Project/Area Number |
22K06295
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 44040:Morphology and anatomical structure-related
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
阿部 真土 大阪大学, 大学院歯学研究科, 講師 (40448105)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三浦 郁生 国立研究開発法人理化学研究所, バイオリソース研究センター, 開発技師 (70624948)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
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Keywords | 口蓋裂 / 先天異常 / 頭蓋顔面発生 / GPCR / 神経堤細胞 / メラノサイト / 疾患モデル動物 |
Outline of Research at the Start |
口蓋裂は2000出生に1人と高い発症頻度を示す。患者は機能的、心理的、経済的に大きな問題をかかえ、疾患のおこる機序の解明、予防法の開発が強く望まれる。本申請では、口蓋裂を示す新奇マウス2系統の解析からこの課題に臨む。独自に見出した遺伝性に口蓋裂を含めた骨格系の発生異常を示すマウス系統を用いて、一塩基多型を利用した遺伝子マッピングにより原因遺伝子座の同定を目指す。また、神経堤細胞に変異型Gnas遺伝子を発現するマウスにも口蓋裂発症を確認しており、その下流の責任経路の同定を目指す。これらの新規マウス系統の解析から、口蓋裂発症の新たな機序の同定のみならず、効果的な予防法を見出すことを目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
昨年度は神経堤細胞特異的に変異型GNASを発現させたマウスの解析を引き続き行い、まず胎生11日齢の鰓弓組織でのcAMP量をELISA法で測定し、期待する変異型マウスでのcAMP量の増加を確認できた。また、組織学的観察より、顎骨骨髄内における血球の消失、線維性成分の蓄積を認め、頭部における線維性異形成症の病態を発症しているのではないかと考えられた。また、出生後の本マウスは再現よく腹部、手足の色素の欠乏が見られた。腹部の毛を沿った後に毛の再生過程を確認しても、やはり組織学的にメラニンの生成は見られなかった。神経堤細胞の系譜解析を行った結果、毛髪のバルジ領域に存在する幹細胞と考えられる細胞集団に神経堤細胞の系譜細胞が確認できた。神経堤細胞特異的変異型GNASマウスではこの幹細胞において変異遺伝子が発現している可能性があり、色素幹細胞内におけるメラニン産生細胞への分化過程に異常が生じている可能性が示唆された。ヒトの線維性異形成症では逆に色素斑が見られるため(マッキューンオルブライト症候群;MAS)表現型に矛盾が認められた。 自然発症口蓋裂マウスの解析は交配に用いる予定の雄マウスが死ぬというアクシデントがあったものの、その仔マウスより再び変異マウスを見出すことができ、C57BL6/J(日本クレア社)との交配により、可及的に組換えを起こすのと併行して変異マウスの選択を継続して行った。再度SNPタイピングを計画したものの、系統の復活に用いた仔マウスの遺伝的背景がやや不均一であることが予想できたため、戻し交配の回数を増やす選択を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
1.変異型GNASマウスの表現型解析は頭頚部の解析と色素異常の解析を併行して行えており、特に頭頚部の解析は線維性異形成症の病態の一部を再現している可能性も示唆され、おおむね順調と言える。また、メラニンの産生異常に関してはヒト変異型GNAS疾患ではあまり認められない表現型であり、そのメカニズム解析が新たな色素異常症の側面を提唱できる可能性がある。 2.一方で、自然発症口蓋裂マウスの解析はオスマウスが一度死んでしまい、この系統の回復に少し事件がかかってしまった。ただ、系統の回復はできておりSNPタイピングの解析も検討できる段階までは来ている。SNPタイピングを行う予定でいたが、やはり遺伝的背景をよりC57BL6/j(日本クレア社)に近づけた後にするべきであると考えた。当初の計画よりやや遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
1.神経提細胞特異的な変異型GNASマウスは頭頚部の線維性異形成症の病態を模倣しているか経時的にサンプルを回収している。まず疾患の発症するタイミングを同定し、どのような細胞集団から疾患発症が開始するか詳細に検討する。現在は生後2週間ですでに顎骨病変が発症することは見出している。さらに早い段階での疾患発症のタイミングが確認できた後に顎骨組織より、酵素処理もしくは凍結破粋にてトータルRNAを回収しRNAシーケンシングを行う予定にしている。 2.自然発症口蓋裂マウスは、現在戻し交配をしている変異マウスのゲノムDNAサンプルを以前のSNPタイピングで均一のSNPであることを確認できたプライマーのみでいったん死んでしまった雄マウスとの遺伝的背景の確認を早急に行う。また、併行して胎生13.5日から14.5日齢マウスの口蓋突起の変化を見出せるか検討する。仮に14.5日齢でしか口蓋裂発症マウスを同定できなければ、その胎生期の口蓋突起からトータルRNAを抽出し、RNAシーケンシングを行う予定にしている。
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Report
(2 results)
Research Products
(8 results)
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[Journal Article] Abdel-maksoud FM., Inui-Yamamoto C., Kawano A., Honma S., Saeki N., Abe M., Kuraki M., Ohba S., Wakisaka S.2024
Author(s)
Abdel-maksoud FM., Inui-Yamamoto C., Kawano A., Honma S., Saeki N., Abe M., Kuraki M., Ohba S., Wakisaka S.
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Journal Title
Anatomical Record
Volume: 307
Issue: 2
Pages: 414-425
DOI
Related Report
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research
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[Journal Article] Modeling of intramembranous ossification using human pluripotent stem cell-derived paraxial mesoderm derivatives.2023
Author(s)
Ikeda Y., Tani S., Moriishi T., Kuroda A., Matsuo Y., Saeki N., Inui-Yamamoto C., Abe M., Maeda T., Rowe DW., Chung UI., Hojo H., Matsushita Y., Sawase T., Ohba S.
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Journal Title
Regenerative Therapy
Volume: 24
Pages: 536-546
DOI
Related Report
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research
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