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Understanding the role of olfactory communication through brown bear marking behavior

Research Project

Project/Area Number 22K06393
Research Category

Grant-in-Aid for Scientific Research (C)

Allocation TypeMulti-year Fund
Section一般
Review Section Basic Section 45040:Ecology and environment-related
Research InstitutionRakuno Gakuen University

Principal Investigator

佐藤 喜和  酪農学園大学, 農食環境学群, 教授 (60366622)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 中谷 暢丈  酪農学園大学, 農食環境学群, 教授 (90423350)
Project Period (FY) 2022-04-01 – 2025-03-31
Project Status Granted (Fiscal Year 2023)
Budget Amount *help
¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
Keywordsカメラトラップ / ヒグマ / 嗅覚コミュニケーション / 行動の複雑さ / 地域差 / 脂腺分泌物 / 揮発性成分 / 場の修飾 / 行動生態 / 分析化学
Outline of Research at the Start

単独性でなわばりを持たず乱婚の繁殖システムを持つヒグマは,間接的かつ効果的なコミュニケーションを通じて自身の存在を他個体に伝えたり,他個体の存在を認識したりしていると考えられる。本研究は,交尾期に主にオス成獣が行うマーキング行動―背擦り・足擦り―による匂い物質を介した嗅覚コミュニケーションに注目し,匂いを残すためのマーキング行動の複雑さ(Q1),化学物質により交換される情報の内容(Q2),そして他個体に効果的に情報を届けるための場の修飾(Q3)について,自動撮影装置による野生下での行動観察,飼育下及び野生下での匂い物質呈示実験,匂い物質の化学分析により明らかにする。

Outline of Annual Research Achievements

森林内で低密度単独生活し,乱婚の繁殖システムを持つヒグマの種内社会では,交尾機会獲得のためのメスをめぐるオス間競争,メスへのアピール,性特異的子殺し回避のための子連れメスによるオス回避,劣位個体による優位個体回避などのために,嗅覚コミュニケーションを活用していると考えられる。本研究は,交尾期に主にオス成獣が行うマーキング行動―背擦りによる匂い物質を介した嗅覚コミュニケーション―に注目し,匂いを残すためのマーキング行動の複雑さ(Q1),化学物質により交換される情報の内容(Q2),そして他個体に効果的に情報を届けるための場の修飾(Q3)について,自動撮影装置による野生下での行動観察,匂い物質の化学分析により明らかにすることを目的に研究を行った。
Q1.マーキング行動の複雑さが地域間または個体間で異なる可能性とその意味を明らかにするため,ヒグマの生息密度が異なる5地域で,自動撮影装置を用いてヒグマのマーキング行動の観察を継続し,複雑さ,持続時間を比較した。行動の複雑さや持続時間は地域間で差が見られたが,生息密度の指標であるヒグマの撮影頻度が高いほど複雑で長い傾向が見られた。今後も撮影データ数を増やし,また行動解析による比較を行う必要がある。Q2.マーキングにより交換される化学物質の分析のため,野外から試料を回収し,試料中の揮発性成分の検討を行った。揮発性物質は微量であり,十分検出することはできなかった。飼育個体への背部脂腺分泌物の提示実験の結果をまとめている。個体間に匂いの違いを区別している可能性が示唆されている。Q3.効果的コミュニケーションのための場の修飾について,森林作業中に傷付けられた木への予備観察を行ったが,有力な観察結果は得られなかった。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

1.マーキング行動の複雑さの地域間比較のため,先行研究に加えて新たに2箇所で野外調査を継続した。概ね順調に行動観察できている。今後はこのデータをもとに従来データを加えて解析を進める予定である。
2.嗅覚コミュニケーションに用いられている化学物質の特定のため,野外で新鮮な背擦り痕から揮発性匂い成分の採取について、引き続き野外で新鮮な試料採取を継続する予定であるが、微量なため十分な検出が難しい可能性がある。少し方針を変更し,化学物質の分泌を促進する雄性ホルモンであるテストステロンの分泌量の季節変化と、物質を擦りつける背擦り行動の頻度や複雑さに関する季節変化との関係を検討することにした。
3.効果的嗅覚コミュニケーションのための場の修飾については,森林作業による撹乱状況がコミュニケーションの場に影響している可能性について予備的検討を始めたが、十分な成果を得ることができなかった。この点については方針を変更し、ヒグマを誘引しているモニタリング地点における,誘因地点の周囲の立木に背擦りによるマーキング行動が行われた痕跡の解析を進める予定である。以上より,計画は概ね順調に進行していると判断した。

Strategy for Future Research Activity

1.背擦り行動の観察のためのカメラトラップ設置調査を,昨年度実施した2箇所で実施する。その際,冬眠明け直後からの行動観察を目標に,融雪を待たずにカメラ設置を完了する。撮影されたデータをもとに,地域間比較,背擦りに用いられる木ごとの比較,背擦り行動を行う個体ごとの比較などを行い,行動の複雑さに違いをもたらす要因を検討する。
2.飼育下のオス成獣4頭を対象に、背部脂腺からの化学物質の分泌を促進する事が知られている雄性ホルモンであるテストステロンの分泌量の季節変化と、物質を擦りつける背擦り行動の頻度や複雑さに関する季節変化との関係を、冬眠明け直後から冬眠直前まで観察し検討する。
3.ヒグマを誘引しているモニタリング地点で誘因地点の周囲の立木を毎木調査し,背擦りによるマーキング行動が行われた木と行われなかった木の分布や特徴を明らかにする

Report

(2 results)
  • 2023 Research-status Report
  • 2022 Research-status Report
  • Research Products

    (1 results)

All 2023

All Presentation (1 results)

  • [Presentation] ヒグマの特異的な歩き方と足裏マーキングの可能性の検討2023

    • Author(s)
      村上晴花・豊島尚章・佐藤喜和
    • Organizer
      日本哺乳類学会2023年度大会
    • Related Report
      2023 Research-status Report

URL: 

Published: 2022-04-19   Modified: 2024-12-25  

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