Project/Area Number |
22K06516
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 47010:Pharmaceutical chemistry and drug development sciences-related
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
松本 健司 鹿児島大学, 理工学域工学系, 教授 (20531817)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,030,000 (Direct Cost: ¥3,100,000、Indirect Cost: ¥930,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,950,000 (Direct Cost: ¥1,500,000、Indirect Cost: ¥450,000)
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Keywords | 不均一系触媒 / 酸素酸化反応 / 酸化反応 / 脱水素酸化 / 酸化的環化 / スピロ / 環状アミン / ジピロロキノリン / 白金 / アミン / 酸化カップリング |
Outline of Research at the Start |
原子効率が高く廃棄物をださない環境調和適合型分子変換法の開発が社会的に求められている。申請者は、独自に見出した不均一系触媒の酸素酸化触媒特性を活用し、環境にやさしいビアリール合成法の実現を目指して研究に取り組んできた。これまでに芳香族アミン類の触媒的酸化カップリング反応を開発し、含窒素ビアリール類の簡便合成に成功した。本研究では、これら成果を実践的合成法に展開するため、不均一系酸素酸化触媒によるアミンα位C-H結合の位置選択的酸化反応およびタンデム型酸化カップリング反応の開発に挑戦する。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題では、我々独自の不均一系酸素酸化触媒反応を基盤にしてアミン類の酸化的分子変換法の開発に取り組んでいる。昨年は、アミンα位sp3炭素-水素結合の位置選択的酸化反応を開発した。酸素雰囲気下で不均一系白金触媒をN-芳香族ピロリジンに作用させると、酸化的環化二量化反応が進行し、四環性骨格を有するジピロロキノリン誘導体を高収率で与えることを見出した。さらにジピロロキノリン型アルカロイドの合成に適応できることを明らかにした。今年度は、引き続きアミン類の酸化的環化反応の開発に取り組んだ。まず、以前開発した分子内カップリングによる多置換カルバゾール合成法に関して、その基質適応範囲の拡張について検討した。しかし、ベンゼン環上の置換基を変更すると、カルバゾールは全く確認できなかった。その後も置換基効果を検討した結果、3,4-置換体を不均一系触媒反応に付すと、温和な条件下でカスケード型酸化的環化反応が速やかに進行し、スピロ化合物が高収率で得られることを見出した。そこで不均一系ロジウム触媒、不均一系パラジウム触媒、不均一系ルテニウム触媒など反応条件を検討した結果、ロジウム炭素触媒を用いるとスピロ化合物を高収率で得られることが分かった。反応をスケールアップして検討しても反応スケールに関係なく円滑に進行することが分かった。さらに触媒の回収再利用も可能であることが分かった。しかし収率低下など触媒活性の低下が観測されており、引き続き精査する必要がある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度は、上述の通り、当初計画したアミン類の酸化的環化二量化反応に関する研究を実施するなかで新規なスピロ環骨格構築法を見出すことができた。本反応の条件最適化は完了し基質検討も進行中であるなど、概ね順調に進展していると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後も引き続きアミン類の酸化的分子変換法の開発に取り組む。具体的には、上述の酸化的環化反応の一般性および反応機構に関する知見を取得すべく検討する。[4+3]型環化付加反応による環状アミン骨格構築法の開発を検討する。また、脱水素カップリング反応を起点とするカスケード型酸化的環化反応など、新たな環状アミン合成法の開発に取り組む。これまでの研究で見出した知見を活用して反応基質を精密に分子設計し、従来法では合成の難しい環状アミン類を合成する新たな手法の開発に取り組む。
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