不良タンパク質凝集体アグリソーム集積因子のカドミウム毒性における役割の解析
Project/Area Number |
22K06586
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 47030:Pharmaceutical hygiene and biochemistry-related
|
Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
藤木 恒太 東京女子医科大学, 医学部, 助教 (80632504)
|
Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
|
Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
|
Keywords | ストレス応答 / 尿細管細胞死 / カドミウム |
Outline of Research at the Start |
尿細管細胞死は、外的ストレス依存的に腎障害が生じる多くの場合に観察される現象であり、その機序の解明は、腎障害の治療や予防に繋がる。今なお身近な環境汚染物質であるカドミウムにヒトが曝露された場合も近位尿細管細胞死が観察されるが、その機序は未だに不明な点が多い。そこで、ヒト尿細管(HK-2)細胞を用いた解析を中心に、カドミウム曝露依存的細胞死誘導シグナルの解明を目指す。
|
Outline of Annual Research Achievements |
尿細管細胞死は、外的ストレス依存的に腎障害が生じる多くの場合に観察される現象であるため、その機序の解明は、腎障害の病態機序の理解に繋がる重要な課題である。環境汚染物質カドミウムにヒトが曝露された場合も尿細管細胞死が観察されるが、その機序は不明な点が多い。そこで、申請者は、ヒト尿細管(HK-2)細胞を用いてカドミウム曝露依存的細胞死誘導シグナルの解析を行うことにした。 これまでに解析を行った結果、①カドミウム曝露下のHK-2細胞では、不良タンパク質が凝集した構造体・aggresomeが形成される、②カドミウム曝露下に形成されたaggresomeにautophagosomeが集積する、③autophagy-lysosome分解系促進因子TFEB・TFE3を機能阻害することで、カドミウム曝露依存的HK-2細胞死が促進される、ことがわかった。このことから、カドミウム曝露下のHK-2細胞では、カドミウム曝露依存的に蓄積した不良タンパク質をaggresome-autophagy-lysosome系を介して消化することで、蓄積した不良タンパク質が発現するタンパク質毒性を抑制している可能性が示された。また、近年、不良タンパク質凝集体が特定の因子を取り込むことで、細胞内シグナルを制御することが報告されている。申請者はカドミウム曝露下にaggresomeに集積する因子に注目し、探索した結果、複数の候補因子を同定した。現在は、それら因子がaggresomeに集積する意義および機構について解析を進めている。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現在、抗体染色法を用いてaggresomeに集積する因子を探索している。aggresomeおよび中心体については、本来の抗原となる因子以外を認識してしまい、抗体が染色してしまう場合が非常に多い。そのため、aggresomeが染色された場合でも、その抗体の染色像が確かなものであるのかを確認する必要があり、その作業に時間を要している。その結果、予定よりも多少遅れが生じているが、全体としては順調に進捗している。
|
Strategy for Future Research Activity |
次年度以降は、現在までに得られている知見を踏まえながら研究計画を修正し、解析を進めていく。具体的には、①初代培養細胞でもHK-2細胞と同様、カドミウム曝露依存的なaggresome形成が観察されるか、またその周辺の分子機序が保存されているかを確認する。②aggresome集積候補因子が、真にaggresomeに集積するのかを確認する。③同定したaggresome集積因子がaggresomeに集積する機序、また、それら因子がaggresomeに集積する意義について検討する。③同定したaggresome集積因子が、カドミウム刺激特異的に形成されるaggresomeに集積するのかを調べるため、神経変性疾患病理モデルにおいて観察されるaggresomeでもそれぞれの因子が集積するかを確認する。
|
Report
(1 results)
Research Products
(6 results)