Project/Area Number |
22K06286
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 44030:Plant molecular biology and physiology-related
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Research Institution | Rikkyo University |
Principal Investigator |
堀口 吾朗 立教大学, 理学部, 教授 (70342847)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
古賀 皓之 東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 助教 (30783865)
前川 修吾 専修大学, 商学部, 講師 (80711209)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
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Keywords | シロイヌナズナ / プラスチド / リボソーム / リボソームストレス応答 / NAC型転写因子 / RFC3 / SPRT1 / SZK1 |
Outline of Research at the Start |
リボソームはタンパク質とRNAかならなる複合体で、その生合成の異常はプロテオームを撹乱し、生物の生存に悪影響を及ぼす。植物は真核型、プラスチド型、ミトコンドリア型のリボソームを持つがそれぞれのリボソームの生合成異常に応答する仕組みは真核型において一部明らかになっているだけである。本研究では、シロイヌナズナを用いてプラスチド型、真核型リボソームストレス応答機構の共通性と特異性を明らかにする。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、植物が持つ真核型リボソーム、プラスチドリボソームの異常に伴うストレス応答の分子機構を明らかにする。真核型リボソーム、プラスチドリボソームに対応するストレス応答をそれぞれeukaryotic ribosome stress response (e-RSR), plastid RSR (p-RSR)と呼ぶ。 まず、p-RSRに関与する新規因子を見出すため、シロイヌナズナのp-RSRを示す変異株であるrfc3のサプレッサー変異株10系統を用いて次世代シークエンス解析を行った。その結果、プラスチド内プロテオームの恒常性やRNA代謝に関与する因子の変異が見出された。これらの変異がrfc3サプレッサーの原因遺伝子であるか、検証を進めることでp-RSRの遺伝的概要を知ることができる。 次に、rfc3サプレッサーから見出されたプラスチドタンパク質SPRT1の相互作用因子を生化学的に解析するため、p35S::SPRT1-GFP/rfc3 sprt1の作出を進めた。形質転換当代では強いGFP蛍光が認められたものの、次世代では遺伝子サイレンシングが生じたため、適切なプロモーターを用いてSPRT-GFPを発現させる系統を再度作成する必要がある。 p-RSRの動態を生化学的に解析するための予備実験として、野生型植物を翻訳阻害剤で処理しp-RSRの正の制御を行うNAC型転写因子遺伝子SZK1の発現上昇を解析した。原核型翻訳阻害剤のエリスロマイシンを含む培地で生育させると、SZK1の発現レベルが約12倍上昇した。一方、5日間生育させた植物に対しエリスロマイシン処理を行っても、SZK1は約4倍にしか誘導されなかった。この結果はp-RSRは全身的ではなく分裂組織などで局所的に誘導される可能性を示唆し、p-RSRの解析を進めるための材料や処理条件の最適化を行う上で重要な知見が得られた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
令和4年度に計画していた実験はほぼ予定通り進めることができた。一方、p-RSRに関与するプラスチド因子を同定するためにはSPRT1-GFPを安定に発現する系統の確立が必要であるが、遺伝子サイレンシングのためにうまくいっていない。これは使用するプロモーターを変更すれば解決できると考えられる。また、p-RSRが必ずしも全身的に起きてはいない可能性が示唆されたため、p-RSR応答性の細胞が豊富に含まれる培養条件や薬剤処理条件を検討する必要が出てきた。p-RSRを生化学的に解析するための実験条件をうまく整え、関連因子の同定が感度良く進むようにしたい。
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Strategy for Future Research Activity |
10系統のrfc3サプレッサー変異株を用いて次世代シークエンス解析を行ったところ、変異株間で共通する候補遺伝子は見つかっていない。このことは、p-RSRに関与する因子が多数存在することを示唆する。残る2年間で約30系統のサプレッサーを次世代シークエンスにかける予定である。また、これらの変異の原因遺伝子を特定する作業もCRISPR/Cas9による変異導入で順次進めていく。これにより同定できる遺伝子群の機能から、p-RSRの概要を推定できると考えられる。また、SPRT1-GFPを安定に発現する系統の作出を進め、IP-MS解析、RNA immunoprecipitation解析を実施する準備を進める。この時、カルスやオーキシン処理による側根誘導など細胞増殖が盛んな組織が豊富に含まれる状態でエリスロマイシン処理を行い、p-RSRが強く誘導される条件を探す。同様の栽培条件でpSZK1::SZK1-GFPの発現の組織特異性も検証する。これらの解析を通じてpRSRの誘導プロセスが感度良く解析できる条件を確立し、RFC3やSPRT1に加え本研究で同定される因子の動態を明らかにできると考えている。
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Report
(1 results)
Research Products
(4 results)