Importance of genetic introgression for bird speciation and range expansion
Project/Area Number |
22K06379
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 45030:Biodiversity and systematics-related
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Research Institution | National Museum of Nature and Science, Tokyo |
Principal Investigator |
西海 功 独立行政法人国立科学博物館, 動物研究部, 研究主幹 (90290866)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2022: ¥2,080,000 (Direct Cost: ¥1,600,000、Indirect Cost: ¥480,000)
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Keywords | 遺伝子移入 / 遺伝子交換 / 進化 / 種の多様化 / DNAバーコード / 日本列島 / 逆移入 / 適応的遺伝子浸透 / 種分化 / 分布拡大 / 遺伝子浸透 / 鳥類 / ゲノム |
Outline of Research at the Start |
「ガラパゴス化」という言葉が示すように、島での進化は世界では通用しない特殊な進化とイメージされるが、日本列島で種分化した鳥の中には強い競争力をもちユーラシア大陸に分布を広げた種も多くいることが示唆された。 他方で、現代人のゲノムには旧人類の遺伝子が一部取り込まれて残っていることが近年知られるようになり、ホモサピエンスが旧人類と種間交雑を起こした結果と考えられる。このような現象は遺伝子浸透と呼ばれる。本研究では、日本列島から大陸に分布を広げた鳥種において、遺伝子浸透が種分化の時期に起きたのか、分布拡大の時期に起きたのか、起きなかったのかを調べることで、進化における遺伝子浸透の意義を検討する。
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Outline of Annual Research Achievements |
鳥類における遺伝子浸透をテーマにしているが、2年目にあたる2023年度は調査許可の関係からブータンの代わりにミャンマーにおけるサンプル採集を初年度に続き重点的におこなった。日本の鳥の遺伝子浸透に関連する重要種であるキバラアカゲラDendrocopos darjellensisとミナミトラツグミZoothera daumaのサンプリングはできなかったが、6月と2月の2回のミャンマー調査で計97種135個体のミャンマー産鳥類のDNAサンプリングと計測、写真撮影および一部の個体の標本作製をおこなった。それらのDNAサンプルについてDNAバーコード領域の配列を読んだ。引き続いてBOLD Systemsへの登録をおこない、ミャンマーの鳥類のDNAバーコードによる種同定の有効性を検証する。 登録済みの61種のうちシリアカヒヨドリPycnonotus caferやビルマヤブチメドリArgya gularisなど4種はハプロタイプの大きな変異・分岐が種内にあることがわかり、またそのうちシリアカヒヨドリはコシジロヒヨドリPycnonotus aurigasterからの、キンパラLonchura atricapillaはギンパラLonchura malaccaからの遺伝子浸透が示唆された。 ブータンの調査許可とも関連してブータン王立自然保護協会(RSPN)とMoAを8月に締結し、絶滅危惧種のシロハラサギについてマイクロサテライトDNA多型分析を進めた。 B10Kによる日本固有種などについてのゲノム解析は現在進行中でデータの提供依頼はおこなった。マーシャル大学(米国)と台湾の環境省との共同研究でサンコウチョウの系統を分析し学会発表準備をすると共に、メジロの系統分類については論文発表した。また三宅島アカコッコ館で固有種アカコッコの分類と系統進化について関連する講演をおこなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ブータンでの調査許可が遅れていることからミャンマーでの調査を優先したが、ブータンともMoAを結ぶことができて今年度から調査できるようになった。日本の鳥の遺伝子浸透に関連する大陸産重要種のサンプリングが予定通りに進んでいないが、海外研究者とのサンプルのシェアや特にミャンマーの鳥のDNAサンプリングとバーコード登録が予定以上に進み、さらにメジロやサンコウチョウなど一部の鳥種では研究成果が出始めており、全体としては順調に進展していると評価できる。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度はブータンでの現地調査をおこなう。またB10Kからのゲノムデータを受け取り、解析をおこなって、遺伝子浸透について評価をおこなう。さらに、既存の計289の核遺伝子座のプライマーを用いて、カケスGarrulus grandariusとその近縁種の解析等をおこなう。オオアカゲラとミナミトラツグミの大陸サンプルは採取できなかった場合については剥製からのDNA抽出をおこなう。これらの結果から、鳥類の遺伝子浸透が分布拡大や種分化に影響を与えたかどうかの評価をおこなう。
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Report
(2 results)
Research Products
(23 results)