Project/Area Number |
22K06443
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 46010:Neuroscience-general-related
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
内田 仁司 新潟大学, 脳研究所, 助教 (30549621)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
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Keywords | マクロファージ / 髄膜 / 組織透明化 / 3Dイメージング |
Outline of Research at the Start |
最近の国内外の研究から、脳を覆う軟髄膜(くも膜と軟膜)に存在する免疫細胞(マクロファージ)は、脳の恒常性(正常な機能を維持する仕組み)や疾患(多発性硬化症や片頭痛など)に関係することが示唆されているが、その役割は十分に明らかにされていない。そこで、軟髄膜内のマクロファージを選択的に機能抑制あるいは除去可能な研究ツールを開発・駆使して、脳の恒常性と疾患における本細胞の役割を解明する。
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Outline of Annual Research Achievements |
最近の国内外の研究から、脳を覆う軟髄膜(くも膜と軟膜)に常在する免疫細胞(マクロファージ)は、脳の恒常性や疾患に関係することが示唆されているが、その役割は十分に明らかにされていない。本研究の目的は、新たな組織透明化手法を開発するとともに、3次元イメージングと3次元組織染色法を駆使して、軟髄膜マクロファージの空間分布を特徴付けるとともに、本細胞のマーカー分子の同定を通じて、機能操作ツールを確立し、その役割を明らかにすることである。本研究は、軟髄膜の免疫学的バリア機構とその破綻による疾患の理解に繋がることが期待されるために、極めて意義深いものである。 2023年度では、研究実施計画に基づき、前年度に引き続き、新たに開発した「蛍光とRNAを保持可能な組織透明化手法」の検証実験を行うとともに、その原理となる基礎的知見を得るための解析を進めた。また、これまでの解析では頭蓋骨から取り出した脳組織を評価していたが、この手法では髄膜構造が壊れてしまう問題点があった。この点を克服するために、化合物スクリーニングを通じて、頭蓋骨透明化技術を新たに開発し、その検証実験を進めた。その成果は、現在論文投稿中である。上記の実験に加えて、全脳レベルでRNAをイメージングできる蛍光in situハイブリダイゼーション法(mFISH3D法, Murakami TC and Heintz N, bioRxiv 2022, doi: https://doi.org/10.1101/2022.11.23.517711)を導入することにも成功した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の目的は、新たな研究ツールを開発し、これまで明らかにされていなかった軟髄膜マクロファージの生理学的・病態生理学的役割を明らかにすることである。2023年度では、研究実施計画の通りに、研究初年度に開発した「蛍光とRNAを保持可能な組織透明化手法」の検証実験の実施に加えて、頭蓋骨透明化技術の開発に成功した。また、mFISH3D法の導入にも成功し、全脳レベルでRNAおよびタンパク質を可視化できるツールが整った。2023年度の研究を通じて、髄膜構造が保たれた状態での空間分布解析が可能になり、今後の解析に繋がる成果が得られたために、おおむね順調に進展していると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
2023年度までに新規開発した「蛍光とRNAを保持可能な組織透明化手法」と「頭蓋骨透明化技術」を駆使して、髄膜構造が保たれた状態で、発達期や疾患モデルにおける軟髄膜マクロファージの空間分布の変化を明らかにする。加えて、軟髄膜マクロファージのマーカー分子の同定を通じて、新たな機能操作ツールの確立を試みることを計画している。
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