Project/Area Number |
22K06530
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 47010:Pharmaceutical chemistry and drug development sciences-related
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Research Institution | Gifu Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
多田 教浩 岐阜薬科大学, 薬学部, 講師 (20468234)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 彰近 岐阜薬科大学, 薬学部, 教授 (10203126)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
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Keywords | 超原子価ヨウ素 / アミノ酸 / ペプチド / イナミド / ジイン / アルキン |
Outline of Research at the Start |
日本に豊富に存在する資源であるヨウ素の特徴を生かした有機合成手法の開発を行う。すなわち、新規アルキニル超原子価ヨウ素化合物を用いるアルキニル化反応の開発により、これまで合成が困難であったアルキン類を合成し、これらを用いる新規合成手法の開発と新規物質群の創出を目的とし、1) アミノ酸由来イナミドを用いるキラル複素環合成法、2) ジイナミドを用いるイナミド合成法と新規ラベル化法、3) イナミドダイマーを用いる含窒素化合物合成法、4) 複数の高反応性活性種を精密制御する環式化合物合成法、5) 複素環置換アルキンを用いる高次元化合成法、の開発を行う。
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Outline of Annual Research Achievements |
従来の有機合成反応では到達困難な新規ケミカルスペースの開拓は、医薬品、農薬、機能性材料などの開発に必須の課題である。また近年、抗体-薬物複合体などの医薬品開発やケミカルバイオロジーの隆盛により、生体関連物質や機能性分子をつなぎ合わせる技術の開発が急務である。我々はこれまでに、日本が誇る資源であるヨウ素の有効活用と高付加価値化を念頭に、高反応性超原子価ヨウ素化合物であるアルキニルベンズヨードキソロンの開発を行なっている。そこで本研究では、新規超原子価ヨウ素化合物の創製を基盤とするアルキニル化反応の開発により合成可能となった、未踏アルキン類を用いる新規合成手法の開発と新規物質群の創出を目的として検討を行い、以下の結果を得た。1) アミノ酸から誘導したスルホンアミドおよびアジドスルホンアミドを用い、求電子的エチニル化と触媒的アジド-アルキン付加環化反応を繰り返し行うことで、アミノ酸が4-および5-アミノトリアゾールで連結したアミノトリアゾラマーの合成に成功し、環状アミノトリアゾラマーの結晶状態での構造を明らかにした。2) チオールのジイニル超原子価ヨウ素化合物によるジイニル化反応が非常に温和な条件で進行することを見出した。3) 分子内にアジドを有するイナミドの合成を検討し、銅触媒条件でアジドイナミドを比較的良好な収率で合成可能なリガンドを見出しつつある。4) アミノ酸から誘導したスルホンアミドのジイニル超原子価ヨウ素化合物を用いる銅触媒的ジイニル化反応、イナミド選択的アジド-アルキン付加環化反応、脱保護反応、末端アルキンでのアジド-アルキン付加環化反応により、トリペプチド類縁体として、アミノ酸がアミノ基部位で連結したアミノビトリアゾールの合成法を確立した。5) インドールの金触媒的C-Hジイニル化およびインドール置換アルキン選択的アジド-アルキン付加環化反応の開発に成功した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は、申請書に記載した計画に留まらず、本研究を順調に進展させることができた。具体的には、1) アミノ酸から誘導したイナミドの銅触媒もしくはルテニウム触媒的アジド-アルキン付加環化反応の反応条件を検討し、良好な収率で4-および5-アミノトリアゾールを合成することに成功した。また、これらの化合物のN-トルエンスルホンアミド部位での銅触媒的エチニル化反応に有効なリガンドを見出すことに成功した。これらの反応を組み合わせることで、4-および5-アミノトリアゾールで連結したアミノトリアゾラマーの合成に成功し、環状アミノトリアゾラマーの結晶状態での高次構造をX線結晶構造解析により明らかにした。2) 4-ブロモベンゼンチオールのジイニル超原子価ヨウ素化合物を用いるジイニル化を検討し、何も添加せず室温でただ混ぜるだけでジイニル化反応が進行することを見出した。3) 分子内にアジドを有するイナミドの合成を検討し、銅触媒条件でアジドイナミドを合成可能なリガンドを見出しつつある。また、合成したアジドイナミドを用いるアジド-アルキン付加環化反応の反応条件を検討し、反応が進行する反応条件を見出した。4) アミノ酸から誘導した4-ニトロベンゼンスルホンアミドのジイニル超原子価ヨウ素化合物を用いる銅触媒的ジイニル化反応に有効なリガンドを見出した。合成したジイナミド対し、化学および位置選択的アジドーアルキン付加環化反応を連続して行うことで、トリペプチド類縁体としてのアミノビトリアゾール類の合成に成功した。また、ジイニル超原子価ヨウ素化合物を、機能性分子集積のためのプラットフォームと位置付けることができた。5) インドールの金触媒的C-Hジイニル化およびインドール置換したアルキン選択的アジド-アルキン付加環化反応の開発に成功し、非天然型インドール誘導体の合成に成功した。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究の推進方策については、主に交付申請書に記載した令和5年度以降の研究計画に従うが、一部研究計画を変更する。1) アミノトリアゾラマーが魅力的な高次構造を有することが明らかになったため、様々な置換基を有するアミノトリアゾラマーの合成を行う。また、全てアミノトリアゾールで連結された環状アミノトリアゾラマーの合成を行う。さらに、合成したアミノトリアゾラマーの生物活性の解明を行う。2) チオールのジイニル化が極めて温和な条件で進行することを見出したため、基質適用範囲や反応機構の解明とともに、チオールの多重官能基化反応を確立する。3) 分子内にアジドを有するイナミドの合成法を確立する。また、合成したアジドイナミドを用いるアジド-アルキン付加環化反応の反応条件を確立し、生物活性分子のアミノトリアゾラマー類縁体を合成する。4) アミノ酸から誘導したジイナミド類に位置選択的に連続してクリック反応を行うことにより、C-N軸不斉を有する化合物として、アミノビトリアゾール合成法確立できたため、非天然型の核酸や糖鎖などの合成や、合成した化合物の生物活性の解明を行う。5) 金触媒を用いるインドールのC-Hジイニル化反応と、化学および位置選択的アジド-アルキン付加環化反応が進行し、様々な非天然型インドール誘導体の合成が可能となった。これらの合成法を用いることで、多環式インドール類の合成を行う。また、様々な複素環のC-Hジイニル化反応を検討する。
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Report
(2 results)
Research Products
(17 results)