Project/Area Number |
22K06576
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 47030:Pharmaceutical hygiene and biochemistry-related
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
内田 雅士 千葉大学, 大学院薬学研究院, 助教 (90824574)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
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Keywords | 血管平滑筋細胞 / 翻訳開始因子 / 血管平滑筋 / 動脈硬化 |
Outline of Research at the Start |
血管平滑筋細胞(SMC)の収縮型から増殖型へのフェノタイプ調節とそれに伴う増殖亢進は動脈硬化病巣形成に深く寄与している。フェノタイプ調節に伴いSMCが速やかかつ可逆的に蛋白合成能を変化させるメカニズムは不明である。本研究は蛋白合成開始段階で必要な翻訳開始因子(eIF)4B、4Gの発現調節機構を解明し、それがフェノタイプ調節に伴う増殖亢進に寄与するか明らかとする。本研究によりこれまで転写レベルが主体とされてきたSMCのフェノタイプ調節への翻訳レベルの寄与の解明が期待される。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、独自の血管平滑筋細胞(SMC)の3次元培養系を活用し、「eIF4B、4Gの発現制御がSMCのフェノタイプ調節に伴う増殖亢進に寄与するか」を明らかとすることを目的とする。本研究で用いるヒトSMCは初代培養細胞であるためロットによってタンパク発現量等にばらつきがある。そこで今年度はまず複数ロットのヒトSMCを用いてeIF4Bと4Gのプレート、ハニカム3次元培養におけるmRNA、タンパク発現を確認した。その結果、プレート培養と比較してハニカム培養でタンパクレベルの減少が顕著であること、一方でmRNA減少は比較的緩やかであることを確認した。よってこれらの現象がロットによらず共通の現象である可能性が高いことを確認できた。 次にプレート培養ヒトSMCにおいて、eIF4B、4Gの各々のノックダウン、およびダブルノックダウンを行い、増殖への寄与を解析した。その結果、各ノックダウン群で増殖抑制の傾向があることを見出した。また、本研究ではeIF4B、4Gの一過性過剰発現や、eIF4B、4GのmRNA 5’-非翻訳領域とGFPのキメラ遺伝子をプラスミドを用いてヒトSMCに導入する予定である。そこでまずプレート培養によるプラスミド導入条件の検討を行った。その結果、トランスフェクションの効率が不十分である可能性が示された。さらにプレート、ハニカム培養におけるリボソームのモノソーム、ポリソームの分布を確認した。その結果、ハニカム培養ではプレート培養よりモノソームがやや多く翻訳が抑制傾向にあることが示された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
複数ロットのヒトSMCを用いてプレート培養、ハニカム培養におけるeIF4B、4Gのタンパク、mRNA量の変化がロットによらず共通の現象である可能性が高いことを確認できた。また、プレート培養におけるeIF4B、4Gの増殖への寄与の可能性を示した。ただし単一ロットの結果であるため複数ロットでの再現性の確認が必要であると考える。また、プレート、ハニカム培養におけるリボソームのモノソーム、ポリソームの分布の確認もできた。 一方で、プラスミドの導入効率が不十分である点は初代培養細胞を用いているため予想の範囲内である。これに関しては今後、条件の最適化が必要であると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
プラスミドの導入効率を上昇させる条件を最適化したうえでハニカム培養ヒトSMCにeIF4B、4Gを過剰発現し、蛋白合成、増殖の変化を解析する。また、eIF4B、4GのmRNA 5’-非翻訳領域とGFPのキメラ遺伝子をハニカム、プレート培養ヒトSMCに導入し、GFP蛋白発現を比較する。これによりeIF4B、4Gの発現調節が翻訳レベルで行われているか明らかにする。またeIF4B、4Gをノックダウンしたプレート培養SMCに対し同じ実験を行い、eIF4B、4Gの発現が自身の翻訳効率に影響するか検討する。さらに、プレート、ハニカム培養したSMCのポリソーム画分に局在するmRNAのアレイ解析を行い、eIF4Bや4Gの発現の違いにより翻訳が促進される特異的な増殖関連分子を探索する。
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