がん細胞の浸潤転移を制御するダイナミンクロスブリッジ機構の解析
Project/Area Number |
22K06580
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 47030:Pharmaceutical hygiene and biochemistry-related
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
阿部 匡史 岡山大学, 医学部, 技術専門員 (60423282)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山田 浩司 岡山大学, 医歯薬学域, 准教授 (80325092)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,030,000 (Direct Cost: ¥3,100,000、Indirect Cost: ¥930,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
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Keywords | ダイナミン / アクチン / がん / 微小管 / 仮足 / 浸潤 / 走化 |
Outline of Research at the Start |
がん細胞は原発巣から移動し浸潤して他組織に転移する。がん細胞は、これら過程に必須な仮足を形成する。がん細胞の仮足の形成過程を理解し制御することは、病巣の拡大を防ぐがん治療法の開発に極めて重要と考えられる。我々は、がん細胞の仮足形成にアクチン及び微小管の再構成機構を見出した。ダイナミンは、細胞膜とアクチン、微小管と協奏的に結合し、仮足形成に寄与すると考えられる。本研究は、がん細胞の仮足形成過程におけるダイナミン-細胞膜-細胞骨格複合体の分子基盤を明らかにし、浸潤転移機構の全貌を明らかにする。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、がん細胞における仮足形成に必須であるアクチン及び微小管の再構成機構(ダイナミンクロスブリッジ)を明らかにする。本年度は、in vitro解析法を駆使してダイナミン2野生型、K562E、K562delta変異体によるアクチン線維束を電子顕微鏡にて観察し、クライオ電子顕微鏡による構造解析に向けた試料調製条件の最適化を試みた。ダイナミン2タンパクは、コムギ胚芽無細胞タンパク合成系を用いて調製した。アクチン線維束の観察は、負染色後、透過型電子顕微鏡を用いて行なった。ダイナミン2野生型により形成されたアクチン線維束は、1個あたり幅が約50nmで、K562E及びK562deltaにより形成されたアクチン線維束と同様であった。しかし、ダイナミン2野生型により形成されたアクチン線維束は、別の複数の線維束とともに、さらに束化していた。K562E及びK562delta変異体により形成されたアクチン線維束は、野生型のものと比べて顕著に再束化するアクチン線維が少なかった。そのため、ダイナミン2野生型を用いたアクチン線維束は、クライオ電子顕微鏡観察に不適であることが判明した。以降、K562EまたはK562delta変異体を用いたアクチン線維束を構造解析に使用することになった。また、クライオ電子顕微鏡観察する場合には、試料の濃度を高くする必要がある。しかしながら、ダイナミン2は、濃度の高い状態では、凝集しやすいため、条件のさらなる検討が必要になった。次年度には、分散したアクチン線維束の形成を高濃度に得る条件を探し出し、クライオ電子顕微鏡観察に備えたスクリーニングを行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
ダイナミン2を用いてin vitroにてアクチン線維束をコンスタントに形成させることに成功した。しかしながら、できたアクチン線維束が別のアクチン線維束とさらに束化することが認められ、構造解析に不向きであることが明らかになった。そのため、ダイナミン2の変異体のうち過度に重合しないものを検討する必要がある。今年度は、K562E及びK562deltaを使用した。今後、この変異体を用いて、クライオ電子顕微鏡解析に向けた条件の最適化を行いつつ解析していく。
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Strategy for Future Research Activity |
以降、ダイナミン2変異体を用いて、最適なアクチン線維束の分散条件を見つけ出し、クライオ電子顕微鏡観察に向けた条件の最適化を行なっていく。このように、アクチン線維束形成過程の解明を主体に、構造の面からもさらに解析を進めていく。
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)