抗てんかん作用の発揮を目指したLGI1-ADAM22複合体の形成制御機構の解明
Project/Area Number |
22K06451
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 46010:Neuroscience-general-related
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Research Institution | National Institute for Physiological Sciences |
Principal Investigator |
横井 紀彦 生理学研究所, 分子細胞生理研究領域, 助教(兼任) (50710969)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
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Keywords | てんかん / タンパク質複合体 / タンパク質翻訳後修飾 / シナプス / PSD-95 / 蛋白質複合体 / リン酸化 / ADAM22 / LGI1 |
Outline of Research at the Start |
30%近くのてんかんは難治性のてんかんと言われており、新たな治療戦略の創出が求められている。そのためには脳の異常興奮がどのように抑制されているのかを解明することが重要になる。我々は神経分泌蛋白質LGI1と膜蛋白質ADAM22の複合体の量が脳の異常興奮の抑制の鍵であることを見出してきた。本研究では、LGI1-ADAM22複合体形成を制御する分子機構を見出し、そして、それら分子機構を利用してLGI1-ADAM22複合体の量を増やすことで、てんかん治療効果に繋げることを目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
てんかんをはじめとする脳神経疾患の原因の一つとして、脳の異常興奮が考えられており、治療法の開発にはその異常興奮が抑制される分子機構を解明することが重要になる。我々は、てんかん原因遺伝子産物である神経分泌蛋白質LGI1と膜蛋白質ADAM22がシナプスにおいて複合体を形成すること、それらの変異による複合体の減少がてんかんを誘引することを報告し、さらに、LGI1-ADAM22複合体形成を制御する分子機構としてADAM22の細胞質領域への14-3-3の結合が重要であることを明らかにしてきた(Yokoi et al. Cell Rep. 2021)。本研究では、LGI1-ADAM22複合体の量が脳の異常興奮の抑制の鍵と着想し、複合体の形成を制御する分子機構を明らかにすることで、新たなてんかん治療戦略に繋げることを目指す。2023年度では、LGI1-ADAM22複合体のシナプスにおける足場タンパク質であるPSD-95に着目し、PSD-95のシナプス輸送に必須であるパルミトイル化の制御機構の解明を進めた。パルミトイル化を担うZDHHCパルミトイル脂質転移酵素は24種類あり、生理的条件下でPSD-95のパルミトイル化を担う酵素の同定は不十分であった。我々はゲノム編集法を用いて、培養神経細胞でZDHHC酵素を欠損させた際のPSD-95のパルミトイル化レベルを解析することで、PSD-95のパルミトイル化を制御するZDHHC酵素群の組み合わせを見出した。また、以前に我々はLGI1変異によって、LGI1の分泌量が低下するほど、てんかんの発症率が上昇することを見出した(Yokoi et al. Nat. Med. 2015)。このことからLGI1の分泌量の増加がてんかん治療に繋がることが期待され、我々は培養細胞系を用いたLGI1の分泌量の定量的解析法の開発を進めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究では、LGI1-ADAM22複合体のシナプスにおける足場蛋白質であるPSD-95のパルミトイル化の制御に関わる酵素群の同定を進めた。我々が見出した酵素グループは脳機能の分子制御機構に重要と考えられ、今後の研究の足がかりとなった。また、本年度、開発したLGI1の分泌量の定量的解析法は、LGI1の分泌量の増加がてんかん治療に繋がることが期待されるため、今後のてんかん研究に対して、重要な研究ツールとなり得る。
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Strategy for Future Research Activity |
新たに見出したパルミトイル化酵素グループの生理機能を明らかにするために、遺伝子改変マウスを作製し、生化学的、組織化学的、細胞生物学的手法などを駆使して、PSD-95のシナプス輸送、そして、LGI1-ADAM22複合体のシナプス固定の制御機構を明らかにする。また、2023年度に開発したLGI1の分泌量の定量的解析法を用いて、LGI1の分泌量を増加させる小分子の探索を開始する。
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Report
(2 results)
Research Products
(5 results)
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[Presentation] 14-3-3 proteins stabilize LGI1-ADAM22 levels to prevent epilepsy in mice2022
Author(s)
Yokoi N, Fukata Y, Okatsu K, Yamagata A, Liu Y, Sanbo M, Miyazaki Y, Goto T, Hirabayashi M, Fukai S, Fukata M
Organizer
The 45th annual meeting of the Japan Neuroscience Society
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Int'l Joint Research