Project/Area Number |
22K06417
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 45060:Applied anthropology-related
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
下村 義弘 千葉大学, デザイン・リサーチ・インスティテュート, 教授 (60323432)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2024: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2022: ¥2,210,000 (Direct Cost: ¥1,700,000、Indirect Cost: ¥510,000)
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Keywords | 筋音図 / 筋活動 / 筋疲労 / 熟練 / 多点計測 / 可視化 / センサ / 発光 / モーションアーチファクト / マイクロフォン |
Outline of Research at the Start |
本研究は、着て見る身体運動測定システム、通称“vMMG”(visual mechanomyography)を構築します。vMMGには以下の特徴があり、人間の筋活動を色情報として、皮膚上で可視化します。①誰でも使えるウェアラブル機器です。②身体表面で、皮下の筋活動の強さをそのまま色(弱:緑→強:赤)で表示します。全身に着れば全身の筋活動を観察できます。③さらに観察するだけでなく、撮影した画像から、筋活動量を数値に変換することが可能です。 vMMGの装置を実証製作し、応用可能性を示すことで、波形解析が長い間定着してきた筋活動測定方法の現状を、パラダイムシフトします。
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Outline of Annual Research Achievements |
2年度は大きく分けて二つの成果が得られた。実働可能なハードウェアの製作を行い、多点計測の一括処理の方法としてエントロピーの有効性を示したことである。ハードウェアの評価実験では、8~24 Hzで十分な線形性が認められた。上腕二頭筋の実測ではすべての被験者において、6 Hzに第一ピーク、10 Hzと20 Hzの間に第2ピークがある筋音図に特徴的な二峰性のスペクトルを観測し、本デバイスが問題なく機能した。基板にはフルカラーLEDとマイコンを搭載し、筋音図の平滑化振幅に従って発光色を変化させた。 多点計測の一括処理の方法としては、筋音図システムが開発途上であるため、実績のある筋電図を用いて方法論の構築を急いだ。一つ目の検討では、利き手で握力を発生し続ける作業を行った。前腕に格子状に配置した9チャンネルの筋電図の二乗平均平方根と情報エントロピーを算出した。時間の経過とともに有意にエントロピーが増加し筋疲労を反映している可能性が認められた。筋活動の分布のトポグラフ画像は皮下の筋活動の観察をオフラインで可能にし、vMMGの直感的利用性をよく示唆した。二つ目の検討では、和太鼓の「地打ち」を課題として未経験者と熟練者の筋活動を比較した。36チャンネルの多点筋電図のトポグラフ画像を作成し、情報エントロピーの時系列波形を得た。熟練者の筋活動は活動と休止が明瞭で、エントロピーは低値を示した。未経験者では不規則性が高く、エントロピーが熟練者より高かった。以上より、多点計測の筋活動に対して、情報エントロピーが疲労と熟練度の指標となる可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ほぼ計画通りに進んでおり、ハードウェアとソフトウェアの両面から成果を出せている。最終年度に向けての課題を整理できたため、おおむね順調と判断した。ただし当初計画を上回る進捗となっているわけではないため、引き続き十分なエフォートをもって研究を進める。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究に残された課題として、複数デバイスの同時使用の実現と、LED発光のデコーディング技術の開発、リアルタイムでのエントロピーの算出、が挙げられる。複数のデバイスを皮膚上に配置すると、ハウジングケースの互いの衝突による衝撃音がMMGに混入してしまう。また、画像として撮影した場合に、近接したデバイスの発光色がグレア様のアーチファクトとして混入する可能性がある。さらに、周辺環境の色温度によって画像上の色解析が影響を受けるため、色基準がデバイス上に必要となる。これらから、同時使用を実現するために、①デバイスのサイズおよびハウジングと装着方法の最適化、②発光強度と拡散版の最適化、③デバイス上に白色部の適切な追加、を行う。LED発光のデコーディングでは、マシンビジョン技術を用いて、④デバイスの位置の同定、⑤スペクトルの検出と処理、を行う。リアルタイムでのエントロピーの算出においては、⑥既公表の計算式を用いて⑤をもとに実装を行う。今後は上記①から⑥を同時並行して進める。
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