Project/Area Number |
22K06404
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 45040:Ecology and environment-related
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Research Institution | Osaka Metropolitan University |
Principal Investigator |
粕谷 英一 大阪公立大学, 大学院理学研究科, 客員研究員 (00161050)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥1,950,000 (Direct Cost: ¥1,500,000、Indirect Cost: ¥450,000)
Fiscal Year 2024: ¥390,000 (Direct Cost: ¥300,000、Indirect Cost: ¥90,000)
Fiscal Year 2023: ¥390,000 (Direct Cost: ¥300,000、Indirect Cost: ¥90,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
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Keywords | 交互作用 / 一般化線形モデル / 説明変数 / 応答変数 / 目的変数 / 尺度水準 / 間隔尺度 / データ解析 / GLM / 複雑なデータ / 交互作用項 / 区間推定 / 検定 / 環境・生態データ |
Outline of Research at the Start |
データ解析に広く使われている一般化線形モデル(GLM)は、これまでの各種の回帰の多くや分散分析を統一したものである。GLMは、複雑なデータに有効な交互作用を扱うことが容易にできる。だが交互作用項が存在すると、多くの事例で分析最大の主眼である説明変数の係数の意味が変化して、データ解析から誤った結論を引き出してしまう危険がある。そこで、本研究では、GLMにおいて、交互作用項があっても、目的変数に説明変数が与える効果を分析する方法を整備・発展させる。
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Outline of Annual Research Achievements |
一般化線形モデル(GLM)は、生態的なデータを含めて広くデータ解析に使われている、広い意味での回帰に属する方法である。GLMなどでは、ある説明変数の効果が他の説明変数の値と独立ではなく、その影響を受ける場合には、説明変数にその説明変数と他の説明変数の間の交互作用項を含める。説明変数の1つが間隔尺度の変数である場合について、交互作用項があるときの主効果の係数等のとる値を検討した。間隔尺度の変数は量的であるがゼロは任意の点であり、いわゆる真の意味のゼロではない。この点で比率尺度(比尺度)の変数とは異なっている。間隔尺度の説明変数のゼロの位置の取り方を変えることにより、その間隔尺度の説明変数自体および交互作用項の係数の値は変化しなかったが、交互作用項を介して関係を持つ他の説明変数の値は変化した。間隔尺度の説明変数のゼロの位置を変えることにより、影響を受ける他の説明変数の係数の値の符号を変えることさえでき、正にも負にもすることが可能であった。交互作用項を含みうるモデルがどれだけデータへ適合するかに基づいて、交互作用項を含めた説明変数を決めて、適合の良いモデルを使い主効果の係数を自動的に評価するならば、説明変数に間隔尺度の変数が含まれる場合にも、主効果を誤って評価する可能性が大きいことが示唆された。 少なくとも1つの説明変数が間隔尺度であり、その説明変数が関係した交互作用項が存在するときには、主効果の係数についての推論は、説明変数の1つあるいは少数の点での検討に基づくのでは誤りを犯す可能性が大きく、分析者が設定する問題の内容に依存するものの、他の説明変数の多くの値においての検討に基づくことが必要と考えられた。日本生態学会大会(2024年3月開催)における講演にて研究内容の発表を行なった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
おおむね順調に進行しており、交互作用項が存在する場合には説明変数の尺度水準に充分な注意を払う必要があり、回帰に属する多くの分析において比率尺度と間隔尺度の区別があまり重要な影響を持たないのと対照的であることが示された。この点は計画当初に想定していたよりも現実のデータ解析の場面において重要である可能性が高く、追加しての分析が必要と思われる。
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Strategy for Future Research Activity |
説明変数の中に実は間隔尺度であるのに認識されないケースが現実のデータ解析では充分にありうるため、この点について、数値計算では裏付けられている結果を解析的にも明らかにするなど追加しての分析を行う。また、交互作用項でない説明変数の高次の項(特に2次)が含まれる場合も、生態的データにおける暦日や気温など多く見られるため、検討が必要と思われる。現有設備でのコンピューターの計算力が不足する場合には、コンピューターの台数を増やして計算力を増強する。 最終年度であるため、研究の取りまとめに多くのエフォートを注力する。
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