赤道周辺に生息するトマト野生種の高感度日長識別機構についての研究
Project/Area Number |
22K06285
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 44030:Plant molecular biology and physiology-related
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Research Institution | International Christian University |
Principal Investigator |
早間 良輔 国際基督教大学, 教養学部, 准教授 (70781798)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2023: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2022: ¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,000,000、Indirect Cost: ¥600,000)
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Keywords | 花芽形成 / 光周性 / 概日時計 / S. galapagense / 光周性花成 |
Outline of Research at the Start |
エクアドル・ガラパゴス諸島は赤道付近に位置し、日長の一年間の変化幅は数分間しかない。それにも関わらず、この場所に生育するトマト野生種は典型的な短日植物であり、日長が特定以下の長さでないと全く開花しない。このことから、ガラパゴス諸島のトマト野生種は赤道付近において最適な繁殖条件の到来を予測するために、ごく僅かな日長を認識するための特異な仕組みを進化させた可能性がある。当研究ではこの仮説を検証するため、当トマト野生種に数分の日長幅を認識する能力があるかを生理学的に解析するとともに、当野生種の短日花成を制御する分子的基盤を明らかにする。
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Outline of Annual Research Achievements |
赤道付近に位置するエクアドル・ガラパゴス諸島に特有のトマト野生種Solanum galapagenseは典型的な短日植物であり、日長の年間の変化がごく僅かな場所で生育するにも拘らず日長認識の能力を保持する。SP5Gは S. galapagenseの長日条件下での花成抑制を引き起こす遺伝子であり、そのmRNAの蓄積は長日条件下において特異的に起こる。S. galapagenseの日長識別機構について明らかにするために、シロイヌナズナにおける日長認識に機能するCONSTANS(CO)と類似したタンパク質をコードするS. galapagense遺伝子SgCOの機能解析を行った。自身のプロモーターによりSgCOを発現する形質転換S. galapagense(pSgCO1::SgCO:GFP)では野生型と比べSgCOの発現が高く、同時にSP5Gの発現も高いことから、SgCOはSP5Gの発現を誘導する転写因子であることが示唆された。また、SgCO:GFPはN. benthamianaにおける葉の細胞で核内に局在した。さらに、SgCO:GFPタンパク質はSP5G mRNAの蓄積が起こる長日条件下で蓄積することが示された。今後、SgCOタンパク質の長日での蓄積がSgCOタンパク質の光による安定化により起こるのかを明らかにするために、pSgCO1::SgCO:GFP 並びに35S::SgCO:HA形質転換体を用いてSgCOタンパク質の蓄積様式を更に明らかする予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予定していた研究を遂行するのに必要なS. galapagense形質転換体をおおよそ作成し終え、それらの形質転換体を用いたSgCOタンパク質やSP5G遺伝子の発現に関する解析を進めることが可能となったことから、提案した研究に関してほぼ予定通りの進捗状況を確保することが出来ている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後、SgCO遺伝子ならびにタンパク質の制御を介したS. galapagenseの日長測定機構について明らかにするために、SgCOタンパク質の長日での蓄積がSgCOタンパク質の光による安定化により起こるのかをpSgCO1::SgCO:GFP 並びに35S::SgCO:HA形質転換体を用いて明らかにしていく。また、S. galapagenseが日長変化に対してどの程度敏感なのかも同時に明らかにしていきたい。
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Report
(2 results)
Research Products
(2 results)