密度依存的な生活史多型と高い血縁がもたらす協力戦略の検証
Project/Area Number |
22K06388
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 45040:Ecology and environment-related
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Research Institution | Kyoto University of the Arts (2023) Shinshu University (2022) |
Principal Investigator |
中瀬 悠太 京都芸術大学, 芸術学部, 講師 (70806736)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2024: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2022: ¥2,080,000 (Direct Cost: ¥1,600,000、Indirect Cost: ¥480,000)
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Keywords | 寄生 / 血縁 / 過寄生 / ネジレバネ目 |
Outline of Research at the Start |
寄生性昆虫であるネジレバネにおいて、同じ宿主個体に寄生しているネジレバネの多くが血縁個体であることが予備的な血縁解析から明らかになった。高い血縁は局所配偶者競争のような形で密度依存的な生活史戦略に影響を及ぼすことが知られている。ネジレバネにおいても高い血縁が利他的な戦略をもたらす可能性がある。本研究ではネジレバネにおける利他的な成長戦略の可能性について次世代シーケンサーを用いた遺伝解析と形態観察によって検証を行う。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究は単寄生(1個体の宿主に1個体の寄生者が寄生する)のネジレバネという寄生性昆虫が過寄生(1個体の宿主に複数個体が寄生する)となった時の宿主内での寄生者間の相互作用に注目するものである。本研究を始めるにあたり、過寄生となったネジレバネにおいて、成虫の出現と繁殖の時期、寿命が劇的に変化することを論文として報告した。密度依存的に生活史戦略を変化させるという点でバッタやヨトウガなどで知られる相変異の定義にも当てはまる。これはネジレバネが自身の置かれた状況を認識して生活史戦略を変化させていることを示したという点で本研究の前提となる発見である。これをふまえ、本研究では過寄生によってネジレバネが生活史戦略を変化させる時、それぞれの個体は他個体との関係性の中でどのようなにふるまうのかを同一宿主内のネジレバネ間の競争(成長サイズ)の非対称性とネジレバネ個体間の血縁から明らかにする。2022年度に十分な個体数をもとにサイズと血縁度の推定値といった基礎的なデータを得た。2023年度は2022年度の調査及び解析で得られたデータについて本格的な解析を行った。血縁度推定については複数の血縁度推定の方法の中から今回得られたデータに対して最適だと考えられる方法をシミュレーションによって検討し、血縁度推定方法の見直し及び再計算を行った。また、ネジレバネの非対称な成長が起きる理由についてモデルの構築を行い、理論的な側面からの検討も行った。さらに、2023年度末に次世代シーケンサーによる解析を追加で行った。この解析結果の処理は2024年度に行う予定である。また、昆虫学会大会にて本研究課題に関する学会発表を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度は当初の計画以上の大きな進展が見られたが、2023年度は研究代表者の異動及び所属の変更が発生した。これまで使っていたサンプリング地点が遠隔地となってしまったため、新規サンプリング地点の再検討。研究環境の立ち上げなどにより、研究の進展にやや滞りが発生した。しかし、新規のサンプリング地点の選定なども順調に進み、当初の計画と比較しても順調に進展していると言える。
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Strategy for Future Research Activity |
2024年度は最終年度であり、論文発表を目指してデータの解析および取りまとめを進めていく予定である。 また、異動および研究室の学内引越しによって研究環境が変化したため、研究環境の構築に関しても取り組んでいく予定である。
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Report
(2 results)
Research Products
(5 results)