Project/Area Number |
22K06508
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 47010:Pharmaceutical chemistry and drug development sciences-related
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
福原 潔 昭和大学, 薬学部, 教授 (70189968)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
水野 美麗 昭和大学, 薬学部, 講師 (60766195)
大野 彰子 国立医薬品食品衛生研究所, 安全性予測評価部, 主任研究官 (70356236)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
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Keywords | アミロイドβ / 凝集阻害活性 / 神経細胞毒性 / ペプチド / セクレターゼ / アルツハイマー病 / 凝集阻害 / α-セクレターゼ |
Outline of Research at the Start |
本研究では、アルツハイマー病の根本的治療薬として、アミロイドβ(Aβ)に対して切断活性を有する化合物を開発する。Aβの部分配列ペプチドは、Aβに対して高い親和性と特異性を有している。そこで、Aβの部分配列をAβに対する認識ユニットのリードとし、誘導化によってさらに親和性を高めた後、プロテアーゼ活性を有する切断ユニットを導入した化合物の設計・合成を行う。本化合物はAβを特異的に認識して切断することで凝集反応を停止させ、より強力に神経細胞毒性を抑制することが可能となる。
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Outline of Annual Research Achievements |
アルツハイマー病ではアミロイドβ(Aβ)が凝集して生成するオリゴマーが神経細胞死や脳の萎縮を引き起こす。α-セクレターゼはアミロイド前駆体蛋白質のAβドメイン内を切断する。本研究ではAβに対してα-セクレターゼ様活性を有することで、Aβを特異的に切断してAβの凝集を引き金とする神経毒性を根本的に抑える化合物を開発する。本化合物はAβ認識ユニットと切断ユニットから構成される。昨年度はAβ凝集阻害活性が報告されているAβの16 - 20番目の部分配列Lys-Leu-Val-Phe-Phe(KLVFF)のPheをカテコール構造を有するドーパ(Dp)に置換したペプチド(KLVDpF, KLVDpDp)を合成した。本ペプチドはAβに対して高い親和性を示して、Aβの凝集による神経細胞毒性を強力に抑制することから優れたAβ認識ユニットとして有用であることが明らかとなった。今年度は、プロテアーゼ活性が報告されているFe-EDTAおよびFe-DTPAについて、Aβのペプチド結合に対する切断活性を有することを目的として、Aβの16 - 20番目の部分配列KLVFFにFe-EDTAおよびFe-DTPAを適度なspacerを介して結合させた化合物の合成を検討した。Fmoc法による固相法によってKLVFFを合成後、spacerとしてglycineを4〜8個結合させた。脱Fmoc後、EDTAおよびDTPAとの反応は、HOBtやHATU等の縮合剤では進行しなかったが、DMT-MMを用いると容易に進行した。その後、脱樹脂を行い、HPLCで精製して目的とするペプチドを合成することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究ではAβに対してα-セクレターゼ様活性を有することで、Aβを特異的に切断してAβの凝集を引き金とする神経毒性を根本的に抑える化合物を開発する。本化合物はAβ認識ユニットと切断ユニットから構成される。Aβは分子間でβシート構造を形成することに着目し、Aβの16 - 20番目の部分配列Lys-Leu-Val-Phe-Phe(KLVFF)をAβの認識ユニットとして利用する。昨年度はAβ認識ユニットのAβへの親和性の増強を目的としてKLVFFのFをカテコール構造を有するドーパ(Dp)に置換したペプチド(KLVDpF, KLVDpDp)を合成した。Fe-EDTAおよびFe-DTPA はH2O2存在下、活性酸素を発生してペプチド結合を切断することが報告されている。そこで、今年度はこれらがAβ切断ユニットとして有用であることを明らかにすることを目的として、KLVFFに適度なspacerを介してFe-EDTAおよびFe-DTPAを結合させた化合物を合成した。固相法によってペプチド部分を合成後、EDTAおよびDTPAとの結合を検討したところ、通常の縮合剤では反応は進行しなかったが、DMT-MMを縮合剤として用いると、容易に反応が進行し、その後、脱樹脂とHPLCによる精製を行うことで目的とする化合物を合成することができた。以上、Aβ認識ユニットとしての候補ペプチドの合成、およびAβ認識ユニットと切断ユニットとの縮合反応が終了できたことから、αセクレターゼ様活性を有するペプチドの開発は予定通り進行している。
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Strategy for Future Research Activity |
今後はAβに対して高い結合親和性を有するペプチド(KLVDpF, KLVDpDp )にプロテアーゼ阻害活性を有するFe-EDTAやFe-DTPAを結合させた化合物を適度なスペーサを介して結合させた化合物を合成する。今年度合成した化合物とともにAβに対する切断活性を明らかにする。また、神経細胞SHSY-5Yを用いてAβによる神経毒性に対する抑制効果を明らかにする。
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