Project/Area Number |
22K06503
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 47010:Pharmaceutical chemistry and drug development sciences-related
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
阿部 匠 岡山大学, 医歯薬学域, 講師 (80453273)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
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Keywords | 極性転換 / インドール / アジド基 / メトキシ基 / 芳香族求核置換反応 / C 3-N1`ビスインドール / アルミニウム錯体 / Grignard試薬 / C3-N1ビスインンドール / 極性転換スイッチ / 複素環 / ヨウ素 / LED |
Outline of Research at the Start |
「求核剤を求電子剤にする研究」は少なく、特に電子豊富な複素環の極性転換はあまり知られていない。複素環の特定の位置での極性転換を行うことはさらに難しく、全くの手付かずの研究分野である。本研究は位置選択的極性転換のテーラーメイド合成への適用を可能にすべく、アルコキシ基をインドールの極性転換スイッチとする新分子の創出と新たな反応様式の開拓を目的とする。それにより、位置選択的イプソ置換反応を基盤とした複素環分子のテーラメイド合成の手法を提示し、有機合成手法の革新と多様な化合物合成の効率化を目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
「求核剤を求電子剤にする研究」は少なく、特に電子豊富な複素環の極性転換はあまり知られていない。複素環の特定の位置での極性転換を行うことはさらに難しく、全くの手付かずの研究分野である。本研究は位置選択的極性転換のテーラーメイド合成への適用を可能にすべく、アルコキシ基をはじめとする各種置換基を極性転換スイッチとする「新分子の創出と新たな反応様式の開拓」を目的とする。それにより、「位置選択的イプソ置換反応を基盤とした複素環分子のテーラメイド合成の手法」を提示し、有機合成手法の革新と多様な化合物合成の効率化を目指す。前年度までに得られた知見を以下に示す。
1)極性転換スイッチの探索の過程において、メトキシ基に加えてアジド基が利用可能であることが判明した。アジド基を有する極性転換型インドール試薬の反応性の検討を行い、Grignard試薬との反応において骨格の作り分けができることを見出した。本反応により、極性転換型インドール試薬からジクロフェナク誘導体の合成を行なった。
2) 1位メトキシ基のスイッチに関して、C3-N1ビスインドールの直接的な合成法はこれまで報告されておらず、アドバンテージを有する手法であると考えている。本年は、C3-N1ビスインドール型アルカロイドrivurialin Aの合成に本手法を適用したが、4位置換基の許容性が低いことが判明し、天然物合成への適用は困難であることが分かった。この過程おいて、立体障害のある4,5位に臭素原子を持つrivurialin Aの提唱構造に疑問を持ったため、別法での合成による構造決定を優先して行なった。極性転換型インドール試薬を用いて、rivurialin Aの初全合成を達成した。今年度は、1位メトキシ基のスイッチを用いてC3-N1ビスインドール型アルカロイドの合成を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
1) アジド基を極性転換スイッチとする手法に関して、単なるスイッチとしての利用にとどまらず新知見を得ることができた。すなわち、ヘミアミナール、アジド、Grignard試薬の反応性をうまく調整することによる独特な骨格の作り分けに適用できた。 2) メトキシ基のスイッチに関して、インドールアルカロイドの骨格など複雑な構造への適用に制限があることが判明した。 その後、代替法としてインドリンで導入後に芳香族化によって形式的にC3-N1ビスインドール骨格を構築できるメソドロジーを開発でき、検討は予想以上に進展している。実際、C3-N1ビスインドールアルカロイド(±)-rivularin Aの初全合成を達成でた。
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Strategy for Future Research Activity |
1) アジド基を極性転換スイッチとする手法に関して、ヘミアミナール、アジド、Grignard試薬の反応性を利活用した独特な骨格の作り分けに適用できた。反応条件精査に関しては不十分であるので、金属錯体との併用による新しい分子編集を展開したい。 2) メトキシ基のスイッチに関して、引き続きインドールアルカロイド合成へ応用する。同時に、反応性の問題を克服するのためには、金属錯体と分子設計のチューニングが必要であると考えている。アルコキシ基の電子的、立体的チューニングを鋭意検討して、反応性の向上を図る。
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