と変異体についてデータを取得するところまで進められたので、今後はそのデータの解析を行い、葉緑体DNA上の修飾領域の特定を進めたい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
クラミドモナスは外来の遺伝子を発現しにくい傾向があるため、相補株の作製は一つの大きな障壁だと考えていたが、候補遺伝子のうちの1つについてクラミドモナス細胞での発現に成功し、実際に局在が葉緑体(とミトコンドリア)であることを確認できた。この結果は、この遺伝子産物が葉緑体DNAの修飾に関与するという仮説と合致するものであり、それに加えてミトコンドリアDNAに関しても修飾が起きている可能性を示唆するものでもある。 また当初の予定通り、DNA修飾の全貌を明らかにするための全ゲノム解析まで辿り着けたことから、このまま解析を進めることで修飾領域の特定が可能であると予想され、現時点で順調に進展していると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度はシーケンス解析によって取得したデータの解析を進め、葉緑体DNAの修飾領域を特定するとともに、ミトコンドリアに関しても解析を行う。 また野生型と変異体に関して、接合時のDNA分解と減数分裂前後のDNA合成の様子を顕微鏡で経時観察を行うことで比較することで、DNA修飾がDNA分解とDNA合成に影響を及ぼす可能性があるかを明らかにしていきたい。 交付時の減額や急激な物価の上昇に伴い、当初の計画の通りには十分に物品購入や解析依頼ができないことも予想されるため、非常に不本意ながら研究が広がりすぎないように慎重に進めたい。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)
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[Journal Article] Genomic analysis of an ultrasmall freshwater green alga, Medakamo hakoo2023
Author(s)
Kato S., Misumi O., Maruyama S., Nozaki H., Tsujimoto-Inui Y., Takusagawa M., Suzuki S., Kuwata K., Noda S., Ito N., Okabe Y., Sakamoto T.,Yagisawa F., Matsunaga T. M., Matsubayashi Y., Yamaguchi H., Kawachi M., Kuroiwa H., Kuroiwa T., Matsunaga S.
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Journal Title
Communications Biology
Volume: 6
Issue: 1
Pages: 89-89
DOI
Related Report
Peer Reviewed / Open Access
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[Presentation] “DNA clip” that organize chloroplast nucleoids in Chlamydomonas reinhardtii2022
Author(s)
Mari Takusagawa, Yusuke Kobayashi, Yoichiro Fukao, Kumi Hidaka, Masayuki Endo, Hiroshi Sugiyama, Takashi Hamaji, Yoshinobu Kato, Isamu Miyakawa, Osami Misumi, Toshiharu Shikanai, Yoshiki Nishimura
Organizer
International Symposium on Photosynthesis and Chloroplast Regulation
Related Report
Int'l Joint Research