Project/Area Number |
22K06366
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 45030:Biodiversity and systematics-related
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Research Institution | Japan Agency for Marine-Earth Science and Technology |
Principal Investigator |
吉田 ゆかり 国立研究開発法人海洋研究開発機構, 超先鋭研究開発部門(超先鋭研究開発プログラム), 准研究副主任 (10553216)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
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Keywords | 熱水生態系 / ウイルス / 一本鎖DNA |
Outline of Research at the Start |
水圏環境中のウイルスは、宿主バイオマスの動態制御、物質循環の駆動、遺伝子水平伝播に関わる因子として生態学的に重要な役割をっている。本研究では、ウイルスの原始タイプとして着目されている一本鎖DNAウイルスに焦点を当て、深海底熱水生態系における本タイプの生態学的・進化学的役割を解明することを最終目標に定め、この特殊な極限環境から特異な一本鎖DNAウイルスを探索し、その分類学的特徴・多様性・特異性を明確化する。
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Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、昨年度までに既に沖縄トラフ鳩間海丘の熱水活動域に生息する化学合成独立栄養細菌Nitratiruptorから分離した一本鎖DNAウイルス2株について性状解析を行なった。電子顕微鏡観察を行ったところ、これらは繊維状の形態を有しており、大腸菌ファージM13に代表されるInoviridaeに分類されるウイルスであることが明らかとなった。これらのウイルスは約10kbの環状DNAを有しており、2株のゲノム配列は完全に一致していた。既知の一本鎖DNAウイルスとのゲノム比較を行ったところ、これらのウイルス2株はInoviridae内の既知ウイルスとは大きく異なるゲノム配列を有しており、新規な系統群に分類されることが示された。これらのウイルスは、宿主の細胞内で独立したエピソーム型として存在する一方、宿主ゲノム内への溶原化能を有しており、2ヶ所のtRNA-Met部位でそれらのゲノム挿入が確認された。現在、新たな一本鎖DNAウイルスの分離株取得に向け、他の熱水試料に加え、温泉試料からも宿主となる化学合成独立栄養細菌の分離を進めているところである。また、熱水環境における一本鎖DNAウイルスの群集構造を明らかにするため、熱水環境から採取した試料を用いて一本鎖DNAウイルスのメタゲノム解析を実施したところ、一本鎖DNAウイルスであるInoviridaeに特徴的な遺伝子配列を検出することができた。しかしながら、得られた配列のほとんどが二本鎖DNAウイルス由来であったため、今後、ライブラリー作製法を改善し、より多くの一本鎖DNAウイルスの配列情報を取得する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通り、好熱性化学合成独立栄養細菌に感染する一本鎖DNAウイルスの単離・性状解析、メタゲノム解析を進めることができており、研究が順調に進んでいると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は、一本鎖DNAウイルスの単離をさらに進めてライブラリの拡充を図る。また、一本鎖DNAウイルスの群集構造を明らかにするため、ライブラリ作製方法を改善し、深海底熱水活動域から採取した様々な試料について、一本鎖DNAのメタゲノム解析を実施する。
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